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(23.7.5) 中国の不動産バブルは崩壊前夜

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 バブルは崩壊するまでは驚異的な経済発展と呼ばれ、崩壊した後でバブルと呼ばれる。

一番の問題はすべての人がバブルっているときは不動産価格も株価も信じられないようなスピードで上昇するから、これが崩壊するなんて誰も思わない。

 1980年代後半の日本がそうした状況で、当時のある株の指南書はそれまでの上昇率を単純に延長して日経平均は7万円になるだろうと予想していた。
現在1万円以下で低迷している日経平均が当時は7万円になると思われていたのだ。

注)私もこの本にだまされて株を購入したものだ。

 また不動産価格も一日単位で上昇し、私の父が家を購入した先の不動産会社のあんちゃんが「山崎(父のこと)さん、あなたは幸せものだ。1日遅れれば5百万円は高く払わなくてはならなかったんですよ」とはしゃいでいたのを思い出す。
そして千葉市には土気にチバリーヒルズと言う高級住宅地があり、当時約10億円で販売されていたがバブル崩壊直後は1億円になったと噂されていた。

 今中国で発生している不動産価格の上昇も当時の日本とそっくりだ。
大前研一氏によれば、中国には現在約8千万室の空き室があり、お金を持っている人は不動産を2軒、3軒持って値上がりを期待しているのだそうだ。
すでに不動産価格は中国の平均年収の80倍にまで上昇し、フランスの5倍日本の8倍の比ではない。

 日本のバブルがはじけたのは年収の15倍程度になり、政府・日銀が不動産融資を大幅に絞ったのが原因だが、現在中国でも人民銀行預金準備率を昨年の17%程度から21.5%まであげて市場からマネーの引き上げを行っている。

 不動産価格はここにきてようやく上昇率が鈍り始め、中国国家統計局の発表では、この5月の全国70都市での不動産価格の推移は、低下9都市、維持11都市、上昇50都市だそうだ。
これまで上昇の一途をたどってきた不動産価格が一部の都市であれ低下したのは金融引締めの効果が現れてきたといえるが、これに驚いた国務院が「人民銀行の引締めは急激過ぎる」とクレームをつけていた。

注)日本でも日銀が引締めに入ると、政府筋がよく緩和を要請する。

 中国人民銀行が引締めをしなければならない理由は不動産価格の高騰の他に、消費者物価の上昇が収まらないことがある。消費者物価全体では5月は5.5%の上昇だが、食料品だけに限れば11.7%、そして豚肉の上昇は40.4%だという。
日本人なら豚肉が上がれば牛肉や鶏肉や魚で代替するが、中国人は何はなくても豚肉だから豚肉の上昇は消費者の怒りを買う。
家は高すぎて買えないと思っていたら、もう豚肉も食べられないのか。家も豚肉も政府のお偉方だけが独占している」

 豚肉の上昇は一種のピックサイクルで2008年に豚の病気で出荷量が激減し、豚肉が高騰した。そこで養豚業者が豚の飼育を一斉に始めたが、こんどは出荷量が多すぎて2009年に大暴落をしてしまった。
それに懲りて養豚から撤退者が続出し、今品不足に陥っているという。
しかしこれも品不足で足元を見た業者が値を吊り上げているので、「品不足+投機資金の流入」が本当の姿だ。

 人民銀行は不動産価格と豚肉価格を下げるために引締めを堅持しなければならず、おいそれと緩和する訳にはいかない。
こうしてあれほど強気だった中国のGDPも昨年からの四半期ベースで徐々に低下してきており、市場関係者は中国経済は減速局面に入ったと評価している。

注)四半期ごとのGDP 10年1四半期 11.9%、2四半期 10.3%、3四半期 9.6%、4四半期 9.8%、11年1四半期 9.7%

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 今市場関係者の最大の関心は中国経済が減速するとしてそれはハードランディングソフトランディングかの1点に絞られてきた。
不動産価格や消費者物価に注目する人はハードランディングを予想する人が多く、一方GDPの推移や新車販売台数や鉱工業生産指数に注目する人はソフトランディングを予想する。

 よく中国の不動産バブルが崩壊しない理由として、「金融機関からの借り入れが少なく自己資金でまかなっている」からと説明する人が居るが、それはあくまで1軒目の家屋のことで、何軒も自己資金で購入できる人は多くない。

 やはり人民銀行の引締めは相応の打撃を不動産市場に与えるはずで、不動産価格の推移には最高度の注意が必要になってきた。
日本もアメリカもヨーロッパも不動産市場の崩壊で長期低迷に陥ったのだから、中国だけが例外と言うわけにはいかない。

 現在の世界景気は中国が支えているようなもので、原油価格も鉄鉱石価格もレアメタルも食料も中国の好景気が続くとの前提で高値推移している。
もし中国のバブルがはじければリーマンショックのあとと同様に、コモディティ価格は暴落する。
原油や鉄鉱石や石炭や食料価格は今神経質に上下動を繰り返しており、一時のような直線的値上がりはなくなった。
市場は中国の景気動向に釘付けだ。

 バブルは崩壊して初めてバブルと分かるので、それまではバブルっているどの国でも、自国だけは「神の恩寵のもとに居ると舞い上がっているものだ。
中国は一体どうなるのだろうか。
不動産バブルの崩壊前夜だとは誰でもわかるのだが、それがいつかは誰にも分からない。

なお中国経済に関する過去の記事は以下にまとめてあります
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html




 

 

 

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