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2011年4月

(23.4.30) 東日本大震災 サバイバル能力の必要性

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 私は長い間人間にはサバイバル能力が必要だとの信念を持っていたので、若い頃からそうした能力の維持に努めてきた。

 移動は基本的に乗り物を使わず、歩くか走るか自転車に乗るようし、年に1回は山ごもりをして一人で山中で生活するようにしていた。
よく行ったのはアルプスで、それも人が絶対と言っていいほど踏み込まないような場所で、テントを張って1週間から10日程度過ごしたものだ。

 こうした場所は昼間は何てこともないのだが夜半になると様相が一変する。
テントの中で寝ていると信じられないような鳴き声や物音がして、とても安眠と言うわけにはいかない。
夜の世界は動物の結界になって、人間もその動物の一員に過ぎないことがよく分かる。

 そうなるとこちらもほとんど動物のように神経が研ぎ澄まされて段々と動物と同じようになってくる。音がすればすぐに飛び起きて横においてあった登山用ステッキを持って身構えたりしたものだ。

 また食料や水も十分あるわけでないから、わずかな食料や水で生き延びるすべも身について、下界に下りる頃は熊やイノシシとなんら変わらないような状態になっていた。

 昨年は北海道にテントを持って人口が極度に少ない田舎を歩き回っていたのだが、前から来る自動車が突然止まりもと来た道をあわてて引きかえして行ったのには驚いた。私をヒグマと間違えていたのだ。
人間も長い間自然に溶け込むような生活をしていると動物そのものに変わってしまうらしい。

 本来人間にはこうした動物としての能力は備わっているのだが、便利な文明生活をしていると段々とその能力が枯渇する。
自動車でばかり移動していては走る能力なんてたちまちのうちに衰える。
私は現役のときも2時間程度の距離であれば事務所間を歩いて行ったが、「山崎さん、時間が無駄になるから電車で来てください」とよく言われたものだ。

 私が人間にとってサバイバル能力の維持が絶対に必要だと再認識したのは、今回の東日本大震災の地震や津波を見たからだ。
大津波が押し寄せてきたら、すぐに自動車から降りて近くの高台に一目散に駆け上がる必要があるのだが、こうした能力は普段の訓練が必要だ。

 また避難所ではようやく届けられたパンや水で飢えをしのいでいたが、普段から飢えを体験していれば、こうしたときにパニックにならないで済む。
私の経験でも3日間ぐらいは水さえあれば何も食べなくても人間死ぬことはない。

 また今回の大震災で東京周辺では鉄道各線が不通になり、帰宅難民が大量に発生し、駅構内やホテルのロビーや学校で一夜を過ごした人が多く出た。
都内と私の住んでいるおゆみ野は約50km程度離れているのだが、人間は通常その程度の距離は歩くことができるので、歩きなれた人は帰宅できる。

注)江戸時代の人の旅は一日10里(約40km)が標準で、ヤジさんやキタさんもそうした旅をしていた。
50kmなら時速4kmとすると12時間半だから夜出れば翌日の朝には到着していたことになる。

 日本のような絶対安全だと思われている世界でも半世紀に1回程度は戦争や大地震に襲われて、このサバイバルの能力を試されることになる。
人間も動物の一種だから結果的には体力的に強くまた知的能力の高いものが生き残るのは止む終えない。

 ダーウインの言う適者生存でそうして種の保存がされてきたのだと言われれば生物進化の歴史をしみじみと感じてしまう。
たしかに戦争も動物と言う視点から見れば種の保存の闘いで、かつては敗北した部族は男は殺されるか去勢され、女は勝った部族の男の持ち物になったのだからまさに適者生存による種の保存だ。

 しかしそうした自然の摂理とは別にサバイバル能力の維持は今回の大地震と大津波で絶対に必要な能力だと言うことがよく分かった。
現在この大震災後の復興計画が検討され、災害に強い都市づくりが言われているが、いくら防災対策を強化してもやはり想定外の事象は発生する。
この想定外に対処する能力が個人のサバイバル能力で、日頃から自動車には乗らずに走って移動したり、時に絶食に耐える訓練などをすることを勧める。

 あまり同調者はいないかもしれないが、いざと言う時日頃から鍛錬をしているものが生き残る可能性は高いと予言しておくのは無駄ではないだろう。



件)4月30日(本日)にジャスコゆみーるでおゆみ野の音楽祭が開催されます。

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おゆみ野の森の仲間がハンドベルの演奏をします。
詳細は以下の通り。

http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/ariyoshi/2011/04/23427-a347.html

 

 

 

 

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(23.4.29) 東日本大震災 ドナルド・キーンさん ありがとう

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 思わず泣いてしまった。コロンビア大学名誉教授で日本文学の第一人者であるドナルド・キーン氏が日本国籍を取得して大好きな日本に永住すると言ったからだ。

 今日本から出て行く外国人は数知れないほどで、駐在員から中華料理店で働いていた中国人まで放射能被害を恐れて逃げ出してしまった。
成田は5月の連休も例年の5割程度の乗客しかいないと言う。

 日本人はここに住むしかないのでさすがに外国に逃げる人は少数だが、そうした中でドナルド・キーン氏が日本人となって日本に住んでくれるという。思わず私が泣いてしまうのも当然だ。

 帰化の理由を「私は日本を愛してます。自分の決断で日本人に少しでも勇気を与えることができたら嬉しい」と最後のコロンビア大学大学院の授業で述べていた。

 日本人は今回の大震災による被害の大きさに茫然自失しているのが実態で、特に福島第一発電所の原発事故がいつ収拾するか分からないことに苛立ちを感じている。

 国内ではこれはすべて菅総理の責任だと言って菅降ろしが始まっているが、そうした愚かしい行為に比較してドナルド・キーン氏が示した行為はなんとすがすがしく日本に対する愛情に満ちた行為だ。

 キーン氏の経歴を見ると戦争中は海軍情報士官として日本兵の遺書の翻訳をしたり、日本兵の尋問を行っていたりしていた。
アメリカは日本と戦争が開始されると日本語を理解する情報将校の養成を積極的に行っていたが、一方で日本では敵国言語として英語の使用を禁止していた。
敵を知りおのれを知らば、すなわち百戦危うからず」を地で行くようなアメリカと、危機になると砂に頭を突っ込むダチョウ日本との違いを感じさせる。これでは情報戦に勝てるわけがない。

 キーン氏の今回の決断を見ると日本人以上に日本人で、何か古武士のようだ。私達日本人はこのような日本に対する愛情を持ってくれている研究者がいたことに感謝しなければならない。

 氏は学生時代から源氏物語の英訳に取り組んだと言うから、非常な語学的才能を持っていたのだろう。私などは高校で習った源氏物語の桐壺の巻だけで精一杯で、とてもそれ以上読む気力がなかったが、世の中には言語能力が優れた人がいるものだ。

 キーン氏の著作には「日本文学の歴史」「百代の過客」「明治天皇」等があるが、残念ながら私は読んだことがない。
氏の決意に対してあまりにも申し訳ないので、せめてもの感謝の印としてさっそくアマゾンで「百代の過客」を取り寄せて読むことにした。

 今日本は未曾有の危機にあり、ほとんどの外国人が日本を見捨てようとしているときに、ドナルド・キーン氏は反対に日本人になってくれる。
困った時の友達が本当の友達だ。
キーンさん、ありがとう」何度感謝の言葉を言ってもいい足りないぐらいだ。



件)4月30日にジャスコゆみーるでおゆみ野の音楽祭が開催されます。

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おゆみ野の森の仲間がハンドベルの演奏をします。
詳細は以下の通り。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/ariyoshi/2011/04/23427-a347.html




 

 

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(23.4.28) 東日本大震災 菅降ろし 「恥を知れ」鳩山前首相

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 昨年の参議院選挙の敗北、そして今回の統一地方選の敗北を受けて鳩山前首相が倒閣運動に乗り出した。建前は小沢元代表と菅総理の間の取り持ちをおこない、挙国一致内閣を樹立するのだそうだが、実際は小沢元代表の意向を受けた倒閣運動に過ぎない。

 今回の統一地方選の敗北の原因を東日本大震災による福島原発事故対応において初動対応に遅れがでたり、国際社会への説明が不足していたことに求め、それは菅内閣の責任だという。

