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(23.9.12) 空しさの饗宴 G7とユーロの崩壊 誰も何も決められない

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(トシムネさん撮影 山崎編集

 おそらくこれほど空しい会議はあまりお目にかかれないだろう。フランスで開催されてたG7(先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議)のことだが、そこで採択された共同声明は実際は何を述べているのかさっぱり分からないような声明だった。
世界経済の成長に明らかな減速傾向が見られる」のは事実だが、だからと言ってだれも何もできないという。

 日本はこの会議で円高是正のための共同歩調をアメリカ・EU各国に求めたが、各国は馬耳東風で議題はもっぱらEU加盟国、特にギリシャの財政危機問題に費やされた。
日本がまた円高だと騒いでいるが、自国通貨が高く評価されて金持ちになったことを大騒ぎをするような国は無視だ」という感じだ。

 実際今回の最大の課題はギリシャがEU支援各国に約束した財政再建策を実行しないことへの対応に費やされた。
金をよこせ、だが財政再建はできない。EUの言うことを聞いていたらギリシャがつぶれる」ギリシャはほとんど居直っている。

 結局EU加盟国、分けてもドイツがギリシャを救うかどうかが最大のポイントになっているものの、メルケル首相は「ギリシャは約束を果すべきだ」と冷たくギリシャを突き放していた。国内の3分の2がギリシャ支援に反対だからだ。
これではドイツ財務相もドイツ中央銀行総裁もなにもできない。
これを見て市場はユーロを叩き売りをはじめ、1ユーロ105円までユーロ安が進んだ。

注)メルケル首相率いるキリスト教民主同盟はこのところ地方選で敗退を繰り返しており、安易なギリシャ支援ができない。

 アメリカはEU各国に欧州の財務危機に適切な対応を求めたが、本当はアメリカ国内も火の車で、景気が減速して失業率が高止まりしている。
来年は大統領選挙なのにオバマ大統領の支持率は低下したままだ。
このままでは再選は不可能なので、たまりかねて4470億ドル(約35兆円)の景気対策を打ち出したが、議会下院の多数派を占める共和党はこの財政出動に大反対だ。
トンでもない、財政再建が先で財政出動なんて絶対に認められない
ここでも財務相は動けない。

 一方日本の野田新首相は首相就任にあたって「経済成長なくして財政再建なし。財政再建なくして経済成長なし」と公言したが、これほど空虚な言葉はちょっと見つけるのは難しい。
現在日本、アメリカ、西欧各国が直面している危機は、「経済成長か財政再建か、どちらか一つしかありえない」と言う現実に呻吟し苦悩しているからだ。
日本ほどひどい自己矛盾に陥っている国はなく、せっかくの円高を手をこまねいている。

注)高度成長期は税収も上がり健全財政を維持できた。健全財政と高度成長の組み合わせはあるが、低成長と健全財政の組み合わせはない。

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(トシムネさん撮影 山崎編集

 日本は1990年前後のバブル崩壊以降、経済成長を図ろうと何度も財政出動をした結果、世界最悪の財政状況になってしまった。
今EUもアメリカもリーマン・ショック以降の景気回復のために日本をまねて思い切った財政出動をした結果、日本と同様の財政状況の悪化に悩まされている。

注)アメリカもEUも失われた10年(場合によったら20年)に突入している。

 おかげでギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアと言った主として南欧の各国が国債で資金調達ができなくなり、ECB(ヨーロッパ中央銀)が已む無くこうした国の国債を購入して支えている。
最もこれにはドイツが大反対で最近ドイツ出身のシュタルクECB専務理事が尻をまくって辞めてしまった。
もうやってられねえ、ドイツは真面目に働こうとしない遊び人のためにお金を使うことは断固拒否する

 EUではドイツが離反し、アメリカは共和党下院を説得するすべを持たない。そして日本は円高だと大騒ぎしているが世界はまったく相手にしてくれない。
こんななかでG7が有効な対策が打てると考えるほうがどうかしており、結局「みんなそれぞれ自分の問題は自分で解決しよう」と言うことになって散会した。

 なぜこのように混迷するかの最大の原因は、十分成長した先進国がそれ以上成長をさせようとすると無理な財政出動か、無制限の金融緩和をとらざるを得ず、たちまちのうちに財政悪化に陥るからだ。

 何度も同じことを言って恐縮だが、経済とても無制限な成長はありえず人間が大人になったら身長が伸びないように経済成長も止まる
これは少し考えてみれば当たり前で、衣食住にしても一定の水準が確保できればそれ以上の需要はなくなる。

 無限に経済成長をするという神話は、人間は際限なく食事をし、いらない衣料品を買い込み、使わない家を建て続けるということを想定している。
そんな馬鹿なことはありえず、先進国になればなるほど消費需要は衰えていく
一方新興国は先進国に追いつけ追い越せと努力しているが、ここも先進国レベルになればそれ以上の消費をすることはない。

注)しばらく前まで使い捨て文化が隆盛を極めていた。確かに使えるものでも次々に捨て去れば新規需要が生まれるが、これは資源を過剰なまでに酷使をしてしまい、資源問題に突き当たる。現在日本では「もったいない」と言う思想が定着しつつあり、資源の無駄な使用を控えるようになってきた。

 日本やアメリカや西欧諸国はこの成長の限界に突き当たっている。もはや成長はしないのだから、後は健全財政に取り組むより手はない。
こうした状況下で今問題になっているギリシャはどうなるのだろうか。
ギリシャはユーロに入っている限り他国の支援だけが頼りだがドイツはギリシャを見放し始めた。

注)ユーロに入っていると金融政策はECBが行うため、ギリシャに残された手段は財政政策しかない。健全財政に取り組むと言うことだが、国内の反発は強い。仕方ないので他国からの資金援助を当てにする。

 結局はギリシャはユーロに加わるだけの能力がなかったとユーロ加盟国が見放し、ギリシャはユーロから離脱して独自通貨に戻り、通貨の切り下げを行うと言うのが一番ありそうなシナリオだ。
自分のことは自分で始末しろと言うことだ。

注)すぐにユーロから離脱と言うことはないが、最終的には離脱せざる得ない。

 リーマン・ショックから3年、ユーロ成立から約10年でユーロ圏の崩壊の兆しが見えてきた。経済成長が終わり身の丈にあった生活を先進各国は求められている


 

 

 

 

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コメント

もうそろそろ、経済成長に頼らない政策を主張する議員が出てきても良いと思うし、嘘つき議員よりは信頼できて票も取れそうな気がするのですが、まだ、そんな時代になってないんですかねぇ...

投稿: ふくだ | 2011年9月12日 (月) 18時32分

全く同感です。特に公務員の給与・退職金・年金・の削減は、すぐにも取り組むべきです。

投稿: Z | 2012年4月27日 (金) 20時57分

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