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(23.5.29) 東日本大震災と世界経済への影響

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 世界経済が明らかに変調をきたしている兆候が随所に現れている。
ことの発端は日本が東日本大震災に見舞われ、ようやく日経平均11000円台に戻ろうとしていたのに、瞬く間に9500円台につるべ落としの陥落をしたことに始まる。

 当初は日本だけの問題と捉え、中国やアメリカやEUの経済にはほとんど影響がなく、「蜂に刺された程度」と思っていたが、段々とリーマン・ショック並みの影響が出ることがわかってきた。
日本経済は中国に抜かれたとはいえ世界第3位の経済大国で、世界のGDPの8%程度のシェアでその減速は影響が甚大だ。

 最近OECDは日本の11年度のGDP伸び率は▲0.9%と警告を発したが、市場ははるか前から警戒態勢に入っていた。

 一番大きな影響がでたのは原油価格で止まるところを知らない上昇をしていたのに1バーレル115ドルあたりで急降下しはじめ、今は100ドルを挟んで一進一退の動きだ。
鉄鉱石価格も一時の鎌首を持ち上げたような急上昇は終わり、これも一進一退を繰り返している。

注)原油価格の推移は以下参照
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_poilwti.html#index01


  鉄鉱石価格の推移は以下参照
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_piorecr.html#index01

 株式市場では中国の上海総合もすっかり元気をなくし低下の一途をたどっているし、欧州も何かおかしい。かろうじて堅調なのはアメリカだけだったが、最近はアメリカも下降に転じた。

 あれもこれも日本の東日本大震災の影響が現れているからで、日本経済が低迷するのは当然としても、日本から部品を調達していた中国やアメリカの自動車産業や液晶産業が部品不足で生産縮小に追い込まれている。
日本は世界の部品の供給基地だったことが再確認された訳だ

 ヨーロッパではスペインとイタリアの財政問題が火を吹き始めた。ベラルーシはロシアの縄張りだが財政危機からひどいインフレに見舞われ誰が助けるのかと言う状況になっている。

 アメリカ経済は日本やEUに比べると相当ましだが、ここにはサブプライムローンの重石がどうしても取れない。不動産価格が上昇しない以上アメリカの消費拡大には限界があるし、地方銀行の倒産も続くだろう。

注)アメリカの住宅価格の推移は以下参照
http://jp-us-economy-data.seesaa.net/article/198038922.html

 そして最後のアンカーと言われてきた中国にも暗雲がただよい始めた。日本からの部品供給不足による生産低下や消費者物価の上昇がどうしても収まらない。
中国政府の消費者物価の目標値は4%だが、はるか前から5%を越え、食料だけで言えば10%程度の上昇で庶民の生活を直撃している。
中国人にとっては食べることが人生なのだから食料価格の上昇は死活問題だ。

 さらにあれほどひどい上昇をしていた中国の不動産価格も停滞から低下を始めた。中国当局としては引締め効果がでたと喜ぶべきだろうが、一方で中国GDPの底上げをしてきたのがこの不動産売買だから、景気は低下に転じてしまう。

 こうした現状を見て11年度世界経済の見込みは楽観と悲観が交錯しているが、私の見方は悲観だ。
そもそも元凶の日本経済は11年度OECDの見通しより悪くなるだろうし、EUはギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリア問題に忙殺されるだろう。
アメリカが堅調なのは投資銀行とIT産業のおかげだが、投資銀行は金融引締めになれば瞬く間に赤字に転落する。

 中国は不動産価格が頭打ちになっており、これが急降下し始めれば日本のバブル崩壊と同じような状況になるだろう。
そうした意味で2011年は世界経済の変調期になると私はおもっており、その引き金が東日本大震災だから日本発原発・ショックと言うことになるはずだ。

日本経済の予測の記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43696146/index.html

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災害 東日本大震災 経済」カテゴリの記事

コメント

経済の変調期になるとのご指摘、可能性を感じます。

ただ、既存権益者が力を失わない限り、またツギハギの対策で延命してしまうような気もします。
特に今の日本は、民衆の諦め感が強くて、自らの力で変革しようとする活力が生まれるのだろうか、と不安です。

先日、進歩的活用理論というものの存在を知りました。
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E6%AD%A9%E7%9A%84%E6%B4%BB%E7%94%A8%E7%90%86%E8%AB%96
これこそ、進むべき道では、と考え中です。

当然のことながら、歴史的に、常に権力者は倒されています。
今こそ、評論で終わることなく、どのように具体的に変革していくのかを考え、行動していくことが求められているんだ、と思っています。

(山崎)いろいろな情報を教えてくださり感謝しております。

投稿: 福田 | 2011年5月29日 (日) 16時54分

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