 もし民主党小沢派の倒閣運動の中心に鳩山前首相がいなければ、たしかにそうした非難があたる面はあると思うが、鳩山氏が言っては「そりゃ、ないよ」と思ってしまう。
なにしろ鳩山氏の政権運営は歴代総理の中で最低の部類に属して、国際社会への説明などまったくなっていなかったからだ。

 内容の伴わない東アジア共同体構想を打ち出したり、戦略もなく温室ガス25%削減を言ったり、そしてアメリカとの打ち合わせもなく普天間基地の移設先が県外・国外だと騒ぐだけ騒いで自滅し、最後は首相経験者は議員を退くべきだといっておきながら、一向に衆議院議員をやめない人間の言う言葉かと思う。

 「恥を知れ」とは鳩山氏に向けて言うのがもっとも相応しい言葉だ。
菅総理が判断ミスをして水素爆発を誘発させたのは事実だが、あの大混乱の中で誰が一体水素爆発を止めることができただろうか。
大津波の直後の状態は東京電力もその実態が分からずテンヤワンヤの大騒ぎをしていたのだから、菅総理に情報が伝わらないのも当然だ。

 私はシステム経験をながくしていたからシステムトラブルには何回も経験しているが、当初は何がなんだかさっぱり分からないというのが実態だ。
ATMや端末が動かなくなっていることは分かっても、原因調査には相応の能力と時間がかかり、実際はメーカーの技術者がログ等を分析してようやく原因がおぼろげながら分かるというのが実態だった。
その間、本店や支店や顧客からの罵詈雑言にたえて懸命に復旧作業をしていたものである。

 だから大震災、大津波、そして福島原発の事故と続けば、菅総理ならずともパニックになるのは当然だとおもう。
国際社会に対する説明など、国内に対する説明もできていないのにできるはずがない。
そうしたなかで枝野官房長官などは実に良くやっていたと私は評価している。

 菅総理が対策会議をいくつも作って屋上屋を重ねているとか、官僚をうまく使いこなしていないとか、自分ですべてを判断しようとしているとか、ヒステリーを起こして怒鳴りまくっているとかが、首相としての資質を疑わせると巷に聞こえてくる。

 しかし一方で自衛隊を10万人規模ですぐさま派遣し、アメリカ軍との共同作戦をとって遺体発見や仙台空港をいち早く利用可能にし、福島原発ではアメリカの専門家の提言をうけて海水での冷却を真水での冷却に代えたりして菅総理としてできるだけの決断はしている

 たとえヒステリックに怒鳴り散らしていたとしても、かつての阪神淡路大震災の時の村山富市首相のように、ただNHKのテレビを見ているだけで何も決断できなかった人よりはるかにはるかにマシだ。
ともあれ最高責任者の首相が懸命に指示を出して責任を全うしようとしていた。

 このような状況下で倒閣運動を野党の自民党がするならともかく、民主党のそれも前首相がするのは理解不能だ。
菅首相を無能だと言うが鳩山前首相はそれ以上に無能だったことが明確だし、それに首相といえども我々とさして変わらないのだから、経験を重ねて首相になってもらうより方法はない。

 私は日本人の最大の欠点はすぐに首相を代えることで、これでは外国の大統領や首相が最低でも4年、場合によっては8年もその地位に留まって元首としての研鑽が励めるのに比較してハンディーがありすぎる。

 首相は最初から首相なのではなく、経験と研鑽を積んで首相になるものでそれなくして日本のトップとしての力量など期待もできない。
たとえば菅首相に代わって谷垣氏が首相になったとしてもすぐさま「谷垣氏は無能だから」と言う理由で谷垣降ろしが始まるのは目に見えている。

 最初から有能な人間なんておらず誰がやっても五十歩百歩ならば、今懸命に努力している菅総理を応援するのが筋だ。
私が鳩山前首相が間違っていると思うのは、自分の不徳を棚に上げて、今一生懸命努力している人の足を引っ張って平然としているからで、「あなたは人のことよりも、自ら言ったようにすぐに衆議院議員を辞職するのが正しい態度だ」といいたくなる。

 

 

 

 

 

 

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(23.4.27) 通貨の権威失墜と金相場の上昇

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 これほどまでに金相場が上昇するとは夢にも思わなかった。
直近では1トロイオンス=1500ドルとなっており、1年ほど前は1200ドル程度だったので年率で25%程度の上昇だ。しかもこの先どこまで上昇するのか分からない。

 元々金は持っていても利息がつくわけではないからドルやユーロが健全であればドル預金やユーロ預金に資金が流れて、金の購入意欲が衰える。
しかしほぼ3年前に発生したリーマン・ショック以降世の中はすっかり変わってしまった。

 アメリカとEUと日本が競うようにして金融緩和を推し進めたため世界に資金が有余ってしまい、ドルやユーロや円をもっていても価値が下がるだけになってしまった。
ヘッジファンドも個人も通貨をすぐに希少性のある価値あるものに換えようとして貴金属や石油や鉄鉱石や食料に資金を移し換えている。

 昔ロシヤの友達がルーブル紙幣の給与をもらうと、即日闇市場でドルに交換していたが、そうでもしないとルーブルがたちまち紙切れになるから生活防衛のためにいたし方がない行為だった。
今はドルもユーロも円も信用を落としているので、誰もが通貨を持っているよりは貴金属等を持とうとする。

 この動きは通貨相互間の動きだけを見ていては良く分からない。実際は通貨のたたき売りがされていて、ドルもユーロも円も互いに弱さを競い合っているのが実情だ。

注)弱い通貨ほど輸出環境が好転するので、景気回復のためより通貨を弱める政策をとっている。確かに輸出は増えるが、入手する通貨の価値は下がっている。

 金は1971年ニクソンショックまでは1トロイオンス=35ドルだったので、FRBに35ドル持ち込めば金に交換できた。
あれから40年、金相場は40倍以上に上昇したが、見方を変えればドルは金に対して40分の1に減価したことになる。

 もっとも金価格は直線的に上昇したのではなく、1980年に約600ドルの値をつけてから長期停滞局面に入った。
その後は少し価格が上昇すると財政が厳しい国家筋から金売却があってすぐに価格が下がり、2000年前後までほぼ半値の270ドル程度になっていた。

 金は毎年の産出量が4000トン以下と少なく、そこに国家筋から100トン程度の金の売却が出るとすぐに価格が低下したからだ。
この金価格の低下にたまりかねて、ヨーロッパの11カ国が金の売却カルテルを結んだのは1999年で、年間の販売量を400トン以下、5年間の累計を2000トン以下と決めてから、金価格は上昇するようになった。

注)これを第一次ワシントン条約という。ワシントンと名がつくのはたまたま国際会議があってワシントンに集まっていた西欧諸国が、そこで金の販売カルテルを結成したのでこの名前がついた。
その後5年ごとにこのカルテルは更新されている。


 その後はカルテルのおかげでほぼ一本調子で上昇したが、本当に金価格が急上昇し始めたのはやはりリーマン・ショック後の金融緩和をうけてで、最近ではほとんど手がつけられないような上昇になっている。

注) 1トロイオンス当たり、06年 600ドル、07年 700ドル、08年 900ドル、09年 1000ドル、10年 1200ドル、現在 1500ドル

 リーマン・ショック以前の金価格の上昇は主として日本が低金利政策で放出した資金を利用した投機によるもので、リーマン・ショック以降はアメリカ、EU,日本が競って金融緩和策をとったことによる。
市場から見れば通貨の価値が競争するように低下しているので、貴金属を購入してヘッジしているだけに過ぎない。

注)投機筋が悪意を持って通貨の下落を操作しているような説明がよくあるが、実際は通貨当局が節操なく通貨の供給をするので、安くなった通貨を売って金等を購入する経済行為をしているにすぎない。

 ニクソンショックから40年、その間は管理通貨制度と呼ばれアメリカのFRBが責任をもってドルを管理している制度だったはずだが、リーマンショック以降は糸の切れたタコになってしまった。

 通貨の信任がなくなれば、後は最後の通貨と言われる(そして銀やプラチナ)がアンカーとして購入されるのは当然だ。
そしてこの金価格の上昇はドル管理制度に変わる新たな通貨管理制度ができるまで続きそうだ。

 新たな通貨管理制度とは、ドルだけでなく主要な通貨(ユーロ、円、元、ルピー、ルーブル等)をバスケットに入れて、各国の信任の総和(アメリカのドル一国支配の終了)で通貨価値を支えようとする新制度になるはずだが、そうした新通貨管理制度が構築されるまでは金価格の上昇傾向は続くだろう。

