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(23.8.28) トランスエゾ始末記 その3 北海道について

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 私は北海道がことの他好きだ。過去4回トランスエゾで北海道を走り回ったり、個人的に徒歩旅行をしたり、大雪山系知床山系利尻山を登山しながら北海道を満喫したが、そのたびにここ北海道は本州や九州や四国と異なるエキゾチックな思いに駆られた。

 特に札幌や旭川と言った大都市を離れるにつれて北海道の特色がよくでてくる。北海道の東部や北部は極端に人口が少なく農家や漁家も点在しており、そうした町には人影もまばらだ。
まるで人がいないかのような錯覚に襲われ、ここが日本であることを忘れさせる。

 トランスエゾと言う競技は北海道の中でも人がまばらで、幹線道路から離れた農道や川の堤や生活道を走らされるので、観光地めぐりと異なった北海道そのものを教えてくれる。
この会の主催者である御園生さんは特に辺鄙な砂利道を好んで走らさせるので、走るほうはかなりテクニックを要する。
砂利道で飛ばすと必ず足を痛めるため、歩くかなるべく平坦な場所を見つけながらゆっくりと走らなければならない。

北海道はいいなあ、こんな素敵な景色と誰も通らない道だなんて素敵でしょう
御園生さんは自動車に乗ってサポートしてくれるのだが、正直言うと走るときは景色を見ているわけではなく地面ばかり見ているので、どこを走っても同じだ。

注)集中して走っているときは景色を見ている余裕はない。景色をしみじみと見るのは疲れて歩いているような時で、過去飛ばして走っていた頃は通った場所の記憶がほとんどなかった。

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 今回は何回もリタイアしたり、ゆっくりと時間をかけて走ったので北海道をしみじみ眺めることができたが、その一番の印象は北海道の衰退だった。
日本全体でも人口は停滞し減少に転じているが、北海道の地方都市や農村や漁村の衰退はそのはるか前から劇的に進行していた。

 札幌を中心とする大都市に若者は出てしまい、地方都市は火が消えたように寂しい。一部の都市はそれでも街中を花で飾ったり、町の目抜き通りから電柱を撤去したりして美しい町並みを演出しているが、そうした気力がなえてただ町そのものが消えるのを待っている地方都市のほうが圧倒的に多い。

 そうした町には商店もほとんどなくあっても店を閉じている。そこそこの町にはセイコーマートと言う北海道を中心に展開しているコンビ二があり、私は大変お世話になったがコンビニも成り立たないような町も多く存在する。

 そしてなにより北海道は公的な交通網が失われつつある。JRは赤字線を次々に廃止しているが、残った幹線も途中の小さな駅には駅舎以外に何もない。
そうした場所に駅があること自体不思議に思ったが、そこはかつては開拓団が入村し多くの人々がいた場所だった。
今では廃屋がその往時を忍ばせており、そうした駅を利用する人は私のような北海道にあこがれて旅をする鉄道フリークだけのようだ。

注)こうした駅には記録帳のような帳面が置いてあり、この駅を訪れた人が旅の思いを綴っている。
「こんな誰もいない駅を見たのは初めてだ。周りを見ても人家が見当たらない。静寂そのものだ」なんて記載されている。

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 JRだけでなくバスの便も極端に悪い。かなりの町の間のバスでさえ、朝2本、夕方2本、昼間1本程度の本数しかない。
今回私はトランスエゾで何回かリタイアしたのだが、一番困ったのがそこから決められた宿に行く方法だった。
この競技ではリタイアした後は回収車はないので自力で次の宿まで行かなければならない。

注)毎日の走行距離は平均80kmだから50km地点でリタイアすると、後の30kmを何らかの公的な手段で宿にたどりつかなくてはならない。

 ところがJRもバスも数時間後ぐらいにしか来ないのだ。
こんなことなら走った方がましだ」そう思うほど公的手段による移動は時間がかかる。
私はある漁村でリタイアした時、次のバスが4時間後だと言うので愕然とした。
近くの家に行って「これ以外の移動方法がないのか」聞いたところ、信じられないことにそこの主婦が自家用車で途中まで乗せてくれた。
北海道では自家用車で移動するのが普通で、公的手段は運転免許のない学生や老人の乗り物になっていた。

 私には北海道が未来の日本を暗示しているように見えてならない。
美瑛のような観光地は駅前も美しく整備され、観光客も多く訪れているが、観光から外れた場所はただ衰退しているだけだ。

 かつて北海道は農業と観光と土建業と自衛隊で維持されてきたが、農業は酪農を中心に衰退しており、廃屋となった牛舎があちこちに点在している。
土建業は不要な道路や港湾をこれ以上作るだけの力が日本政府自体になくなってしまい、誰も使用しない道路建設もできなくなってしまった。
自衛隊も仮想敵国がロシアから中国にうつったため、徐々に隊員のシフトが行われている。

 残されたのは観光業だけだが、スイスがそうであるように観光業だけで北海道経済を支えるのは難しいだろう。
何か新たな産業が起こって北海道を救うことができるのだろうか。そうあってほしいがそうでない可能性のほうが実際は高そうだ。

注)スイス経済の本当の力は金融業にある。

 

 

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