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(23.9.24) 中国地方政府の苦悩 融資平台の借金返済ができない

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 中国の不動産バブルがピークを迎えたことは確かだ。中国政府が発表した11年8月全国70都市新築住宅価格統計で、価格が低下または横ばいの都市46都市で、これは7月より15都市増加している。
一方上昇は24都市だったが上昇率の平均は0.4%だった。

 北京政府は過去数年のあまりの不動産価格の上昇に業を煮やして金融引締めに転じたのだが、その効果がようやく出てきた。
やれやれこれで安定成長路線に乗せられる北京政府はホット一息をついたがパニックに陥ったのは郷鎮といった地方政府で、第3セクターの融資平台が資金繰りに苦しみ倒産の危機に陥っている。

 実は地方政府建前上は財政赤字が許されず、また日本のように起債発行もできない
いかにも中央集権国家らしいが、裏があって融資平台と言う日本で言う第3セクターを設立してここが金融機関からの資金調達を行ってきた。
融資平台は地方政府の保証(保障はできる)により金融機関から融資や起債を引き受けてもらうのだが、この金額が10年末に約130兆円規模に登っている。

注)融資平台の数は6000社から8000社程度ある。

 なぜこのように金額が増加したかと言うとすべてはリーマン・ショックに原因がある。北京政府は輸出の落ち込みを内需でカバーしようと約4兆元約48兆円)にのぼる財政資金の投入を行ったが、このうちの約3割は地方政府の支出にした。

だが胡錦濤同志、地方政府には金がありません
ならば融資平台を使って資金調達をすればいいではないか」正式にお墨付きが出た。

 それまでは融資平台の資金調達は北京政府の目を盗んでしていたので、やや後ろめたいものだったが、正式にこれが認められ地方政府は舞い上がってしまった。
道路、橋、鉄道、飛行場、上下水道といったインフラを作りまくった
返済財源は利用料を当てようとしたが、こうした公共的な施設は高額な利用料は徴求できない。中国人の所得は日本人の約10分の1だ。

 しかし中国には絶対的な切り札がある。土地が公有化されているからその使用権を売却することによっていくらでも資金調達が可能になる仕組みだ。
心配するな、土地は無尽蔵にある。これをディベロッパーに売ってそれで融資平台の借金の返済に充てろ

 中国地方政府のうちでの小槌はこの土地使用権の売却だ。政府高官とディベロッパーが結託して土地から農民や市民を追い出し、高級マンションを作りまくった。
たしかに不動産バブルが更新している間は、土地に対する需要はいくらでもあったが、ここにきて不動産価格が下降に転じた。
新規の建設にはストップがかかり、土地使用権の売却が思うに任せない

 雲南省や上海市の融資平台の資金の返済が滞っているとの報道が中国紙に出されていたが、こうした報道は氷山の一角で今後次々に融資平台の経営悪化が伝えられるようになるだろう。

 思えば日本において上総アカデミアパークハウステンボスが倒産したのはバブル崩壊後10年程度経ってからだった。
その間千葉県長崎県は第3セクターを税金で支え続けてきたが、最後は手を上げた。
いくら待っても不動産価格は上昇せず、一方地方財政は火の車となり起債もできなくなったからだ。

 中国もバブルがはじけたからと言ってすぐに融資平台の倒産ラッシュが始まるわけでない。
不動産価格の上昇をひたすら待って地方政府は融資平台を支え続けるだろう。
もし融資平台の倒産すれば、それは地方政府の責任になり、地位を追われる。

 今中国はちょうどバブルがはじけた日本の1990年ごろの段階にある。中国が日本とまったく同じ経過をとるというのは言いすぎだが、中国の不動産バブルを支えた土地価格の上昇が終わったことも確かで、崩壊の推移が注目される

 なお上総アカデミアパークの倒産経緯とハウステンボスの倒産経緯は以下の通り。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/22128-d1af.html

http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/2221-66ad.html
 




 

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