注)なお金の上昇が一本調子に上昇することはない。アメリカやユーロや円が引締めに入って国債の利回りが上昇したりすれば、資金は当然国債等に流れる。上記の金価格の上昇傾向とは長期トレンドを意味して、短期トレンドの説明ではない。

 

 

 

 

 
  

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(23.4.26) おゆみ野の森の植樹祭

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 この4月17日の日曜日、おゆみ野の森植樹祭が行われた。植樹祭はこの森で行っている定期活動の一環として実施したものだが、せっかく人に集まってもらうのだから東日本大震災の被災者への義援金も募集することにした。

 植樹祭をしようとしたのは、この「おゆみ野の森の活動」が、認められて「緑の都市賞」を受賞し、副賞として10万円の贈呈があったからである。
せっかくの10万円だ。この森に不足している木を植えて、実り豊かな森にしたらどうだろうか」とみんなで相談した。

 その結果柿ノ木を中心に実のなる木をこの森の入り口近くに植えることにした。この場所は笹が生い茂っていつも草刈をしていないとばさばさになってしまう場所で、そこを柿や栗のような果樹園に変えようと考えたのだ。

 こうした活動にとても熱心なOさんがさっそく苗木と苗木の根元に引く防草シートを約40セット手配してくれた。
これを子供達に植えてもらうのが今回の活動のメインになる。

 私の担当は草刈なので、前もって笹をできるだけ取り除いて植樹祭に備えておいた。
この日は50名から100名程度の参加者があったが、特に子供達が嬉々として苗木を植えるのには驚いた。

 まず穴を掘るのだがもともと笹が生い茂っていた場所だから、タフな根があちこちにはびこっている。
子供にこの笹の根を掘らせるのはとても無理で大人がまず大きなシャベルで掘って、その後を子供に大小のシャベルで掘らせた。

 私も5箇所程度穴を掘ってみたが、それだけでクタクタになってしまった。かつては疲れを知らない男とまで言われていたのに、今ではちょっとした穴を掘るだけで家に帰ったら寝込んでしまうほどだ。
しかし子供の前では弱音を見せられないので懸命に穴を掘った。

 この日40本あまりの苗木はすべて植えることに成功し、後は適切に水遣りだけすればよいような状態になっている。
コンサルタントの佐々木さんが「毎週1回は水遣りをしよう」と声をかけたので小太郎姉さんや散歩おじさんが手を上げた(私は時間のあるときだけ行うと停止条件をつけている)。

 今は苗木だがそのうちに柿木を始めとする実がなり、子供達が柿もぎに来てくれるだろう。私が生きているうちにぜひ実をならせてほしいものだ。
なお、義援金は約1万円が集まったので千葉市社会福祉協議会に届けておいた。

動画は以下のURLをクリックしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=6S-k82pp-eQ

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(23.4.25) 東日本大震災 第2の敗戦 戦後65年の総括

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 今回の東日本大震災は、戦後65年をかけて築いてきた日本のありようを根底から覆すという意味で第2の敗戦といえる。
敗れた相手はアメリカ軍でなくマグニチュード9.0の大地震であり、それに起因する津波だったが、本当の意味で敗北感に打ちひしがれたのは福島第一発電所のレベル7の大事故だった。

 地震や津波は確かに想定外の大きさだったとは言え、三陸沖を震源地とする大地震が発生することは予測の範囲だったし、そのための備えとして防波堤の建設もしていたし、退避訓練も行われていた。
大きすぎたということを除けばいつかは必ず発生する地震であり津波であったといえる。

 一方で福島第一発電所の事故はありえない事故として突如発生した。日本の原発は絶対に安全であり、事故に対する備えは十分にできており、万一大地震が発生しても原発は自動停止し冷却が行われるといわれていたからだ。

 しかし目の前で発生したことは冷却を行うための自家発電機が水浸しになり、原子炉内の燃料棒がむき出しになって溶融し始め、あわてて外部から水を注入したら大量の水素が発生して水素爆発し、原発周辺に放射性ヨウ素と放射性セシウムを撒き散らしたあの姿だった。
だれだ、日本の原子力発電は絶対安全だなんていってたやつは・・・・
これは本当の意味で想定外であり、戦後65年の日本のありように対する挑戦だったと言って良い。

 かつてチェルノブイリ発電の事故を「遅れたソ連の老朽化施設の賜物だ」とみなしていた日本の原子力関係者は、それが驕りだったことを身にしみて感じている。
そして私自身について言えば、原発が日本の発電量の30%を占めている現状を追認し、原発の必要性を認めていたことを恥じた。
何かが間違っていたのだ。こんなはずじゃなかったのに・・・・・
そう、戦後の65年の何かが間違っていたのだ。

 福島原発の30km範囲の人々は、今流浪の旅が始まっている。マスコミにはそうした言葉を使用しないが私はこれは原発難民だと思っている。
戦後65年経って、日本はソマリアやスーダンやエチオピアといったアフリカの戦争地域の人々が経験しているあの避難民の生活を味わっている。
豊かで安全だと思われていた日本に難民が現れたのだ。

 東京電力は自らの驕りの結果、汚染水一つまともに処理ができずのた打ち回るような苦悩の最中にあるが、本当の意味での東京電力の苦悩はこれから始まる。
30km圏内の避難民や、風評被害で出荷ができない農業者や漁業者、それに放射線の測定を義務付けられた工場に対する補償、および撒き散らされた放射性物質の除去には、おそらく東電の収益力をもってしても対応が不可能だろう。

注)補償問題は海外の漁業者(ロシア、韓国、台湾、中国)からも請求される可能性がある。

 戦後65年の原子力行政の結果レベル7の大事故と、東京電力と言う戦後日本を支えてきた電力会社の実質的倒産なのだから、これは明確に第2の敗戦といえる。

 どこで間違ったのだろうか?
戦後65年、私達は豊かになることが善で有る世界に住んでいた。豊かさとはGDPの拡大であり、そのためにはすべてが許される世界だった。
実際は1990年前後のバブル崩壊以降、日本の豊かさはピークを打っていたのだが、その後の20年は「それでも豊かになろう」とする愚かしくも悲しいほどの努力だったといえる。

 国庫をはたいて無用な公共投資を続け、日本中に飛行場や道路や港湾や公園等を建設し、そして無駄にエネルギーを浪費するために東京電力等の電力会社に原発を推進させてきた。
石原都知事が「真夜中に自動販売機やパチンコを稼動させている意味があるのか」と直言したが、本当は意味はないのだ。

 菅総理は盛んに「日本の再生」を唱えて、震災前の日本を取り戻すことを約束しているが、震災後の日本は第2次世界大戦の敗北がそうであったように地震前と地震後はまったく異なった社会になっているはずだ。

 なぜなら今回の復興のための補正予算一つを取ってみてもその財源が枯渇しており、基礎年金の国庫負担分の流用や、子供手当ての増額の取りやめ、高速道路無料化の中止は、「国民の生活が第一」と言っていた民主党政権のマニフェストの棚上げだからだ。
民主党はもはや国民の生活を守ることができなくなっている。

注)民主党のマニフェストは戦後日本の弱者を救うための大盤振る舞いであり、財源を無視した大風呂敷だったが、間違いなく戦後日本の福祉国家の到達点を目指していた、それは貧しい人も豊かにしようとした政策だった。

 菅総理のいう「日本の再生」が、かつての日本を再生するものでは何の意味もない。かつての日本とは単なる無駄と無理の世界だからだ。

 この東京電力による計画停電で、大まかに言って私達の世界はほぼ20%程度無駄なのがよく分かった。
電車が間引き運転されてもさして困ることはなく、動く歩道が動かなくなっても歩けばよく、スーパーのエスカレーターが止まっていれば階段を登ればいいだけだった。
そして夏に猛暑が来れば無理に働かないで木陰で寝ているのが一番だろう。

 戦後65年の崩壊の兆しは随所に現れている。
政治であれば民主党と自民党と言う戦後政治を支えてきた2大政党の退潮と、地域政党や減税を掲げるみんなの党の躍進に見られ、経済で言えば東電とトヨタと言うこれも戦後日本を支えてきた企業の衰退に現れている。

 また財政はすでに崩壊しており、一般会計予算の半分が赤字国債で調達されている。我が国は税金国家ではなく借金国家なのだ。
そして今回の大震災に伴う復興資金は、結局は年金や福祉や公共投資を削って捻出せざる得ないところに追い込まれるだろう。

