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(23.9.19) 円高と外貨預金の増大 預金者は覚醒したのか?

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 17日の毎日新聞の夕刊に「外貨預金が急増」との記事が出ていた。
それによると歴史的な円高が続いているため、外貨預金の残高が増大しており5兆円を越えたという。
増大している背景には円高以外に手数料を低く抑えたインターネット銀行の存在もあり、通常の金融機関の4分の1の手数料で円をドルにかえてくれるという。

注)大手行の手数料は1ドル当たり1円であり、ネット銀行は25銭である。

 ネット銀行大手の住信SBIネット銀行の例では、8月末の外貨預金の残高が前年同月比1.8倍1085億円になったと言う。
特に人気なのはドル預金で前年同月対比2.1倍487億円に増加したと言う。

 この記事を読んで私は不思議な気持ちに襲われた。不思議に思ったのは以下の2点である。

① 日本人の金融資産はおよそ1400兆円で、そのうちの現金・預金は約700兆円である。うち外貨預金の残高は5兆円で、ほとんどとるに足らない金額だがなぜか。

② 外貨預金のほぼ半分は米ドル預金であるが、ドルは円に対し傾向的に低下している。なぜ米ドル預金なのだろうか。

 従来から日本人は日本政府を信頼して円預金をし続けてきたており、このことが政府の国債販売政策に貢献し、国債の95%が日本人の保有となっている。
もしこれがアメリカのように約半分が外国人保有となれば政府の債務がGDPの200%になって平然としていられなかったはずだ。

注)ギリシャは政府債務がGDPの120%になって国債利回りが25%になってしまった。一方日本の国債利回りは1%前後で安定している。

 日本ではあえて外貨預金をしてまでしなくても良いとの判断を金融資産の約8割を持っている多くの年寄りがしている。
このため外貨預金の残高が少ないのは分かるが、これは日本のおかれている現状からは消極的過ぎる対応に見える。

 日本は歴史的円高で輸出産業が崩壊(海外に進出して日本国内は空洞化している)しており、かつてのような貿易収支の黒字で経済を牽引していくことができなくなった。
今残された手段は1400兆円と言われる個人金融資産の有効活用になるのだが、現状は1%以下の国内預金に張り付いたままだ。

 日本の低金利は国債利回りを上昇させないための方策で、金利が上がれば国債の利回りを上げなくてはならない。
そのため低金利でも国民が国内預金をし続ける方策として、国や日銀は外貨預金等のリスクを強調して来た。
外は狼だらけだ

 しかし時代が変わった。
貿易収支で稼げないならば所得収支で稼ぐよりほかに手段はないからだ。
だが当然のことにこの外貨預金の世界は荒波の世界で、通常のリスク管理ではとても対応できない。
そのため日本の金融機関のレベルアップを期待したいのだが、残念ながら日本の金融機関の能力は極端に低い

注)日本では集めた資金を国債購入にあてるか、国内融資に当ててきたため海外で利益を確保する能力がアメリカやシンガポールの金融機関にとてもかなわない。
世界を相手にできるトレーダーが育っていない。

 そのいい例がドル預金の増加である。ドルはリーマン・ショック以降約40%減価しており、現状のオバマ政権の金融緩和策を見ればさらに減価すると予測される。
もちろん為替相場は短期的に上下するから、そのときを狙って収益を上げることはできるが、それはプロの世界の話だ。

 一般のドル預金者がそうした動きに適格に対応できるとはとても思われないので、長期的に減価が予測される外貨に投資すべきでないし、金融機関としては勧めるべきでない。
またユーロも減価が予想されるので対象外だ。

 当たり前のことだが成長著しい国家の通貨やそれに原材料を提供している国の通貨が上昇する。  だから中国元オーストラリアドルあたりが適切(ただし日本人が中国元の預金をすることはできない)だし、円より強い通貨といえばスイスフランだ。

 また通貨以上に上昇が見込まれるのは金で、これは先進諸国の景気停滞で新興国の景気が低迷した時は絶対の資金の避難場所になる。
私は前に「擬似金本位制度の復活」(リンクが張ってあります)と言うブログを掲載したが、混沌の時代は金が最後のアンカーになるのはどこも変わりがない。

注)第二次世界大戦中ユダヤ人は資産を金やその他の貴金属に変えて脱出を図った。

 私は日本人が覚醒し外貨預金に目覚めたのは喜ばしいことだと思っているが、それにしては日本の金融機関の資質が低いのには憂慮している。
政府・日銀の政策に黙って従ってきただけで、自らリスクをとって戦う冒険心も、また能力も不足している。
シンガポールあたりに本店を移し世界の金融市場を勉強して、世界のレベルに一歩でも近づいてもらうのが一番だろう。

 

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