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(23.7.30) クローズアップ現代 「大人がハマる数学ブームの謎」

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 クローズアップ現代が取り上げた「大人がハマる数学ブームの謎」を見て、「時代がやはり移り変わりつつあるな」と言う気持ちを強くした。
一昔前までは文科系の職業(公務員、銀行員、商社等)の社員が数学に興味を持つことはほぼ皆無だったし、仕事柄ほとんど数学を使用することはなかった。

注)金融機関ではディリバティブ商品を扱いだしてから数学科出身の学生を採用したが、それは例外的な取扱だった。

 計算をするのも四則演算の世界だから電卓があれば十分だし、表計算にはエクセルを使えば十分だった。ほとんどの文科系の出身者は高校時代にならった数学に嫌悪感をもっていて、微分・積分・級数なんて言葉が本に出てくると、すぐさまその本を閉じるのが普通だった。

 ところが今、普通のサラリーマンで特に数学を仕事で必要としない人の間で、数学ブームが起こっているのだという。
本屋の店員が驚いていたが、「語りかける数学」が10万部のベストセラーになったり、一部のマニアしか読まなかった「オイラーの贈物」が2万部も売れているのだという。
さらにカルチャーセンターや個人塾では社会人向けの数学教室がキャンセル待ちの盛況なのだそうだ。

 番組では高等数学で取り扱う「オイラーの等式」を理解するために、中学時代の数学から始めてついにこの等式を理解できるまでになったサラリーマンを紹介していた。
この人は「何十もの論理のつみあげを行って、最後に理解できるのが楽しい」と言っていたが確かに数学にはそうした楽しみがある。

 番組のキャスター国谷裕子さんは「私も学生時代は数学はとても苦手でした」と恥ずかしそうに告白したが、日本では数学が苦手な学生が圧倒的に多い。
そうしたサラリーマンがなぜ数学にはまるかと言うと、最大の理由は時間が自由になってきたからだと思う。

 かつてのサラリーマンは猛烈さが要求され、夜の10時ごろまで残業しその後は飲み屋で上司の悪口を言うのが一般的なパターンだった。
こうした生活では数学のようなそれ自体は役に立たず、ハマるとやたらと時間ばかりかかるような趣味はサラリーマン向きでない。
せいぜいマージャンとゴルフと言うのが相場で、一人で数学書を読むようなサラリーマンはまず出世は望めない。

 正直に告白すると私がその数学書の愛好家で、出世の望めないサラリーマンだった。
私がはまっていたのは30歳前後の3年間50歳前後の5年間である。
その頃はあけてもくれても数学書ばかり読んでいて、特に30歳前後は顧客担当で顧客先に行く間読みふけっては電車を乗り過ごすことがしばしばあった。
ちょっと、考え事をしていて、降りる駅を間違えました。申し訳ありません
頭のええ人は、考えることがぎょうさんあって、大変でおますな」と思いっきり皮肉を言われたものだ。

 私が当時数学書を読む時間が有ったのは、マージャンもゴルフもせず、酒の付き合いも一切せず、もっぱら運動と数学に没頭していたからだが、時代が変わり多くのサラリ-マンが残業を禁止され、付き合いもほどほどにするようになって、時間が有余ることに気づいてしまった。
一体この有余る時間を有効に過ごす方法はあるのだろうか?」

 多くの昔の数学嫌いが、今有余る時間をもてあまして数学に再チャレンジし始めた。
本当は俺は数学を理解できるのではなかろうか? オイラーの等式だって分かるのではなかろうか?」
実際に数学に再チャレンジしてみると分かるが、数学ほど面白いものはない。個人的趣味で時間をつぶすのには碁や将棋と同じくらい興味が持てる。

 しかも今は高校の数学や大学の一般教養レベルの数学であれば、とても親切な参考書が出ていて、特に予備校で使用されている教科書には優れものが多い。
私自身は馬場敬之氏や坂田アキラ氏や細野真宏氏の参考書を好んで読んでいたが、大げさに言えば「猿でも分かる」といえるほど懇切丁寧な説明になっている。

 今の数学ブームは数学が必要だから学ぶのではなく数学が楽しいから学んでいる
有余った時間をどう過ごすかと考えた時、数学ほど金がかからずその一方で面白い学問はない。
この数学ブームはそうした楽しみとして、今後ともサラリーマンの中に根ずいていくことは確かだろう。

 21世紀は時間が自由になる時代であり、数学のような思いっきり時間が使用できる学問が趣味で学ばれる時代なのだ。

なお、私の数学へのチャレンジについては以下参照
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/oyuminoshikinomichi/2011/02/1943-095c.html
 

別件) 「おゆみ野四季の道」および 「おゆみ野四季の道その2」のカウンター10000を加算しました。

 

 

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コメント

残業が減っているから自由時間が増えたのではなく、残業が余分な仕事なのだから、元に戻ったという印象を受けています。

そもそもIT化などで生産性が高まっているのだから、もっと労働時間は減って良いはずなんです。

労働時間を減らそうとしないのは、単に成長への依存心だけの問題だと思っています。

給与をもらうために働くことが仕事だと思っている人が多いと思いますが、地域の活動とかボランティア活動とかロビー活動なんてことも国民の仕事のはずですから、時間潰しに没頭するんじゃなく、そういったことに関心を持ってくれよ、と思います。

投稿: ふくだ | 2011年7月30日 (土) 13時50分

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