注)政府は増税や赤字国債を発行して従来の予算はできるだけそのまま維持しようとしているが、増税には反対が多く、また赤字国債の発行は日本国債の国際的評価が低下するリスクがある

 戦後の日本はすべての人が豊かになろうと努力してきた時代だった。
だが豊かさには限界があり、それを無視して無理と無駄を押しすすめると原子力発電所の事故と言うほぼ対応が不可能な災厄に見舞われることを思い知らされた。

 今私達の目の前に見えている世界は、豊かさの追求が終わり、謙虚に生きることを求められる世界なのだ。
もう一度強調しよう。
再び過去の日本が再生することはありえず、GDPの拡大を望むような世界は再び現れることはない。


(別件)「おゆみ野四季の道」および「おゆみ野四季の道 その2」のカウンター10000を加算しました。

 

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(23.4.24) 千葉市富田都市農業交流センターの芝桜

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 「うぅーん」と唸ってしまった。この富田都市農業交流センターのあまりに美しい芝桜とこの交流センターの位置づけについてである。

 富田都市農業交流センターは私の家から15kmほど離れた若葉区の一角に有る。私は普段若葉区方面に行くことが少ないのだが、その理由は鉄道網がなく、自動車がないと不便だからだ。

 たまたまこの富田都市農業交流センターを訪問することにしたのは、清掃仲間の小太郎姉さんから「芝桜がとっても綺麗ですよ」と教えてもらったからだ。
15km程度なら2時間も走れば着くだろう」先日(21日)走っていってみることにした。

 行って見て驚いたが、確かに芝桜は1haぐらいの土地に一面に咲き誇っており目を見張るほどで、20名前後の観光客が来ていた。そばに池もあってなかなかの散策スポットだ。
私は写真を撮りまくってとても満足したのだが、一方で「この都市農業交流センターとは一体なんだろう」と言う疑問がわいてきた。

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 見る限りはとても素敵な公園としか思われないのだが、良く見ると研修所が整備されておりそこに事務員もいて、このセンターの一角では作業員が下草刈を行っていた。
とても不思議な気がしたので帰ってからインターネットで調べてみると、千葉県には2箇所都市農業交流センターと言うものが設置されており、都市と農業の交流の場として利用されているのだという。

 具体的には都市の人に農業研修を行ったり、家庭菜園を開放したり、園芸の指導をしたりしているのだという。
実際そういう活動をしているのだろうが、見た限りは素敵な公園そのものだ。

 日本では○○センターとか○○協会と言う組織が乱立し、実際は公務員の天下り先確保と予算消化のための施設が多いので、「もしかしたらこの都市農業交流センターもそのたぐいか?」と疑っている。
研修所に人影はなく、事務所に事務員がいるだけで他に作業員が下草刈をしているだけだった。

注)公園の場合は管理経費と入場者数を調べればその公園の位置づけが分かる。一方都市農業交流センターの場合は管理経費費と実際に行われた研修の回数および人数を調べればセンターの位置づけが分かる。今回HPを見たがそうした資料はなかったので明確な判断ができなかった。

 しかしこの芝桜は間違いなく圧巻で、これが交通の便の良いところに有れば多くの観光客が押し寄せることは間違いない。
しかしここは千葉を代表する農業地帯の一角でバスは1日1便(それも私が行ったときは運休中だった)で、自動車か足で走っていくより仕方がない場所だから、観光スポットとしてはマイナーな場所だ。

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 私はしみじみ思うのだが日本ほど公共的な施設が整った国はない。日本の地方に行くとすばらしい公園やキャンプ場やスポーツ施設があり、しかし利用する人口が少ないために閑古鳥が鳴いている。
道路も整備されダムなどは何のために建設しているか理由なく建設が推し進められている。
観光地にはかんぽの宿といった公共的な施設が乱立して、利用客がないために最後は二束三文で売却するしか方法がなくなっている。

注)私はよく北海道や長野の地方都市を歩き回っているのでこうした事象を見てきたし、一方でロシアやフランスやタイやフィリッピンの田舎を歩いたが公共的な施設はほとんど整備されていなかった。

 これらは施設の総量と人口とのアンバランスの結果生じている現象といえる。
特に地方は人口減に悩まされているが、一方施設は赤字国債を発行してまでも推進するからますます施設が整ってしまう。

 ここ富田都市農業交流センターも施設の立派さと訪問者(研修の利用者は不明)のアンバランスが見受けられた。もっとも日本いたるところで有る現象だから驚くことはないが、日本と言う国のありようとして問題が有りそうだ。

 

 

 

 

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(23.4.23) 東日本大震災に対する世界銀行からの励ましのメッセージ 友人のT氏から送付されて来たもの

JSDF関係者からの日本への励ましのメッセージ

日本社会開発基金( JSDF:Japan Social Development Fund )は2000年、日本政府の拠出により創設され世銀が運営に当たっている信託基金です。JSDFは、途上国の貧困に苦しむ人々、社会的に最も弱い立場におかれている人々のニーズに直接対応し、持続可能な活動へと発展する可能性の高い社会プログラムを通して、これらの人々の能力を強化し、開発プロセスへの参加を促進するためのグラントを提供しています。

このたび、大震災と津波の被害を受けた日本に対して、これまでにJSDFの支援を受けた世界各地の関係者からメッセージが寄せられました。これは、JSDF事務局の呼びかけにより、世界各地でJSDFのプロジェクトにより恩恵を受けたNGOや受益者、世銀スタッフなどが、日本への感謝と共に、震災で困難な状況にある日本の人々へのお悔やみや励ましの言葉を寄せた「希望と連帯の記帳」と名付けられたメッセージ集です。

希望と連帯の記帳PDF 英語日本語(抜粋)

はじめにアフリカ地域東アジア・大洋州地域ヨーロッパ・中央アジア地域
ラテンアメリカ・カリブ海地域中東・北アフリカ地域南アジア地域ワシントンD.C.



上記は友人のT氏から送られてきた内容ですが、私のブログに転載しました。

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(23.4.23) 少子高齢化と衰退のメカニズム なぜGDPは伸びないか

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 私が高校の世界史を学んで一番不思議に思ったのは、なぜ中世と言うような暗く文化の香りがしない、あるのは宗教と宗教裁判だけの暗黒時代が出現したかということだった。

 それ以前の古代には古代ローマに代表される華やかで建築技術の粋を集めた大都市があり、そこにはコロッセウム凱旋門公共浴場や、そして何よりも上下水道が完備していた。
道路は帝国の隅々まで延長され、海上貿易はいたって活発で、商業は栄えていた。発掘された都市を見ると現代と同じような生活様式が存在していたことがわかる。

「中世??? 何か時代が逆転したのではないか」そう思ったものだ。
私は当時(そして長い間)歴史は進歩するという進歩史観の信奉者だったので、この中世と言う水溜りのような動かない世界に失望したものだ。
なんとくだらない時代があったものだ・・・・・・・歴史の恥だ

 しかし今日本のおかれている状態を見て、私は中世と言う時代がなぜ出現したか理解できるようになった。
今日本がその中世に突入しようとしているからだ。

 20世紀はGDPを極限にまで増大させようとした進歩史観の時代だが、日本においては1990年ごろからいかに財政と金融を総動員してもまったくGDPは増加しなくなってしまった。

注)名目のGDPは成長が止まったが、デフレが進んだため実質のGDPはデフレ分だけ増加した。だから日本は低成長だが進歩していると言い続けて来た。

 政治家も経済人もGDPが成長しなければ失業者が増大して社会不安が起こると口をそろえていたし、国民も素直にそうだと思っていた。
しかし日本はどうやっても成長しない世界に入っていたのだ。

 本質的な原因は少子高齢化であり、ここではGDPの約6割を占める消費が逓減する。それは老人になれば分かるが食欲はわかないし、着るものは異性を引き付ける必要がないからジャージで十分だし、家はすでに購入しているのでメンテ需要以外はないし、旅行も体力勝負だから時差のあるところはなるべく避けようとする。

注)なぜ高度に進歩した社会で少子高齢化がおきるかと言うと、高齢化は医療水準の向上、衛生環境の充実、年金等社会保障制度の拡充により平均寿命が延びるから。
一方少子化は子供が生産財でなく高い消費財になるためで、大学や大学院を卒業させてもなおパラサイトシングルで親に寄生するので、こんな馬鹿高い消費財にうんざりし、できるだけ子供を生まないようにするためである。


