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(23.6.8) 水をどこから確保すればいいか? 中国の水資源問題

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 日本のように水資源が豊富で、「今日も雨かい」なんて国に住んでいると信じられないことだが、今中国では大旱ばつに襲われている。
通常旱ばつと言うと一部地域のことが多いのだが、中国全土どこもかしこもと言う状態で、とうとう首都北京と長江中流域の省が水争いを始めた。

 もともと北京周辺は河川が少なく、ダムだけの水資源では不足していたため足らない分は地下水のくみあげで水を確保してきた。
ところがここ数年に及ぶ旱魃でダムの水が払底したため、地下水のくみあげがひどくなり、本来の水位から30mも地下水が下がってしまった

 地下水と言うものは100年単位でたまるもので、それをくみ上げたら数年は中止して水位の回復を待たなければならない。ところが年がら年中吸い上げるので地盤沈下が発生したり、水質が悪化したりして大問題になっている。

 これには中国政府も弱り果てて、本来水資源が豊富な長江揚子江)から水を引く計画を立てた。「南水北調」と言うのだが、これで水資源が確保できると思っていたら今度は長江流域が大干ばつに襲われだした。
なにしろ過去50年間で最大の旱魃で、例年の約半分程度しか雨が降らない。
おかげで長江周辺の湖が干上がり始め、安徽省、湖北省、湖南省、江西省といった長江中下流域の省が「北京への水の供給よりわが省の水の確保が先だ」と中国政府にたてつき始めた。

 北京は水がなくなり、何か砂漠の中のオアシスのような状況になりつつある。
この状態に中国政府は危機感を強め、海水の淡水化に乗り出したが、淡水化のためには多量の石油を使用するため、馬鹿高い水になってしまう。今は差額を地方政府が補助金で埋めているから市民の使用代金は同じだが、地方政府の財政圧迫原因になっている。

注)海水を淡水化した水は通常の飲料水の約倍程度の費用がかかり、今後石油価格の上昇に伴ってさらに価格アップしかねない。

 中国の水資源問題を深刻にしたのには外部と内部の二つの要因がある。
外部は地球温暖化問題で外部と言っても中国が最も責任があり、中国が二酸化炭素を世界の20%相当アメリカとほとんど同じ)も排出した結果で、大陸部で特に乾燥化が進んでいる。

 一方内部は中国の経済成長の結果一人当たりの水使用料が伸びたのと、人口増とその人口が都市部に流れ込んでいることにある。

注)中国の現在の人口は13億3千万人程度。これが30年には14億6千万人でピークを打つと予測されている。今後20年間でほぼ日本の人口と同程度の増加が見込まれ、こうした人々に水資源を配布しなければならない。

 北京市は周辺自治体と共に節水と水資源の再利用を呼びかけたり、水田を畑に変えてとうもろこしを栽培させたり、水を多く使用する工場やゴルフ場の建設を認めなかったり、あの手この手の対策をしているが効果ははかばかしくない。

 なにしろ北京市の一人当たり水資源は年間100㎥程度で、これは国際水準1000㎥約1割だと言うからすさまじい。
日本全国の平均水資源量は一人当たり約3000㎥だから、これに比較すると30分の1だ。

注)なお中国の平均的一人当たり水資源は約500㎥だからこれでも日本の6分の1で、中国は乾いた大陸と言える。

 最近日本の森林地帯が中国人によって買い占められているとの報道がされていた。
何で森林地帯なのかい、木材が不足しているのかい」なんて思っていたが、これも水対策だという。
ダムもだめ、地下水もだめ、南水北調もだめ、海水の淡水化もだめになったら最後は水輸入だ」と言うことで、日本人が石油地域の利権確保に血眼になっているように中国人は水の利権確保に走っているのだと言う。

本当かい?????」とても信じられないが、石油がなくても生きていけるが水がなくては人間は生きられないから水の重要性は分かる。

 一方日本は山紫水明の国だ。軟質でおいしい水はいたるところに湧き出ている。これが近い将来石油と同じような戦略物質になるとは信じられないが、少なくとも中国人はそう思って日本の森林を買い占めている。

なお、中国の水資源問題についての関連記事は以下の通り
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/2248-c647.html

 

 

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