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(23.6.17) 日本の政治家は中国の失敗経験から何を学ぶべきか

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 信じられないような表題の記事が中国経済レポートに掲載された。
日本の政治家は中国の失敗経験から何を学ぶべきか」と言う表題だ。
書いたのは多摩大学教授で中国から22年前に来日した沈才彬教授である。
私は最初「中国の失敗経験」は誤字で「中国の成功経験」の間違いではないかと思ったが、沈教授は冗談抜きで「失敗経験」述べていた。
失敗内容は経済ではなく政治であり、それも今から50年前から30年前までの話である。

http://www.geocities.jp/mstcj182/ITEM-3A147.html

 中国の失敗経験とは毛沢東時代の吹き荒れた政治闘争の時代のことで、1959年~1978年までの失われた20年を言うのだそうだ。
私がよく覚えている中国の権力闘争は1966年頃から1969年頃に吹き荒れた紅衛兵運動(文化大革命で、ちょうど私の大学生時代と一致する。

 当時この紅衛兵運動を毛沢東が仕掛けた奪権運動だとは知らなかったので、キャンパスでは「国において精神革命が進行している」などと評価する人が多く、私の友達も毛沢東語録をかざして、「これは世紀の書物だから君も読め」なんて私に勧めたものだ。
しかし実際は劉少奇国家主席鄧小平総書記と言った実務派の失脚を狙った権力闘争で、この間数千万人の人々が虐殺された。

 そして失われた20年間の間には、上記の紅衛兵運動の他に反党集団の粛清1959年)や文化大革命推進派の4人組の裁判1976年)等もあり、とても経済政策を実施する余裕などなかったという。
当時の中国人は人民服というどう見ても貧しさそのものと言える服装をしていたし、女性はまったくかざりっけなしのおかっぱ頭だった。
今では信じられないが貧しさと中国は同義語だった時代だ。

 沈教授の言いたいことは権力闘争を繰り返して政治闘争ばかりしていると経済は停滞して貧しさだけが残ると言うことだが、日本の1990年ごろから始まった失われた20年もやはり政治闘争の連続だった。
1991年以降13人の総理大臣が就任したがこの中で2年以上の長寿政権は小泉政権の約5年、橋本政権の約2年だけで、それ以外は1年内外で政権の座を追われている。
歌手1年 総理2年の使い捨て」と1990年前までは歌われていたが、今では「歌手1年 総理1年の使い捨て」になってしまった。

 そして今菅総理が同じく1年で捨てられようとしている。
野党や民主党反主流派の意見を聞いてみると「菅総理の東日本大震災対応に不手際が目立って、これ以上首相をさせると国民のためにならない」と言うものだが、私にはさっぱり理解できない。

 福島第一発電所事故処理対応は確かに試行錯誤の連続だが、チェルノブイリ並みの原発事故を、それなら誰がやれば成功したのか聞いてみたいものだ。
もともとの原因は自民党政権の原発推進にあり、しかもM9.0の大震災を想定していなかったことに有る。

 大震災発生はたまたま菅総理の政権担当時期だが、これは菅総理の責任ではない。
谷垣自民党総裁は不信任案提出時期に「菅さん、あなたは辞めるべきだ」と絶叫し、その理由の一つとして「原発への海水の注入の停止を命じたことだ」としたが、実際は停止などしていなかった。
福島第一発電所の所長が独自判断で冷却水の注入を続けていたからだ。

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 私は何回もこのブログで述べているが、総理大臣といえども私達とさしてかわらない人物が懸命に総理の役割を演じているのにすぎない。
総理大臣は最初から資質があって総理になったのではなく、権力闘争の結果運よくなっただけだ。

 こうした人が懸命に努力し経験を積んだりして総理大臣らしくなるのであり、当然教育期間が必要になる。菅首相にしても未曾有の東日本大震災を経験することで、ようやくアメリカからリスク管理の要諦である「リーダは最悪を想定して準備し、すばやく決断する」を学んだ。
しかしこの要諦に基づき浜岡原発を停止したとたんに、「ヒットラーのような独裁者」などといわれて政権の座から追われようとしている。 

 ようやく総理が何をするべきかを学んだとたんに、「あんたは総理として相応しくない」などと罵倒されるのだ。
これで日本の総理大臣が各国並みの元首になれたら、そのほうが奇跡といえる。

 オバマ大統領にしても胡錦濤主席にしても4年から8年はトップの位置にいて国政を担当する。
金正日総書記なんかは死ぬまで総書記のままだ。
こうしたベテラン政治家の間で、日本の総理は常にアマチュアだ。
G8G20記念写真ではいつも隅っこに小さくなっているが、これがアマチュア政治家としての宿命だ。

 沈教授でなくとも、この日本の政治情勢を見れば失われた20年失われた30年に延長されると予想するのは当然だ。
過去5年間、ほぼ1年ごとに総理をすげ替えてきたが、それで日本の政治や経済が好転したか冷静になって思い出してみてほしい。
代えるたびに日本の政治力と経済力が低下してきたではないか。

 菅総理はまもなく退陣しようとしている。しかし次に選ばれる総理も1年程度経てば、「ヒットラー」とか「宇宙人」とか「漫画ぼけ」とか言われて再び退陣の追い込まれ、一方震災対応は遅々として進まず、日本の経済力はさらに低下し、政治家は存在しないことが唯一の存在理由になることを予想しておこう。

なお菅政権に関する過去の記事は以下のとおり
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43144406/index.html

 

 

 

 

 
 
 

 

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評論 日本の政治 菅内閣」カテゴリの記事

コメント

山崎さんは菅首相とは同い年ということでそれだけでシンパシーを感じられても無理からぬことでしょう。

菅首相は6月22日をもって国会を延長せずお盆休みを取る算段でした。
60代も半ばでお休みを取るのも仕方ないと思われるかもしれませんが被災者を尻目に2ヶ月の国会空転を引き起こしてまで休暇を取られるなら辞任されてそれからのんびりされたらよろしかった。

実際は野党からの追及が恐くて国会を閉じたかったという私利私欲が理由でしたが。
不信任案提出の直前に菅首相は国会延長の意思を伝えました。2ヶ月間の国会空転が無くなったのです。

いま被災から3ヶ月が過ぎました。被災地の瓦礫の処分も満足に進んでいません。
3ヶ月というと阪神淡路の時は街が片付いた頃合です。この違いにどれだけの言い訳を重ねれば現政権を信認できるのでしょうか。見当がつきません。

菅首相は国際舞台では本当に小さく見えます。オバマも胡錦濤は最初はそうでしたか?おや違う。
振り返れば麻生元首相は社交的であのプーチンからも笑顔を引き出されるような方でした。
麻生氏の在任期間はどのくらいでしょう。10年ありましたか。いいえ菅首相より短い。

政治の被災地放置はいつまで続くでしょうか。瓦礫の上に無策と言い訳ばかりが積みあがっていきます。

投稿: A | 2011年6月18日 (土) 16時36分

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