 おかげでデパートもスーパーもコンビニも売上げ減少に悩み、観光地は閑古鳥が鳴くし、地方のアミューズメントパークはほとんどが倒産してしまった。
今では東京近在の私鉄さえも利用客が減りだし、地方では鉄道そのものが成り立たない。
このように少子高齢化社会では消費は必ず頭打ちになり、次に逓減する。

注)日本と同じように高度に発展したアメリカがなお成長しているのは若者の人口が増加しているからである。正式な移民と不法移民の流入でアメリカはまだ若い国家でいられる。また西欧も最近まではアフリカの旧植民地とトルコ等からの移民を受け入れていたし、EUと言う枠組みで東欧の若者を取り入れることに成功していた。
進んだ先進国の中で日本だけが少子高齢化に悩まされている。

 こうした日本に投資をするのは投資効率が悪すぎるので民間資本はそっぽを向いてしまう。
仕方がないので政府や自治体が公債を発行して無用な飛行場やダムや高速道路や港や公園を作りまくったが、こうした施設はそもそも利用者が存在しないので、維持管理費ばかりがかかって国や自治体の財政をさらに圧迫する。

 十分に成長し、さらに少子高齢化した社会にはそれ以上の効果的な投資物件は存在しない。何をやっても無駄なのだから、そんなところに投資するくらいなら中国や東南アジアといったまだ貧しく、若者がわんさかいて消費意欲が旺盛な場所に投資するのが当然だ。

 実際21世紀にはいってその傾向が誰の目にも明らかになってきて、とうとうGDPも中国に抜かされてしまった。
さらに今回の大震災に伴う福島第一原発の事故でGDPは確実に減少に転じようとしている。

 なにしろ電力供給は制限され、日本の輸出品には放射能検査が義務づけられ、観光客は日本を敬遠し、国民は不要な外出や支出を行わなくなり、何よりも東北3県の避難民をどう受け入れるかで政府は頭がいっぱいになっている。

 菅総理は復興計画を新しい日本のために作るといっているが、それは実際はGDPが毎年減少する社会のことだ。
古代ローマもこれ以上の投資物件がなくなり少子高齢化が進むことによって中世に席を譲った。今日本も古代ローマと同じように新しい中世の入り口に入り込んでいる。
時間差は有るが次はヨーロッパが中世化し、アメリカもあとを追うだろう。
進歩した社会が少子高齢化すれば必ず起こる歴史のメカニズムと言ってよいだろう。
もう一度言うが、少子高齢化社会ではGDPは必ずピークをうち、そして逓減する。

注)新しい中世に入る順序はほぼ平均寿命の高い国から入り始める。日本が世界有数の平均寿命大国であるため、成長の限界を最も早く経験することになった。

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(23.4.22) 世界の為替相場  弱い者競争の行方

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 このところの外国為替の動きを見るとほとんど笑ってしまいたくなる。
世界の経済の中で誰が一番弱いのかのコンテストをしているようなものだからだ。

 現在の外国為替のメインプレーヤーはドルユーロで、これ以外の通貨はほとんどが中国のがそうであるようにドルにペッグしているのでドルとなんら変わらない。
リーマン・ショック前まではポンドもメインプレーヤーだったが、今では落ちぶれてしまった。

 このドルとユーロと円の競争は「どれが強いか」ではなく、「どれが弱いか」の競争だ。
どの通貨当局も目一杯資金の垂れ流しをしており、市場はその推移を見ながら外国為替の売り買いをしている。

 愉快だったのは日本の大震災直後に円が大幅に値上がりして76円台になったことだ。
このときほど金融が実体経済と遊離し、金融の論理だけで動いていることを示す事例はなかった。
大変だ。円資金が引き上げられてしまう」日本経済の崩壊ではなく円資金の引き上げを恐れたのだ。

 その後は日本経済が大震災で甚大な影響が出ることが分かり、特に輸出に急ブレーキがかかることが明白になって、じりじりと円安に振れ86円近くになった。
やはり為替相場は実体経済を反映するのか」と思っていたらまた雲行きが変わった。

 EUのポルトガル支援で、EUの一員のフィンランドがNOという可能性が出てきたからだ。
最近行われた選挙で国内重視派(反ユーロ派)の政党が大躍進した。
ポルトガル支援なんてトンでもない。自己努力をせよ」フィンランド政府がもしそう言えばポルトガルの金融支援は覚束なくなる。

 元々ヨーロッパの経済はひどい軋みが発生しており、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインとリーマン・ショック以前のバブルを清算できない。そこにリビア問題がのしかかって青息吐息だ。
やはり、ヨーロッパのほうが原発の日本より経済は悪いのではないか・・・、なんとなく・・・・・123円まで上昇したユーロが119円台とユーロ安に向かい始めた。

 一方このところ経済が順調だと見られていたのはアメリカで、失業率も低下し住宅着工件数も上向きになっていた。しかしここは共和党とオバマ政権の財政赤字削減策ですったもんだのドタバタ劇が始まっている。

 ひどいにらみ合いの結果、連邦政府職員の給与も支払われなくなりそうになってようやく妥協が成立したが、格付会社S&Pは「アメリカ国債の格付を将来引き下げる可能性があるネガテュブ」と発表したので市場は大騒ぎになってしまった。
やはりドルは売りだ、円を買え、ユーロも買だ」となってふたたび82円台になってきた。

 ひどい為替相場の推移だ。どこかの通貨に悪材料が出るとすぐ売られるが、本質的には通貨の信頼が地に落ちているからだ。おかげで最後の通貨と呼ばれている金相場だけが傾向的に上昇している。

 ニクソンがドルと金の交換を停止したのが1971年で、それ以降は管理通貨制度と呼ばれ、FRBがドルを適正に監理する制度といわれていた。
しかしFRBが最低限の節度を持ってドルを管理していたのはリーマン・ショックまででそれ以降は糸の切れたタコになってしまった。
こうなりゃ、矢でも鉄砲でももってこい。ドルなどいくらでも印刷してやる

 とうとう管理通貨制度も40年で実質的に崩壊し通貨への信任がなくなってしまった。人々は右往左往して最後の価値あるものを求めている。
「ドルもユーロも円もだめ、後は金だけよ
資金は金に集中し人々は金塊を溜め込んでいる。こんな世界に誰がしたといいたくなるような惨状だ。

 

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(23.4.21) 東日本大震災 生活保護世帯の増加と生活保護制度のきしみ

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 東日本大震災の余波は従来何とか維持されてきた生活保護制度の見直しにまで波及しつつある。

 厚生労働省の下部組織である社会保障審議会生活保護基準部会が5年に1回の生活保護水準の見直しに着手したからだ。
生活保護世帯は年々増加し、92年の約59万世帯から09年には127万世帯倍増している。

 このため生活保護費は毎年増加の一途をたどり11年度には3.4兆円の規模にまで拡大した。
そして今一番問題になっているのは東日本大震災の被災者で、家や職場を失った人達が大挙して申請を行うことが予測され、生活保護制度がそれに耐えられるかということだ。

 政府の財政は火の車で地方財政も同様だ。生活保護費の4分の3は国家財政から、残り4分の1を地方財政から支出するのだが、生活保護費の多い大阪市では一般会計の17%が生活保護費に当てられている。

 生活保護を受けるための条件は自治体によって対応が異なっているものの、通常は家や自動車などの資産をもっていないことと、病気や障害で働くことができないことを証明する必要が有る。

 以前私のような貧しい人間は生活保護の対象になるかと思って、民生委員のKさんに聞いたことがある。
山崎さんはだめね。第一家があるじゃない。生活保護を受ける前にまず家を売却して資金を生活費に当てることが先よ。それに年金生活者は対象じゃないの

 生活保護制度の問題点はいろいろあるのだが、基本的問題は他の制度との関係で生活保護制度が優遇されすぎているのではないかということだ。
生活保護の扶助は8種類あり、そのうちの生活扶助と住宅扶助を受けた場合は約7万円になり、最低賃金制度6万から8万円)による労賃を上回る場合が出てきている。

 これは働くよりも生活保護を受けているほうが得ということで、働く意欲をなくす制度になっている。

 さらに問題はあらゆる扶助を受けた場合は、月額で約30万円を越す場合があり、これなら私の厚生年金より多いのだから、私でも生活保護を受けたくなる(この記事の最終欄参照)。

