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(23.8.25) 擬似金本位制度の復活 すべての資金が金に流れる

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 私がトランスエゾ1100kmを走っている間に、世界経済には激震が走っていた。
金価格が急上昇していたのだが、世界の投資家がドルやユーロや株式を見限りもっぱら金に資金を移し変えていた。

 おかげで金価格は8月に入って急上昇をし始め、長らく1トロイオンス1500ドル前後だった金価格はとうとう1900ドルを突破してしまった。
8月だけの上昇率は16%UPだから半端ではない。
金のネックレスや地金を持っている人はここぞとばかり高値売却のために田中貴金属の店頭に並んでいる。

 なぜ金価格が上昇したかの理由はアメリカ経済の長期低迷が明確になり、FRBのゼロ金利政策が今後とも続くことが明確になったためである。
FRBはドルを垂れ流す。ドルを持っていても減価するばかりだ」と中国やロシアといったアメリカ国債の保有国がアメリカ国債の購入を控えて金の購入を始めた。

 金価格の上昇や下落に最大のインパクトを持つのは個人の金の購買ではない。また工業用金の需要も毎年ほぼ一定だから、もっぱら金価格の急上昇や下落は政府筋の大量の金の購入や売却による。
実際金価格は1980年から2000年の間に600ドルから270ドルまで下落したのだが、その最大の理由はヨーロッパを中心とする政府筋の金の売却が原因だった。

注1)世界の金の供給量は毎年4000トン前後と少ない。この少ない市場に100トン単位で金の購入や売却が行われると金相場の急上昇や急落が起こる。
そうしたプレーヤーは国家と国際機関しかない。


注2)なお現在の国家別金の保有量は以下の通り。
① アメリカ 8133トン、② ドイツ 3401トン、③ IMF 2814トン、④ イタリア 2451トン、⑤ フランス 2435トン、⑥ 中国 1054トン、⑦ 日本 769トン


 しばらく前までは中国を中心とする新興国の経済成長が世界経済の牽引役になると言われていたが、その前提条件はアメリカやEUもそこそこ経済成長が図られると思われていたからだ。
しかし明白になってきたことはアメリカもEUも日本の失われた10年と同じ状況に置かれ、日本と同様にまったく経済成長が望めない経済構造になっていることだ。

注)アメリカはサブプライムローンの重石が取れず、EUはサブプライムローンに加えて不動産投資の重石が取れない。これが解決しない限りアメリカもEUも経済成長は望むべくもない。

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 こうなると中国やインドがどんなにがんばっても世界経済の牽引役としては不足だ。中国需要で引っ張られてきた石油も鉄鉱石からも資金が流出し、資金は金と通貨であれば円とスイスフランに向かっている。
円が買われるのはなんとも不思議だが、ここ20年間の間に金融機関の不良資産の償却が済んでいて腐った在庫が少ないことが評価されている。

 現在はアメリカを始めとする先進工業国の停滞、新興国の興隆といった世界経済のパラダイムの変換の時期なのだが、かといってアメリカに代わって中国が世界を取り仕切るほどの実力はない。
通貨であればドルに代わる通貨が存在しない
そのため最後の通貨と言われる金に資金が集中することになった。
なにか昔の金本位制度が復活したみたいな状況だ。

 今後とも金価格は傾向的に上昇するだろう。ドルに代わる通貨制度ができるまでは金以外に適当な通貨などないからだ。
こうした状態を擬似金本位制度と言い、21世紀のおそらく前半はこの擬似金本位制度の時代と言って良いだろう。

注)本来の意味の金本位制度はすべての通貨が金の裏付けの元に発行される制度で、通貨は兌換券と言われていつでも通貨と金の交換ができた。
一方現在の通貨は金とはまったく切り離されて発行されているが、あまりの通貨の下落に嫌気をさした資金が最後のよりどころを金に求める擬似的な金本位制度になっている。

 なお本件と関連する記事は「通貨の権威失墜と金相場の上昇」を参照。

 

 

 

 

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評論 世界経済 外国為替・金」カテゴリの記事

コメント

なぜ政府筋が、他国の国債や金といった商品を買う必要があるのか、教えていただけないでしょうか?

(山崎)貿易で輸入を行えば決済通貨であるドルでの支払が発生します。したがってドルがなければそもそも輸入も満足にできません。
一方ドルについては現金で持っていても良いのですが、利息が発生しないので中国や日本のように外貨準備(ドル残高)の多い国は(決済資金が有余っているので)国債を購入して利息稼ぎをすることになります。

さらに昨今のようにドルが減価(金価格が上昇)するような場合は金で持っていて必要な時にドルに換えるほうが得になります。

投稿: ふくだ | 2011年8月26日 (金) 17時51分

回答ありがとうございます。

では、外貨準備金に余裕があるのに、米国国債を買い続けるのは何故でしょうか?

日本国として、利息稼ぎをする必要があるのでしょうか?

(山崎)貿易黒字国は基本的に外貨準備が蓄積します。日本の場合はそうなると円高になるので、さらに政府・日銀が為替に介入して円売り・ドル買いをしますのでますますドルが増えます。
増えたドルの処置に困り、現金で持っているよりは利息のつく米国債の購入を行うことになります。
実際は米国から米国債の購入を要請されていることもあって、日米協力の一環として購入することが多いようです。

投稿: ふくだ | 2011年8月26日 (金) 23時12分

なるほど。

対米輸出が黒字になると、ドルが余ってしまうのですね。

勉強になりました。
ありがとうございました。

投稿: ふくだ | 2011年8月27日 (土) 09時04分

自走式の草刈り器とありますが、どんなタイプでしょう?
確かに自走式であれば、作業効率が飛躍的になります。その半面多少のデメリットがあるのも事実です(予想されていると思いますが)。
以前、僕が使っていたタイプは車体の下部に巨大な回転刃が付いて座席はオープントップのものでした。
乗用車のようにハンドル操作なので、サッカーコート程度の面積なら一時間もかからないほどで、めちゃめちゃ楽でしたが、その半面、維持費、メンテナンスが刈り払い器の比でもないのでご注意下さい。
その草刈り器は軽油で動かすタイプでしたが、 軽油の消費量も結構なものでした。メンテナンスに関しては刈り払い器なら簡単に刃の交換が可能ですが、自走式の場合は刈り刃が高額なので、切れなくなるとグライダーで研磨をして長く使用しました。
あと騒音もそれなりにありましたが、一番気をつけたのは、刈った草の排出口から草だけでなく、石も排出されるて
事でした。これは事前に石を広い集めておけば解決ですが、石を巻き込んだ時は凄い勢いで石が飛んで行きます。何しろ、自走式の場合パワーも半端ではありませんでした。こんなにデメリットを書いてしまうと慎重派のヤマザ
キさんを悩ましてしまうかも知れませんが、広大な面積を刈るなら悪くない選択だと思います。
草刈り大変ですが、今後もがんばってください。

(山崎)今検討しているのは15万円前後の草刈機で、自動車のように乗るのではなく手で押して草を刈るタイプです。幸い四季の道は野球場のグランドのように平坦ですので、操作はしやすい場所といえます。
事前に清掃をして危なそうなものは省いてから操作をするつもりです。色々教えてくださってありがとうございます。

投稿: 神戸の哲郎 | 2013年1月13日 (日) 08時26分

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