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(23.10.15) 尾瀬の自然をどのようにして守ればよいか 東電撤退

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 今月の8日から9日の連休に尾瀬の燧ケ岳の登山を行い、三条の滝の景観を堪能してきたのだが、今日(13日)衝撃的なニュースが新聞に掲載された。
従来尾瀬の景観保護のために東京電力毎年2億の予算で木道の維持メンテや湿原の回復事業を行ってきたが、福島第一原発の事故に伴う保障費用の捻出や、人員削減のためこの尾瀬の保全事業ができなくなったと言う。
やはりそうか・・・・・」思わず声が出た。

注)東電の木道の分担割合は約2割で残りは県

 東電は尾瀬国立公園のほぼ4割特別保護区だけならほぼ7割の土地を保有しており、尾瀬の群馬県側の土地は東電のものと思ったほうが良い。
元々東電は尾瀬から流れ出ている只見川に水力発電所を建設する計画だったが、地元の自然保護運動の高まりがあって、ここを自然保護区として保全してきた。

 東電としたらメセナ事業の一環としての位置づけだったが、福島第一発電所の事故発生が東電にそうした余裕を与えなくなった。
なにしろこのままでは自身の倒産問題まで発展するのだから、尾瀬の保全まではとても手が回らないと言うことだろう。

 国立公園内の土地の保有者が景観の維持ができなくなった場合は、風景地保護協定と言う制度があって、公園監理団体所有者が協定を結んで公園監理団体に保全を依頼することができる。
今回東電が求めているのもこの協定だが、一番の問題は東電が負担してきた約2億円の資金を公園監理団体が東電に代わって負担できるかと言うことだろう。

 他の大企業が東電の役割を引き継いでくれれば恩の字だが、現状の経済情勢を考えればそうした企業が現れるのを期待するのは難しそうだ。
そのほかに考えられる方法は尾瀬に入山する人から入山料を徴求して、その費用で木道や湿原の回復を図ると言う方法だろう。

 尾瀬の入山者は1996年の65万人をピークに減少しており、2010年では35万人と約半分程度の水準になっている。
この35万人から一人当たり500円の入山料を徴求すれば1億75百万の金額になるのでほぼ東電が負担していた金額に近くなる。

 高速道路と同じで利用者が費用を負担するのが最も妥当な措置だ。
観光業者からは入山料を徴求すると観光客が減るのではないかとの危惧の声も聞かれるが、では東電が負担していた費用を観光業者が負担するつもりがあるかと聞きたい。
私は日本の国立公園のほとんどが入山料等を取らないことのほうが問題で、政府や自治体や私企業がそうした費用を捻出できなくなっているのだから、利用者負担に変えるべきだと思っている。

注)水と安全と自然はただでないという意識改革が必要なのではなかろうか。

 今思えば東電が尾瀬の保全事業に果してきた役割の大きさがよく分かる。メセナとしても立派な事業だ。
しかしその東電は会社存続が危ぶまれるような状況になっているのだから、今度は国民(尾瀬を利用する人)がその費用を負担する以外方法はない。

なお最近尾瀬に行ってきた記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/231011-a3d9.html

 

 

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