« (23.5.13) トヨタが日本を去る日 製造業王国日本の黄昏 | トップページ | (21.5.15) 中国経済の光と影 中国の成長はいつまで続くのか? »

(23.5.14) 東日本大震災 収束工程表は大本営発表 その2  工程表のメルトダウン

2356_037  

 東電が政府に尻をひっぱたかれて、いやいや発表した収束工程表に早くも齟齬が発生している。
工程表では向こう6~9ヶ月の間に原子炉の温度を100度C以下の「冷温停止」状態にする予定だったがとてもできそうもないことが分かった。

 最も作業が進んでいると言われていた1号機をいくら水で満たしてもちっとも水がたまらないからだ。
何かおかしいのではないか、もしかしたら1号機も2号機と同じように水漏れがあって、汚染水が流れ出しているのではなかろうか・・・・」

 今までは1号機の燃料棒が入っている圧力容器にも、その外側を覆っている格納容器にも損傷はなく、したがって水を流し込んで圧力容器と格納容器を水没させれば(水棺方式)、「冷温停止」状態になると予測されていた。
しかし圧力容器内にはいっこうに水がたまらず、その外側の格納容器にはいくら水がたまっているのか手がかりさえない。

注)すでに1万㎥の水を注入したのに、約8千㎥の圧力容器と格納容器の水位が上がらない。

 通常は空焚きになると2800度C程度まで温度が急上昇するのだが、圧力容器内の温度は120度Cで安定しているので東電は以下のように説明を変えた。
当初は燃料棒の溶融は55%程度と想定し、水で覆って温度を下げようとしたが水が圧力容器の底部にたまるだけになっている。
このような状態で圧力容器の温度が120度Cに保たれていることは、燃料棒がすべて溶けて底部に溜まり、そこに有る水で冷やされているからと推定される。

 また水を十分注入しても水位が上がらないのは圧力容器、および格納容器に穴があいておりそこから汚染水がもれだしている可能性が高い

 なんてことはない、1号機もそこいらじゅう穴があいていて汚染水問題が発生しており、たまたま燃料棒の温度が120度Cに保たれているのは、都合よく溶融して底にたまっているからだという。

 これじゃ「水棺方式」は取れない。まず水漏れを防いでさらに汚染水の除去に取り掛からなくてはならないからだ。

2356_036  

 燃料棒の溶融は実に厄介だ
。これが溶融せずに残っていればクレーンを設置して燃料棒を取り出すことができる。しかし溶融して固まってしまった燃料棒は完全に冷やしてから砕きながら取り出すしか方法がない。
スリーマイル島の原発事故ではこの溶融した燃料棒の塊を完全に取り出すまで14年の歳月がかかっている。

こりゃ、だめだ。水棺方式は水漏れがあって穴を塞がなくてはならないし、燃料棒は固まって取り出すこともままならない。スリーマイルのように14年勝負だ

 最も対応が進みそうだった1号機が14年勝負になってしまった。そして2・3・4号機はまったく手付かずだ
これではいつ福島原発周辺の住民が戻れるか分からなくなってきた。
しかしそれは当然で工程表をいくら作らせても原発事故が早期に収束することはありえない。

 チェルノブイリと同じレベル7の原発事故ならば、その収拾期間もチェルノブイリと同じだ。
事故から25年、チェルノブイリ周辺30km以内は現在も立ち入り禁止になっている。溶融した燃料棒を取り出せないからだ。

 そこに住んでいた多くの住民は現在他の安全な場所で生活しており、わずかに放射線物質を恐れない老人が無許可で自給自足の生活をしているだけだ。

 福島原発事故も同様だろう。周辺30km以内の住民は結局は古里に戻ることなく異郷の地で暮らすより他に方法はない。
原発事故は一旦起こればほとんど収拾がつかない状況になってしまい、対処方法は安全な場所への避難以外にはない。

 今私達は覚悟をしなければならない。収束工程表をいくら作っても福島第一原発30km以内は不毛の地であり、二度と人が住むことができない土地になると言うことを!!

 20世紀の輝かしい文明の象徴だった原子力が21世紀の世界では、文明を崩壊させる技術になっている。
日本人は福島原発で痛いほどこのことを知らされた。
結局人々は最初は戸惑いながらも、最後は断固としてこの原子力技術を捨て去ることになるだろう。それが21世紀という時代精神なのだ


なお、収束工程表は大本営発表 その1は以下のURLを参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/23420-4b8b.html



 

 



 

 

 

 

|

« (23.5.13) トヨタが日本を去る日 製造業王国日本の黄昏 | トップページ | (21.5.15) 中国経済の光と影 中国の成長はいつまで続くのか? »

災害 東日本大震災」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (23.5.13) トヨタが日本を去る日 製造業王国日本の黄昏 | トップページ | (21.5.15) 中国経済の光と影 中国の成長はいつまで続くのか? »