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(23.10.14) 大変だ タイの工業団地は水浸し 日本輸出産業の苦悩

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 タイでは7月以降続く大雨でチャオプラヤー川が氾濫し、日本の輸出産業の集積地アユタヤが大洪水になってしまった。
特にロジャナ工業団地の水害の被害が大きく、ここに四輪車工場を持っているホンダはまったく操業が不可能になっている。

 映像で見ると工場の敷地に並んでいた自動車の頭だけが見えて後は水没しており、工場の内部にも水が浸水しているという。
具体的な被害は退避命令が出ていて工場に立ち入ることもできないため不明で、10月4日以降操業が停止されており再開のめどがたたない。

 トヨタも10月10日以降車両工場が操業を停止しているが、これはロジャナ工業団地内にある部品工場が水没したためで、日本からの部品供給を得て車両工場の再開を図る予定だそうだ。

 ニコンはこのロジャナ工業団地に連結子会社のニコンタイランドがあり、デジタル一眼レフの9割、レンズの6割を生産していたが、退避命令が出ているためまったく操業ができなくなっており影響が大きい。

 その他の日本企業もこのロジャナ団地に部品工場を持っていて、部品供給が途絶えており日本等からの部品が来るまでは操業を停止している組立工場が多く、被害は甚大と言わざる得ない。

 思えば日本輸出産業はこのところ悲劇の連続だ。東日本大震災円高のダブルパンチを浴びて日本での操業を大幅に縮小し、タイのような東南アジアに生産拠点を移してみたらここでは大洪水に見舞われる。

 世界は温暖化の影響で気候が荒々しくなっており、日本でも台風が長時間停滞して紀伊半島を中心に過去最大規模の水害や土砂崩れに見舞われたが、タイでは北部と中部を中心に大雨が降り大水害が発生している。
昨今の天候は雨が降り出すと豪雨となり、一方降らないと徹底的な旱魃になってしまう。

 北極海の氷は約4割が溶けてしまい、グリーンランド南極も例外でない。アルプスヒマラヤの氷河は毎年のように後退しており、日本では北海道の夏が私の住んでいる千葉と同じように高温多湿になってしまった。

 考えてみれば気温が上昇して大量の氷が溶け出しているのだから、水蒸気の量も半端でなくなり、これが一気に降って豪雨をもたらしているのだろう。
国連が主体となって温暖化防止のための会議を開催しているが、中国アメリカは聞く耳を持たない。

 世界の4割の二酸化炭素は中国とアメリカが排出しており、今後ますます中国のウェイトが高まりそうだが、旱魃が発生しようが豪雨が降ろうが中国政府はGDPを増やすことしか考えない。
環境なんてどうでもいい、我が国が大国になるために二酸化炭素でも硫黄でも撒き散らせ」といった具合だ。

 今急速に世界から安全な場所が消えている。どこに行っても問題が山済みだ。
日本輸出産業にとって今回の水害は誤算だったろうが、タイが日本のような河川工事をしない限り毎年のように水害に悩まされそうだ。

 私がタイのアユタヤに行ったのは今から20年ほど前だが、川はほぼ自然な形で流れており、堤防工事などほとんどされていなかった。
あちこちに川の流れが変わったために残されたと思われる沼があり、そこで水牛と裸の子供が遊んでいた。
工場団地がなければいくら雨が降っても水牛と水遊びを楽しめばよかったろうが、日本輸出産業の生産拠点の一つがタイであるためそんな牧歌的なことを言っていられない。

注)なおこの水害で260名の死者が出ており人的被害は大きい。

 日本では 八ツ場ダム建設の例で分かるように不要な公共工事ばかりだが、タイなどはこの公共工事が絶対的に不足している。
国内の無駄な工事を止めて世界のインフラ整備に貢献するのがこれからの日本の使命ではないかと、タイの大洪水をみて思わざる得ない。

注)さらに洪水の被害は広がっており、ロジャナ団地以外の団地にも水が押し寄せている。アユタヤに進出した日本企業は約300社だが、当面生産が不可能な状況になりつつある。

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評論 世界経済 タイの政治・経済」カテゴリの記事

コメント

タイからはガス発電機一式を貸与されたのだから、今度は日本が、という番の筈ですね。
八ツ場ダムの人資を振り向けてもいいのでしょうに。先日の試算に対し、パブコメもあります。
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/index00000022.html

投稿: 横田 | 2011年10月14日 (金) 21時39分

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