« (23.8.30) ちはら台発掘ものがたり 草刈遺跡群 | トップページ | (23.9.1) アメリカに踊らされた国策捜査の破綻 旧日債銀経営陣に対する無罪判決 »

(23.8.31) 日本復活か衰亡か? 野田新首相の誕生

23823_091  

 はたして野田新首相の誕生は日本の再生になるのだろうか、それともここ5年間続いたように1年後にはおはうち枯らした姿で退陣するいつもの首相と同じパターンになるのだろうか。
日本に長期政権が存在しなくなって5年が経った。
5年間で6人目の首相であり、各首相の任期はほぼ1年前後になっている。
そしてこの5年間は明確な日本の衰退と重なっており、1年で代わる首相に何か期待するほうがどうかしている。

 アメリカを始め各国の首脳もこの日本のあまりに早い首相交代に戸惑っており、そのたびに外交政策が変更するのにはさらに当惑している。
なにしろ何を約束しても次の首相が外交交渉で約束した国家間の取り決めを守るかどうか分からない。
だから何を決めても無駄だとオバマ政権は諦観してとうとう菅前首相をホワイトハウスに呼ぶことすらしなかった。
日本は無視しよう。これからは中国だオバマ政権の基本的姿勢である。

 今回の民主党の代表選挙はまったく魅力のないものだったが、それでも小沢・鳩山連合に押された海江田氏か、それとも菅氏の流れを汲む反小沢連合かの闘いの側面は無視できなかった。
私が最も恐れたのは小沢・鳩山連合に押された海江田氏が首相になることで、もしそうなったら鳩山氏の言う「民主党の原点に戻る」ことになるからだ。

 ここ2年間の民主党の原点とは目を覆いたくなるようなひどいものだった。
財源の裏づけをまったく無視したばら撒き政策で、おかげで国家予算の半分以上が国債発行によってまかなわれる異常事態になっている。
これを鳩山政権はまったく気にすることもなかったし、菅政権では消費税のアップが必要だとの認識を菅首相は示したが、民主党としては増税は絶対に認められないと言うものだった。

 外交政策においても鳩山元首相は何のビジョンも持たずに従来の自民党政権が築いてきた日米同盟を崩壊させることだけに熱心だった。
菅政権になって修正はしたものの、中国とロシアからは完全に足元を見られ尖閣諸島も北方4島も領有権問題では押しまくられている。

 これが民主党の原点なのだから、海江田氏が首相になったら日本の衰退はほぼ決定すると思っていた。
そうした意味で財政再建の必要性を説き、自民・公明との3党合意についてそれを守るとの立場の野田氏のスタイルは混迷する日本政治を救う一つの方向性を示している。

 経済についてみると日本経済は輸出主導型の経済運営が崩壊し、新しい産業が発生しない限り日本の再生はありえないのだが、新しい産業育成のためには安定した政権の強いリーダーシップが必要になる。
今までのような1年交代の政権運営で良いはずはなく、もし海江田氏が首相になれば自民・公明との権力争いが激化してすぐにでも解散総選挙になり、経済再建どころではなかった。

注)現在総選挙を行えば自民党の復活、民主党の大敗は確実なので、民主党としては選挙ができないが、追い込まれて選挙をせざるえなくなる。

23823_105  

 さらに日本の財政が破局的なことは誰でも知っているが、かろうじてこの状況が破綻しないのは財務省・日銀による金融支配が貫徹していて、国債消化がほぼ日本国内で可能だからである。
日本で商売したかったら、おれっちの言うことを聞いて国債消化に協力しろ。いやならどうなるか知ってるな!!!」財務省・日銀の脅しはみかじめ料を脅し取るヤクザとなんら変わらない。

注)もし言うことを聞かないと金融庁と示し合わせて徹底的な検査を行い、業務運営を麻痺させ、さらにあらゆるいちゃもんをつけて金融機関の免許を取り上げることもできる。

 日本だけがどんなに格付会社が日本国債の評価を引き下げてもレートも上がらず、国債消化も順調なのに世界が驚いているが、この財務省・日銀の脅しのシステムを理解すべきだ。
そしてこの脅しのシステムによって金融機関は1%程度の利回りしか上がらない国債投資に多額の資金を固定されるため、世界の常識に反して金融業が斜陽産業になっている。

 こうした財政破綻や経済破綻から立ち直るためには野田氏の言う財政再建が絶対に必要で、消費税のアップは避けて通れない。
また福島原発事故に伴う補償金等の支出のためにも増税は必要で、野田氏が増税論議を避けなかったことは評価していい。

 そして参議院を野党に握られている以上、3党合意に基ずく協力と、将来的な大連立(ただし民主党からは小沢・鳩山が出て行くだろう)以外に安定した国会運営も不可能なことも確かなのだから、坂本竜馬がいれば民主・自民の大連立を模索するだろう。

 今回の野田政権の誕生で民主党は首の皮1枚で残ったと言う感じだ。これからどうなるかは野田新首相の手腕によるが、安定した政権運営のためには大連立以外の選択肢がないことも確かだ。

 

 

|

« (23.8.30) ちはら台発掘ものがたり 草刈遺跡群 | トップページ | (23.9.1) アメリカに踊らされた国策捜査の破綻 旧日債銀経営陣に対する無罪判決 »

評論 日本の政治 野田内閣」カテゴリの記事

コメント

財政破綻したから増税したらいい、という安直な発想で、本当に良いのでしょうか?