 また扶助の中心は生活扶助と住宅扶助だと私は思っていたが、実際は生活保護総額の約半分が医療扶助になっていた。
大阪市内の病院ではこの生活保護者を主たる対象にした病院が多数あり、こうした関係も有って大阪市の生活保護費の割合は高い。

注)生活保護を受け続けるためには病人であることの証明が必要で、ここに医院と生活保護者がこの制度に寄生する温床がある。
「先生病人のままにしておいてよ」「あいよ、この薬を持ってきな」なんて関係だ。


 もちろん生活保護を必要としている世帯は当然あるのだが、一方で上述したようなこの制度に寄生している個人や医院の問題もある。
ところが今回の東日本大震災で家を失ったり職場を失う人が大量に発生し、本当に生活保護が必要な人が大量に発生してしまった。

 従来問題点があっても何とか維持してきた生活保護制度だが、これも国や地方にそれだけの資金的余裕があることを前提にしている。
今でさえ青息吐息のこの制度が大震災に伴う受給者の急増に耐えられるかどうかはかなり微妙な状況になった。
特に今回被災を受けた市町村に生活保護費の4分の1を負担する能力はない。

 戦後60年余り、日本のあらゆる制度がこの大震災を契機に見直しを迫られている。日本政治のやさしさの象徴の一つだった生活保護制度も今根底からそのあり方を問われ始めた。

 
注)下の例では各種加算が行われて、生活保護費は月額344,990円になる。

4人世帯 41歳(障害者1級、障害年金無)、38歳、12歳、8歳、妊娠中(7ヶ月)

  • 第1類 38,180円(41歳)、40,270円(20-40歳)、42,080円(12-19歳)、34,070円(6-11歳)
  • 第2類 55,160円(4人世帯)
  • 各種加算
    • 妊婦 13,810円(妊娠6ヶ月以上)
    • 障害者 26,850円(障1・2級/国1級)
    • 特別介護料 12,090円(世帯員)
    • 児童養育加算 5,000円(第1・2子)
  • 住宅扶助 (最大)69,800円
  • 教育扶助 2,150円(小学校)、4,180円(中学校) 学級費等(最大)610円(小学校)、740円(中学校)

合計 344,990円(月額) ※小中学校の教材費、給食費、交通費等は実費支給

 

 

 

 

 

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(23.4.20) 東日本大震災 東電の収束工定表は大本営発表

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 4月17日東電が発表した福島第一発電所事故処理収束工程表はひどい大本営発表だとしみじみ思ってしまった。

大本営発表 4月17日東電は福島原発事故処理について、今後3ヶ月から9ヶ月の範囲で収束を図れる見通しがたった。これにより半径30km範囲の一部住民の帰宅が可能になる」本当だろうか???

 実は今回の東電の発表は政府が東電の尻をたたいて無理やり出させた希望的収束工程表に過ぎない。
東電としたら目先の汚染水問題で頭が真っ白で今後数ヶ月間に及ぶ工程などまったく予定すら立たない。
なにしろ想定外のことが次々に発生して、対処療法だけで手一杯だ」と言うのが実情だ。

 しかし政府の立場としては30km圏内の住民に対して将来どうなるかの説明責任がある。また実際問題としても福島原発難民対策をどのように進めるかについてもスケジュールが明確にならなければ計画の立てようがない。
東電が最大限の努力をした場合の、もっとも最短の事故処理収拾計画を出せ」政府が東電に迫った。

 東電としたら重要な前提条件の下に収束表を作成したのだが、クリアーするのが不可能と思われるような前提条件だ。

① 放射線量が劇的に下がり作業員の被曝の心配がなくなれば、原子炉の1・3号機は燃料上部まで水で満たし(水棺方式)、2号機は格納容器の損傷部分の補修ができ、また熱交換器の設置ができて安定的な冷却ができる。

② 放射線量が劇的に下がり作業員の被曝の心配がなくなれば、汚染水の放射能レベルを下げる水処理施設を設置して水の浄化を図ることができる。

③ 放射線量が劇的に下がり作業員の被曝の心配がなくなれば、放射線物質の飛散を防ぐ飛散防止剤の散布を行い、がれきの撤去ができる。


真意  放射線量が高ければこうした作業が3ヶ月~9ヶ月で終わることはない。そもそもこんな危険な場所での作業を最短で行おうとすれば作業員が被曝してしまって、作業できる作業員がいなくなってしまう

 ロシアのチェルノブイリの収束外部へ放射性物質が漏れなくなった時期約10日で終わったが、これは延40万人に及ぶ軍隊・消防士・警察官等を動員して放射線被曝を無視して閉じ込めた結果で、当初は軍隊や消防士に被曝の危険性を一切伝えていなかった。
この結果多くの被曝者が死亡したと推定されているが、当時のソビエト政府の秘密主義によって詳細は明らかになっていない。

 今回の工程表は政府の指示で無理やり出されたもので、政府にとって必要であっても東電にとっては単なる絵に描いた餅に過ぎない。
汚染水の処理さえまったく目処が立たないのに、後何をしろと言うんだ」悲鳴をあげたくなるだろう。

 日本はソビエトロシアとは異なり、作業員の人命を犠牲にしてまで事故の収束を図れる国でない。作業員の最大被曝量を250ミリシーベルトとした以上、これを守って作業をおこなうことになる。

 このため放射線量が高いあいだは作業が行えず、一方放射線量を下げる作業が行えなければ放射線量はいつまでたっても高いままだ
この矛盾を抱えたままの作業が3から9ヶ月で収束するはずがない。

 さらに原子炉内の温度が100度C以下の冷温停止の状態になったとしても、その後核燃料棒の取り出し処理が待っている。
ここでも取出用のクレーンは水素爆発で倒壊しているから、新たに建設しなければならないが、放射線量が高ければ作業はできない。

 また30km以内の住民が自宅に戻るためにはまき散らかされた放射性セシウムの除去がどうしても必要になる。
この作業もどの程度かかるか分からない。

 菅総理が「20年から30年は福島原発の被災者が元の場所に戻ることはできないだろう」と言ったとオフレコ発言がもれてきたが、この数字はチェルノブイリの半径30km以内の実態(25年間立ち入り禁止が続いている)と一致する。

 この3から9ヶ月と、20年から30年の間の乖離はあまりに大きい。
だから今回の東電の発表は大本営発表なのだ。

 

 

 

 

 

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(23.4.19) Twitterの利用方法がようやく分かってきた

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 私の生活態度は非常に保守的で学生時代から今までほとんど変わっていない。
起きる時間も寝る時間もほぼ一定で、現在は朝4時に起き、早朝四季の道の清掃活動を2時間程度行い、午前中にブログを書き上げ、午後からはジョグと他に何か一つぐらいの作業を行い、夕方7時半ごろには寝てしまう。

 変化が起こることが嫌いで、今回の東日本大震災のような突発的な災害が発生するとすっかり気持ちがナーバスになり落ち着かなくなる。
この生活の保守性は技術の習得についても言え、いわゆる近代的なナウな技術群にはなかなか飛びつかない。新し物屋ではないのだ。

 私が長い間ブログTwitterをしなかったのはそのせいで、また他の人が携帯スマートフォンを操っているのを見ても、なかなかその気になれなかった。
しかしこの保守性は一旦その技術を習得すると反対にちょっとやそっとのことでは止めることがないと言う持続性を持つ。
そして習得した技術体系についてはいつの間にか専門家みたいになってくる。

 このブログがそれで、私がブログを始めたのは約4年以上前で、その時以来システム障害で1日だけブログを書けなかった以外は毎日のように記載している。おかげでこのココログの世界についてはほとんど知悉してしまった。

 今私がようやく始めだし今後とも生活の一部になりそうなのがTwitterである。この2月からTwitterを始めてみたのはスマートフォンを購入したからである。
元々スマートフォンを購入したのは海外からブログの更新ができないかと思って購入したのだが、実際にやってみるとブログ(ココログとの相性の問題があって、なかなかうまく行かない。

注)当初この4月の初めにオーストラリアに観光に行く予定(結果的には取りやめ)で、そのときに海外からブログの更新がしたかった。

 文字入力がパソコンより難しいのはともかく、ココログのある画面が開かないのには愕然とした。
とくに更新の画面操作が難しく、またアクセス解析などは深い画面に入り込むことができない。
これじゃ無理だ。スマートフォンでのブログ更新は諦めよう

 しかしこれでは何のためにスマートフォンを購入したのか訳が分からなくなってしまった。携帯の時と同じようにパソコンの脇においてあるだけだから固定電話となんら変わらず、ブログ更新もインターネット検索もパソコンのほうがはるかに楽だからスマートフォンの使い道がない。

