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(23.5,6) アメリカの景気回復は本物か?

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 現在アメリカの景気回復について強気論弱気論が錯綜している。
強気論はアメリカの主要産業である金融機関IT産業が好業績を続けているからで、実際実質国内総生産GDP)は10年第四四半期は前期比3.1%増、11年第一四半期は1.8%増ととても快調だ。
日本が大震災でのた打ち回るような苦闘の最中にあり、EUがポルトガルやスペインの支援で不確定要素が山積みなのに比べれば、はるかに状況はいい。

 バーナンキFRB議長もアメリカ経済建て直しのための量的緩和策をこの6月末で中止すると公表した。
すわ、アメリカ経済は立て治った」と強気論者は言うが必ずしもそういえないところがつらい。

注)昨年11月FRBは景気回復のため約50兆円の国債の買取を行うと発表したが、これを6月末で止めると公表した。

 弱気論者はIT以外の経済状況に注目する、特に不動産業界の動向が最大のポイントだが、こちらはさっぱりさえない。
日本のバブル崩壊後の不動産価格の低迷と同じで、少しよくなったかと思うとすぐ売り物が出て価格を押し下げる。
ここ7ヶ月を見ても毎月低下の一途をたどっている。
通常のアメリカ人は土地を担保に融資を受けて消費活動を拡大していたので、土地価格が下がっては消費活動を拡大させることもできない。

注)アメリカの不動産価格の動向はケース・シラー指数で見るのだが、リーマンショック後住宅価格は約35%低下し、現在二番底をうかがっている。

 日本人にとってはこうした不動産価格の低迷はいたっておなじみで、かつてのバブル価格が戻ってくるとはとても思っていない。私の今住んでいる土地もバブル時代の約半額で低迷したままだ。

 また、最近は金融緩和の資金が石油投機に回っており、アメリカではガソリン価格の高騰が著しい。
とうとうガソリン価格はリーマン・ショック前と同じ1ガロン(約4L)、4ドルになってしまった。
1L当たり約80円だから、日本的感覚ではまだ安いが従来は約40円程度だったのだからガソリンをがぶ飲みするわけには行かない。

 弱気論者によると住宅市場の回復の遅れ、ガソリン高、それと9%台に張り付いた雇用不安があって、アメリカの景気はとても回復しているとはいえないと言うことになる。

 アメリカの景気を見るとき、金融機関の収益が絶好調なのは当たり前で、FRBがほとんどただの資金を金融機関にジャブジャブつぎ込んでいるのだから、これで収益が上げられないほうがおかしい。
貴金属や石油や鉄鉱石や食料等少しでも希少性があると見られている投資物件に資金を集中させて膨大な利益を上げている。
金融機関はアメリカ産業の重要部分だからアメリカの経済が好調ともいえるが、これはFRBの金融政策によってどうにでも転がるところがつらい。

 アメリカで本当に強い産業はIT産業アップル、マイクロソフト、インテル、アマゾン・コム、グーグルと言った企業が次々に過去最高益をあげており、特にアップルの躍進は目を見張る。
日本でもアップル製品は若者達の必需品になっている。

 こうしてみるとアメリカ経済は金融とIT産業だけで持っているようなもので、ITは今後とも世界をリードしていくが金融機関についてはFRBがインフレを恐れて引締めに転じればそのときが有益の転換点になるだろう。

 アメリカ経済は日本やEUよりマシだが、いつまでも金をばら撒くわけには行かないと言う意味で6月以降下降局面に入っていきそうだ。

 

 

 

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