誰の判断ミスによって、財政破綻に至ったのか、という過去の清算が行わないことに関して、憤りを感じます。

(山崎)現在の法人税と所得税を主体とした税体系はバブル崩壊時に同時に崩壊し、ほぼピーク時の半分程度の税収しか有りません。減少した税金の半分程度を補ってきたのが消費税ですが、税収全体としては減少しています。

一方で支出は社会保障費を中心に増大しており、これを補ってきたのが赤字国債です。
税収が減少し、支出が増えれば財政破綻をするのは当然です。
対応は増税と支出の削減ですが、民主党政権はばら撒き政権で支出の削減にはまったく消極的だったといえます。

投稿: ふくだ | 2011年9月 1日 (木) 21時23分

どうも、バブル崩壊は過ぎたこと、という発想に馴染めません。

バブルを膨らまして、大きな損害を生じさせたのは、誰の責任でもないような風潮が許しがたいのです。

何が悪かったのか、健全化に向けて、本来、何をすべきなのか、という冷静な判断が、故意に曖昧にされているような気がしてなりません。

(山崎)日本のバブルの最盛期を思い出してみると、企業はまともな生産をしている企業家は愚かで不動産投資と株式投資をしている企業家が羽振りをきたし、また金融機関は不動産融資にのめりこみ、政府は税収が上がったことを喜んで大盤振る舞いをし、個人は自分の持っている土地が1ヶ月単位で上昇していたことを自慢していた時代でした。

バブルはほぼ全員の人がユーフォリアになって浮かれている状態で、そうでなければバブルになりません。
一旦バブルになった後に特定の団体や個人に責任を押し付けることはできません。

それ以前の段階でどうすべきだったかを検討し、バブルになる芽を積まなかった責任を追及すべきですが、これも要因が複雑に絡みついているので実際はかなり困難な作業です。

投稿: ふくだ | 2011年9月 2日 (金) 21時44分

勉強不足なのですが、バブル崩壊後に、その反省として、どのような法規制が実施されたのでしょう?

記憶にあるのは、銀行を守るために、預金を1000万円までしか保障しないことくらいだったような...

個人的には、投機を制限する規制が必要だと思います。
信用取引や、短期売買の課税を強化すべきだと思うのですが、その辺りは、あえて放置されていませんか?

(山崎)日本の不動産バブル時期には大蔵省は不動産業者に対する貸出し規制を行いました。毎月貸出残高を報告させて不動産貸出しが多い金融機関の口頭指導を行ったのです。
日本では欧米諸国のように正式な基準を設けて、それに抵触するか否かではなく、行政指導と言うかなりあいまいだが強力な手段を行使できるのです。
これにより日本の不動産バブルが崩壊しました。

リーマン・ショック時のバブル崩壊では日本政府は当事者としての意識がないため、基本的には何もしてません。
アメリカでは一時ヘッジファンドの業務を規制するような動きはあったものの、最終的には登録制にするといった微温的な対応しかしていません。
ヘッジファンドは個人の投資活動を巨大化したものですが、アメリカ人のセンスでは自由な個人活動と言う位置づけです。
EUではサルコジ大統領とメルケル首相がヘッジファンドの取引を規制したり、先物取引を禁止したりしましたが、国内だけの措置に終わっているため、ヘッジファンドは規制のない国での活動を広げただけでした。

世界的な規制でない限りヘッジファンドは取り締まることができませんが、実際は自由な取引を保障している場所は世界各地にあり、規制は実質的に無力です。

投稿: ふくだ | 2011年9月 3日 (土) 11時18分

つまるところ、金が足りないから増税します、なんて短絡的で、その場しのぎの国家運営をされてしまってますよね。

企業経営なら、経営破綻に至った原因の検証と、善後策の実行をしたうえで、ステークホルダーの負担を依頼するのが当然なのに、国家運営が曖昧な対策で済まされてしまうのは、いかがなものか、と。

特に、事情通の方々が、成り行きで致し方なし、と判断されてしまうことが、一番やっかいだと思うのです。

投稿: ふくだ | 2011年9月 4日 (日) 15時11分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (23.8.30) ちはら台発掘ものがたり 草刈遺跡群 | トップページ | (23.9.1) アメリカに踊らされた国策捜査の破綻 旧日債銀経営陣に対する無罪判決 »