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(23.7.2) NHKワールド・ウェーブ 南シナ海は中国の海か? フィリピンとアメリカの合同軍事演習

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 中国は日本との間で尖閣諸島の領有権問題で常にもめているが、現在は南シナ海の南沙諸島が主戦場になっている。
地図を見てみると分かるがこの南沙諸島はフィリピンのパラワン島の近くにあり、ベトナムからも近く中国からはもっとも遠い。

 ところがこの南沙諸島周辺に中国の監視船が遊弋するようになり、それまでフィリピンやベトナムの漁民が自由に漁業をしていた場所から実力で追い出しをはかり始めた。
ここは中国の領海だ。直ちに漁業をやめて立ち去れ
もたもたしていたフィリピン漁船は威嚇射撃まで受けている。
またベトナムの資源調査船は中国の監視船に追い出されてしまった。

 島の領有権は実は余りはっきりしない。孤島のような島で人が住んでいない場合は近くのいろいろな国の漁民が勝手に漁業をしていたのが実態で、どこの国も領有権を主張できる根拠は有る。
したがってこうした島は実効支配した国が勝ちで、実際南沙諸島はフィリピン、ベトナム、中国等がそれぞれ部分的に実効支配してきた。

 ところがここ数年中国海軍の近代化が急速に進み、それまでフィリピン海軍の旧式駆逐艦でも対抗できた中国海軍との力関係が完全に差をつけられてしまった。
監視船でさえフィリピン海軍の駆逐艦より装備がよい。

 この実力差を背景に中国は南沙諸島からフィリピンとベトナムを追い出しにかかっている。南沙諸島の海底には石油を含む無限の鉱物資源が眠っていると想定されており、ここを支配した国が21世紀の大国になれる。中国の経済発展のためには絶対に譲れない場所だ。

 中国から追い出しをされて、あわてたフィリピンはそれまでよそよそしかったアメリカとの関係の修復に走り始めた。
フィリピンは19年前に民族主義の高まりのうねりの中で、屈指の軍事基地だったアメリカのスービックとクラークの2大基地を閉鎖している。
数年前まではアロヨ政権は中国と軍事演習までしていた。
しまった。敵はアメリカでなく中国だった。軍事基地閉鎖は安全保障上大失敗だ!!!」
やや遅きに失したが現在のアキノ政権はアメリカの力を借りて中国との領有権問題に対抗する姿勢を明確にした。

 今回のアメリカとフィリピンの合同軍事演習は「不審船の追跡訓練」だが、不審船とは中国の監視船のことである。
アキノ政権としては単独ではとても中国に対抗できず、アメリカの協力を得て多国間協議をすることでかろうじて対等のテーブルにつけるという状況だ。
オバマ政権は明確にフィリピンの主張を認め、軍事援助も辞さない態度だ。
アメリカの後押しを得てフィリピンは強気になり、「南シナ海を今後は西フィリピン海と呼ぶ」と中国の心を逆なでにした。

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 一方中国としてはアメリカが出てくると南シナ海を中国の海にすることができないので、「これは2国間の問題だ」とアメリカをけん制している。

 中国の海軍力の増強はすさまじく、中国周辺でこの海軍力に対抗できる国は日本しかない。昨年の尖閣諸島での漁船当て逃げ事件でも日本の海上保安庁ががっちりガードを固めていることが判明したので、今はもっぱら手薄の南沙諸島に勢力を注入している。
弱いとこから領土を奪い、強いところとは当面握手をしておこう」中国古来からの戦略だ。

 中国は世界の国家の中でもっともソフィストケートされていない国家だ。非常に露骨に軍事力を使用するが、それだけに国家の本質が分かりやすい。
中国の海洋への膨張はすさまじいが、国家とはこうしたものだと思う。
今まで周辺諸国は「中国の発展は世界の発展だ」なんて悠長に構えていたが、南沙諸島で火が吹き始めるとフィリピンもベトナムもインドネシアも悠長に構えているわけにはいかなくなった。

 中国の膨張主義政策を実力で阻止できるのはアメリカしか居ない。フィリピンがそうであるように今後はアメリカとの軍事演習を強化して、中国の軍事膨張主義に対抗していくことになるだろう。
現在アメリカを中心とした日本、韓国、台湾、フィリピン、ベトナム、インドネシアの包囲網が形成されつつあるが、この合従連衡は成功するだろうか。

 くしくも中国共産党創立90周年記念で始皇帝胡錦濤は宣言した。
軍事力と経済力の強化が、中華帝国の繁栄の礎となる!!!」
現代版秦帝国の軍事膨張主義を押し止めなければ周辺国家の明日はない。

なおベトナムの対中国政策は以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-594d.html

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