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(23.10.6) アメリカの分裂 左翼と右翼の闘い ウォール街を占拠せよ

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 ついにアメリカで左翼と右翼の闘いが始まった。左翼はウォール街の占拠を叫ぶ若者達で、右翼は茶会運動を指導している保守的なキリスト教徒の集団だ。
オバマ政権が発足してからはもっぱら右翼の茶会運動がオバマ政権が公約した国民皆保険制度導入に反対して運動をしていたが、ここにきて沈黙していた左翼が主張を始めた。

 発端はカナダの非営利雑誌アドバスターズの編集長カレ・ラーマンがブログで「10月17日、ウォール街を占拠しよう」と呼びかけたことに始まる。
この17日に集まった人々は約1000人だったが、フェイスブックツイッターでの呼びかけが効をそうして段々と広がりをみせ、10月1日にはブルックリン橋5000人あまりの若者が集まり橋を占拠したため、道路交通法違反で約700名が逮捕された。

 この状況が再びフェイスブックツイッターで全米を含む全世界に流されたため、抗議運動は拡大の一途をたどり、今後全米100箇所あまりで抗議集会が開催されそうだと言う。
今まで沈黙していた左翼が立ち上がったのだ。これをメディアは「アラブの春」をもじって「アメリカの秋」と呼んでいる。

 アメリカの経済情勢は非常に厳しい。特に失業率は9%台をキープし続け、20歳から24歳の若者に限れば14.8%になると言う。
若者は大学を卒業しても就職にあぶれ、膨らんだ奨学金を返済すらできない。
俺達はなぜこんなに貧乏なのだ。なぜ国民の1%しかいない富裕層が富の20%を収奪し、4600万人もの貧困層が放置されているのだ

 左翼はオバマ政権樹立の支持母体だったが、ここにきて声を大に上げ始めたのは、オバマ政権の経済政策が失敗しているからだ。
期待に反して景気は上向かず、失業率は高止まりし、消費は一向に改善しない。

 かつて不動産投資でわが世の春を謳歌していた中間層はリーマン・ショックで奈落のそこに突き落とされ多くが貧困階級に仲間入りをしている。不動産は持てば持つほど含み損が膨らんでいくのはバブル崩壊後の日本となんら変わりがない。
さらにヨーロッパ発の激震で株式投資信託も低下の一途をたどりつつある。
職もなく資産も失った中間層に未来がない。

 そして大学や大学院を卒業したての学生は労働市場から締め出され、一方でウォール街の経営者やディーラーは今でもわが世の春だ。
ウォール街サブプライムローンで手痛い痛手を負ったが、政府の低金利政策で息を吹き返した。
なにしろほぼ0%の資金を湯水のごとく垂れ流してくれたのだから、これで儲けられなかったら金融業を辞めたほうがいい。

 アメリカ国債を購入しても2%程度の鞘が抜けるし、最近までは新興国の株式や不動産に投資していれば10%~20%の利益が上がっていた。
公的資金を政府に返済した後は金融機関はまた役員報酬や給与の大盤ぶるまいをはじめ、リーマン・ショック以前の状態に戻っている

何で税金を投入して救ってやった金融機関の経営者が利益をむさぼっており、一方俺達は失業者か!!!」左翼の怒りが爆発している。
金融業に公的資金を投入する道筋を作ったのはブッシュ前政権だから、オバマ大統領を非難するのは筋違いだが、オバマ氏が公約した製造業の復活は果されていない。

注)GMとクライスラーを救って職場を確保したのが唯一の成果だ。

 アメリカにはアップルや、マイクロソフトインテルといったIT産業はあるが、部品は中国や韓国や台湾から調達し今では組み立ても海外で行っているからアメリカ国民の仕事とは結びつかない。
アメリカの若者の不満は爆発しそうだ。
茶会運動で保守化したアメリカが再び左翼の時代になってきた。
オバマ政権はこの左翼の異議申し立てを精神的に支持しており、できれば来年秋の大統領選挙の再選の運動に結び付けたいと願っている。

 しかしそのためには失業率の改善が必須事項だ。オバマ政権は後一年をかけて外国(特に中国)に奪われた職場の奪回を図ろうとするだろう。
手始めは中国元の自由化で、かつての日米間の貿易摩擦が米中間で始まろうとしている。

注)アメリカ経済についてはカテゴリー「評論 世界経済 アメリカ経済」にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43809971/index.html

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