 ところが最近になってスマートフォンとTwitterが非常に相性が良いことに気がついた。
Twitter140文字という文字制限があり、これならスマートフォンでも打ち込んでもイライラしないで済む。
しかも撮った写真を添付する機能があるので、短文+写真で情報提供できる。

 それにそもそも私がTwitterに乗り気でなかった最大の原因がスマートフォンを携帯しないことで、これではスマートフォンは機能の悪いパソコンとなんら変わりがない。
そうか、スマートフォンを携帯してそのときのイベント情報を発信すればいいのか」ようやく閃いた。

注)私は以前携帯電話を持っていたのだが、まったく携帯せず馬鹿馬鹿しいので止めてしまった経緯が有る。

 この5月の連休に私は山口県で萩往還250kmと言うレースに出場する。このあまりに長いレースを完走するために、ポイントポイントでツイートし、それをブログに掲載したURLで見てもらうことにした。
そうでもしない限り気持ちが途中でなえてリタイアしそうだからだ。

注)Twitterはこうしたイベントの時に使用するもので、普段の生活では使用する機会がない。ツイートする内容がないからだ。

 途中中継をすると見た人が応援してくれるので走る気力が維持できる。
よっしゃ、Twitterで萩往還を征服だ」気分が高揚してきた。
今後はスマートフォンをツイート専用で使用してみることに集中することにした。

注)なお、ブログに掲載されたURLでTwitterを見るためには、事前登録が必要です。画面を開くとIDとパスワードを要求されますが、まだ登録していない人はその下に画面をスクロールすると登録方法が出てきますので、そこから登録することになります。

 

 

 

 


 

 

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(23.4.18) 東日本大震災 液状化現象 浦安の苦悩

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 今回の東日本大震災では東北3県の津波の被害と福島原発事故があまりにインパクトが大きすぎてその他の被害が見過ごされてきたが、ここにきて千葉県の東京湾沿岸で発生した液状化現象に注目が集まってきている。

 地盤工業会の現地調査で東京湾岸の液状化発生現象は42平方キロにおよびこれは世界最大規模の液状化現象だと判明したからだ。

 東京湾の沿岸は元々は浅い海でそこを明治以降延々と埋め立ててきており、特に千葉県の浦安から幕張・稲毛にいたる土地は私の子供のころはまだ葦原だった。

 私の最も古い記憶の一つに稲毛浜で潮干狩りをした記憶があり、どこまでも続く遠浅の海に驚いたものである。
今はそこは完全に埋め立てられて瀟洒な住宅街に変わり、特に浦安や海浜幕張は絶好の住宅地としてもてはやされていた。

 私自身は海浜幕張の海に面したアパート群に憧れ、こうしたアパートの最上階の部屋からいつも海を眺めていられたらどんなに幸福かと思っていたものだ。

 しかし今回の東日本大震災により私があこがれていた海辺の街に液状化現象が発生し、地面から水と砂が噴出し、道路がでこぼこになり、家が傾き、電柱が倒れそうになり、上下水道が止まってしまったことに目を見張った。

 液状化現象そのものは内部に砂と水でかろうじて安定した地盤があり、それを上部の土が抑えているのだが、大地震の振動で砂と水の結合が崩れ、さらに上部の土に亀裂が入ってそこから水と砂が噴出して来る現象のようだ。

注)専門家の液状化の説明を読んでみたがさっぱり分からないので、上記のように私は理解した。

 元々遠浅の海でそこに沖合いの砂をパイプラインで水と一緒にばらいて土地にしていた映像をよく見ていたので、そうした場所が砂と水の地盤だということはよく分かる。
私としてはこうした場所に家を建てなかったことが僥倖にはなったのだが、一方で日本有数の住宅地といわれていた浦安は県議選の選挙ができないほど甚大な被害が発生した。

 不動産業界では今後埋立地の不動産価格が低下しそうだと予測しており、確かに直下型の大地震が来れば今以上の被害が出るのは確実だ。
そうなると三陸海岸で津波に襲われた場所と同様に、埋立地での住宅地建設の制限がされるかもしれない。

 しかし今回の液状化の被害の状況を見てみると、地盤対策をしっかり行っている駅や大規模な建物、ディズニーランド等には被害が発生せず、そうした措置を取っていなかった住宅地や道路に被害が集中している。

 そして何より驚いたのは浦安では上下水道、特に下水道がずたずたに切断されてしまって水道とトイレの使用ができない住宅が続出していることだ。
マンションそのものはしっかりとした地盤対策をしてあって崩壊するようなことがなくても、水とトイレが使えなければ都市生活はできない。

 埋立地の住宅街は区画整理も行き届き公園や道路も実に立派なすばらしいロケーションだが、液状化と言う災害にはめっぽう弱い
これは新潟地震、阪神・淡路大震災に続く3回目の大規模液状化現象で、適切な対策が立てられない限りさらに大規模な災害が発生することだけは確かだ。

 日本有数の住宅地といわれた浦安のもつ思わぬ弱点を今回の東日本大震災が教えてくれた。

注)通常はコンクリートの柱を何本も地中深くの安定した地盤まで打ち込み、その上に建物を建てるのだが、これを一般住宅で行うことは不可能だろう。

 

 

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(23.4.17) 東日本大震災 IMFのあまりに楽観的な日本経済予想 GDP成長率1.4%

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 この4月11日にIMFが発表した11年度日本経済の伸び率予想は、当初の1.6%から0.2%引き下げて1.4%になるという。これには驚いた。
この東日本題震災で復旧作業がおくれ福島第一原発の目処も立たない日本経済がまだ成長すると思っているのかい????」と言う驚きだ。

 IMFの日本経済の見方は「東日本大震災による不透明感は強く残るものの、マクロ経済に与える影響は比較的小さいだろう」と言うものだ。
しかしこの見方はあまりに楽観的過ぎるように思われる。

 たしかに今回被害があった東北3県の工業製品出荷額は日本全体の約5%で、数字だけから見たら大きくない。しかしここには世界有数の部品工場があって、特に自動車産業は日本国内だけでなく海外でも生産がストップしてしまった。

 また東北3県の津波や原発事故があまりに大きいため人々の目はそちらに集中しているが、実際は日本最大のコンビナート、鹿島臨海工業地帯茨城県)で壊滅的被害が発生している。

 鹿島コンビナートは鹿島港を中心に鉄鋼、石油化学、発電所等のプラント群が約160社あるが、その中でも住友金属工業、三菱化学、旭硝子、信越化学工業、クラレ、カネカ、花王、東京電力といった日本を代表する製造業の設備や共通インフラに大きなダメージを受けている。
各企業とも徐々に生産は回復してきているものの、そもそも港湾を中心とするインフラが崩壊しており生産しても出荷が思うようにできない。

 このような状況が続いているのにどうして日本経済のGDPが成長するといえるのだろうか。
元々日本経済は震災前から少子高齢化に伴う消費の低迷が続いており、GDPの約6割を占める消費に展望がまったく持てなかった。
さらに今回の大震災で旅行や宴会の自粛が続き旅行業界や飲食店は青息吐息だ。

 また輸出環境も地震と津波と原発事故の影響で東北地方を中心に低迷し、さらに日本製品についての風評被害で工業製品でさえ放射能検査の証明書の発行を求められている。
どう見ても輸出の低迷は免れない。そして輸入は原油を中心に増加しそうだ。

注)GDPにカウントされる輸出は純輸出でこれは輸出額から輸入額を差し引いた数字。

 企業の設備投資はかなり前から日本を諦めてヴェトナム、インドネシア、インド等に向かっており国内投資をする企業は奇特な企業とみなされている。
結局GDPの押上げを期待されているのは政府による復興特需だけだが、これはこれで資金調達問題でおお揉めだ。
すでに日本の財政は世界で最悪の財政状況になっており、一般会計予算の約半分を赤字国債で調達している。

 日本政府がなお赤字国債を発行できるのは世界経済の奇跡といえるが、からくりは財務省と日銀が金融機関に国債の割り当てを強制的に行って消化しているからだ。
金融機関としては利回りが1%を少しだけ上回るような国債など持ちたくもないが、もし当局の意向を無視すると、「てめえら、日本で商売したいなら逆らったらどうなるか分かるな、おい!!」なんて脅かされるので逆らうこともできない。

