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(23.10.22) オリンパスをめぐる深い闇 何がオリンパスに起こっているのか?

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 なんとも不思議な事件が日本の光学機器メーカーオリンパスで起こっている。
オリンパスの社長は11年4月からオリンパスの英現地法人で手腕を発揮し、当時の社長だった菊川氏に認められて社長に就任したマイケル・ウッドフォード氏だったが、このウッドフォード氏と菊川氏が骨肉の争いを始めた。

 ウッドフォード氏はこの14日社長を解任されたのだが、その2週間前に菊川会長からCEO最高経営責任者)に任命されたばかりで、実質的なNO1になったとたんの解任だから世間が驚いた。
株価は急落し13日まで2482円だったのが、解任後の20日には1321円約47%も下落している。

 ウッドフォード氏と菊川氏との骨肉の争いの原因は、過去にオリンパスが行ったM&Aの不明瞭さをウッドフォード氏が追求したからである。
あのやろう、俺がせっかく社長に抜擢したのにオリンパスの恥部を公表しやがってとんでもないやつだ。このままでは示しがつかん、首にしろ
役員会で菊川氏はウッドフォード氏を解任してしまった。

 オリンパスのM&Aにまつわる不明瞭さとは2件あって、この2件は深部でつながっているように見える。

① 2006年から2008年にかけて、オリンパスは国内の3社のM&Aを734億円をかけて実施したが、このM&Aは失敗に終わり、2009年3月期の決算で557億円(75%)の減損処理をしている。

買収した国内3社は以下の通りだが、いずれも売上高が10億以下の小規模な会社

・アルティス(資源リサイクル会社
・ヒューマラボ(化粧品・健康食品販売会社
・ニューズシェフ(電子レンジ・調理容器製造会社

② 2008年 イギリス医療機器企業ジャイラスを買収。買収総額は2117億円で、そのうちの32%、687億円(当時の為替レート)がケイマン諸島にあった(今は存在していない)投資仲介業者AXAMに対する報酬として支払われた

通常のM&Aの報酬は5%以下程度だから異状に高い報酬で、しかもそのAXAMは単なるダミー会社だったから、実際のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)が誰で、687億円がどこに消えたのかが問題になっている

 この事件が明るみに出たのは月刊誌FACTAがこの8月に暴露記事を掲載したからだが、リークしたのは社長だったウッドフォード氏だったと思われる。
というのもこの暴露記事が出るとすぐさまウッドフォード氏は世界的な会計会社PwCに調査を依頼し、その調査結果を元に会長の菊川氏と副社長の森氏の解任を求めたからである。
この解任騒動の第一幕はウッドフォード氏の勝利で、その結果が雇われ社長から実質的な権限者のCEOへの昇格だったが、すぐさま菊川氏の反撃にあって、2週間後には社長を解任されてしまった。

注)PwCの調査報告内容
・ケイマンにあった投資仲介業者AXAMは所有者が不明
・直接の手数料約240億円の他に、優先株の買取約440億円が支払われているが、後者については取締役会の承認がなく、内部稟議で済ませている。


 はたしてオリンパスに何が起こっていたのだろうか。私は当初リーマンショック以前の業績の良い時にM&Aを仕掛けて失敗し、大幅な減損処理を強いられた経営の失敗だと思っていたがどうも話はそう単純ではないらしい。

(23.11.8追加)以下の推定はオリンパスの利益隠しと考えて推定したものだが、実際は損失隠しであることが判明した。したがって以下の推定の利益を隠したという部分は誤りである。



 以下は私の推定である。

 ① の国内3社の買収はM&Aと言うよりも利益の圧縮を行うためにわざと業績の悪い会社を買収したのではないかと思われる。
医者や不動産所有者がよく行う利益隠しの方法で、わざと赤字会社を作って連結対象とし、その赤字分を本体と合算して収益を圧縮する方法である。
その3社の減損処理を2009年3期に行っているが、それはさらに巧妙な方法を使用することができるようになったので、この3社の利用価値がなくなり整理したのではないだろうか。

 ① より巧妙な方法は②で、外国企業の買収を行った時にその手数料を水増しして支払い、それをケイマン諸島に隠すという方法である
実際ケイマン諸島にあったとされるFA会社AXAMは存在しておらず、手数料の行方は不明だがもともとオリンパスが作ったダミー会社だとすれば不明になるのが当然だ。

 ②では本当の投資仲介会社はAXAMではなく他におり、そこに対する手数料は常識的な5%以内(最高で70億円程度)だったのではなかろうか。残りの600億円程度はオリンパスの秘密口座に振り込まれたと私は思っている。
なお今回②のM&AではA氏と言うかなり胡散臭い人が金融アダバイザーとして登場しているが、この人は①の国内3社のM&Aにおいても登場しているから、菊川氏とは懇意の間柄で、菊川氏はA氏の指導の下に利益隠しを行ってきたのだと推定される。


 ウッドフォード氏と菊川氏の確執は、この利益隠しに気づいたウッドフォード氏が雇われ社長ではなく実質的なNO1になるために菊川氏を脅したのが真相ではないだろうか。
一旦はウッドフォード氏はCEOに就任したが、菊川氏らの反撃にあってすぐさま退任させられたのだと私は思っている。

 しかしこの二人の確執とは別に、オリンパスの闇が世間に公表されてしまった以上、今後日本やイギリスの監査当局が調査が入ることは確実で、ケイマン諸島をめぐる利益隠しの実態が初めて明らかになるのではなかろうか。
実に興味深深だ。

 現状では推察の域を出ないので、今後新事実が明らかにされた段階でもう一度この問題を考察したい。

 

 

 

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