注)実際は金融庁の検査や日銀考査で長期間グダグダといびられて業務ができなくなる。

 しかしこのからくりも民間の金融機関に預金がある間だけで、1400兆円の個人預金もすでに1000兆円が公債消化に当てられている。
後がないのだ。
この状態で無理やりに国債消化をしようとすると、金融機関が購入できない分、最後は日銀に頼み込むより他に手がなくなってくる。
このさいだ、日銀券を印刷してばら撒」ということになって、これは日本の叩き売りになる。

注)第2次世界大戦の戦時国債は最後はこの方法で調達された。

 だから復興特需と言っても資金調達面に限界があるため、思うような経済の底上げはできない。最低限のインフラ整備と仮設住宅の建設、そして福島原発の処理あたりが実際にできることのすべてだろう。

 消費はだめ、輸出もだめ、設備投資もだめ、政府支出も限界がある中でどうしてGDPが増加するのだろうか。IMFの予想は不思議なほど楽観的過ぎるように思われ、11年度は実際はマイナス成長だと私は思っている。 

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(23.4.16) 東日本大震災 原発ルネッサンスの終焉

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 12日、原子力安全・保安院福島原発1~3号機の事故を国際評価尺度レベル7に相当すると、今までのレベル5の評価を大幅に引き上げた。

 レベル7は過去最悪の原発事故チェルノブイリに匹敵し、これで福島原発事故が人類史上最悪の原発事故の一つと認定されたことになる。
原子力安全・保安院がそのような評価をした判断基準は「レベル7は数万テラベクレル以上の放射性物質が外部に放出がされた場合」となっており、今回の福島第一原発の事故で37万~63万テラベクレルの放射性物質が外部に放出されたと推定されたためだ。

 しかしこの発表には世界中が腰を抜かさんばかり驚いてしまった。
一番驚いたのがIAEA(国際原子力機関)で、日本政府の発表は大げさすぎていて、チェルノブイリと福島原発事故との間には以下のような相違があると強調した。
① 福島では原子炉圧力容器が爆発していない
② 福島の放射性物質の外部放出量は37万テラベクレルで、これはチェルノブイリの10分の1程度

だから福島原発事故をチェルノブイリと同等とみなす必要はない」とフローリー事務次長はレベル7になったことに過剰な反応をしないように釘を刺した。
なぜIAEAが日本の発表にナーバスになったのかというと、IAEAが世界の原発推進の実質的旗振り役だからだ。

 IAEAは原子力の安全と推進を図るための2面性を持った組織だが、安全と推進には矛盾があり、実際は推進役を買って出ていたのが実情だ。
これには特にEUの原子力政策との絡みがあり、EUの強い後押しが有る。
そしてなぜEUが二酸化炭素削減のための国連気候変動枠組み条約COP16)に熱心かの裏の理由とも一致する。

 EU特にフランスは嫌がるドイツの尻をたたいて、化石燃料に変わる次世代の燃料として原子力の推進を行ってきた。すでにフランスは電力供給量の80%を原子力発電から得ている。
この原子力発電の優位性をもとに二酸化炭素削減条約を締結し、世界の化石燃料大国のアメリカと中国からペナルティーをとる政策を進めてきていた。
原子力は安全でそしてクリーンだ」と言うのがキャッチフレーズでその罠にはまって、鳩山前総理は二酸化炭素の排出量の25%削減を公約している。

注)このあたりの実情は「地球温暖化対策」の記事を参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat30862488/index.html

 しかしそのEUの戦略が今回の福島原発事故で根底から覆っている。あわてたサルコジ大統領は日本に飛んできて菅総理の尻をたたいて「早く収束しろ」と言ったものの、実際にフランスができることは汚染水処理の専門家を日本に派遣することぐらいだ。

注)アメリカのように軍隊を日本に展開していないので実質的な支援ができない。

 21世紀は原発ルネッサンスの時代だとばかりに原子力発電を推進してきたEU特にフランス、原子炉の販売に熱心なロシア、化石燃料ばかりで燃料効率が極端に悪い中国が原子力発電推進の三羽烏だが、今回の福島原発事故で弱りきってしまった。
早く汚染水の排出を止めて収束させろ。そうでないと世界中の環境保護団体が騒ぎ出して原発を作れないじゃないか
だが福島原発事故の収拾はいつになるかわからない。ますます原発反対運動は燃え上がりそうだ。

注)ドイツは元々原子力発電の推進に消極的であり、特に緑の党が大反対している。アメリカも原発大国だがここにはシェールガスと言う切り札があって、原発に頼らなくてもエネルギーを確保できる。

 これでは現在建設中の65基、2030年までに建設予定の約450基の建設計画は今後見直され、さらに30年以上たった老朽化した原子力発電所は退役を余儀なくされるだろう。
そして新規に原子力発電所を建設することはコスト的(今回の福島原発事故を見て一層の地震対策や津波対策が必要になる)にも政治的にも建設が難しくなりそうだ。

注)原発推進に乗り出していたアセアン諸国が原発計画の見直しを決定し、日本、中国、アメリカ、ドイツ等が安全性の再検討に入っている

 こうしてフランスが中心になってEUが推進してきた原子力発電による二酸化炭素排出量削減政策は福島原発事故によって終焉してしまった。
原発ルネッサンスの時代が終わったのである。

注)今後の二酸化炭素削減方法は日本がそうであるように電力使用の削減による経済活動の収縮によって実現される可能性が高い。


 

 

 

 

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(23.4.15) 東日本大震災 新たな差別 福島原発難民

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 14日の毎日新聞の記事に「原発事故で被曝を恐れ福島県から避難してきた子供が(避難先の子供達から)放射能が怖いと偏見を持たれるケース」が発生し、船橋市教育委員会から校長に「配慮するよう異例の通達」が出されたとの記事が掲載された。

 偏見を持たれた児童は南相馬市から避難してきた小学校5年と1年の児童で、市内の公園で遊んでいたら福島弁での会話を聞いた子供達から「どこから来たの?」と問われ、「福島から」と答えると、周りにいた子供が「放射線がうつ」「わー」と叫び声を上げて逃げて行ったのだという。
この二人の子供は泣きながら自宅に戻り、両親は「嫌がる子供を我慢させてまで千葉にいる必要はない」と判断し、福島市にふたたび避難したという。

 実際に世の中には風評被害が蔓延しており、福島の農産物と言うだけでスーパーではほとんど売れないし、また福島から来たというと病院での受診でさえ被曝線量を調べるスクリーニング検査の証明書の提出を求められているくらいだから、この船橋市の子供達がとった態度を一概に非難できない。

 しかしこうした偏見が理不尽なことは確かで、それにもかかわらずその偏見を是正させるのは相当の努力が必要だ。
なぜなら放射線の被曝を怖がるのは、ほとんど人間の本能に根ざすものであり合理的判断に基づくものではないからだ

 たとえば農産物についてはこのまま浴び続けると1年間に1シーベルトになる場合は出荷制限を受けているが、1シーベルトは日本人の年間の自然被曝量に等しいほどの微量の値だ。

 私などは65歳になろうとしているのだからすでに65シーベルトの被曝は受けており、CTスキャンやレントゲン検査も毎年受けているのだから、最低でも100シーベルト程度は被曝している。
さらにすでに癌年齢になっており、もし出荷制限の野菜を1年間食べ続けると10年後に癌になる確率が0.5%増加するといわれても「それが何なの」と言う年齢だ。

 だから本来は福島の野菜だろうが茨城の野菜だろうがいくら食べても問題はないのに、実際にスーパーで購入する時は福島産や茨城産の野菜は避けている。
人間にはどうしようもない本能の部分があり、特に生物種の保全にとって危険と思われることは直感的に避けてしまう傾向がある。

注)このあたりの分析は梅爺さんのブログ「梅爺閑話」に「情」と「理」の相克という内容で詳細な分析がされている。このブログは人間精神の奥に潜む「情」についての分析が秀逸だ。

 この怖いという感情を抑えるためには理性による冷静な分析と、それを自身に言い聞かせて最後はボランティア精神と言うような強い情念で押し切らなくてはならない。

 最近JAが都内で、出荷制限がされていない福島県産の野菜を格安な料金で販売し、それを消費者が「やはり福島県の人たちを支援しなくては」といいながら購入していたが、購入者には理性とボランティア精神の両方が必要なことが分かる

 船橋市の子供の例で見るように、子供たちが自らの知恵で理性的に振舞ったり、ボランティア精神を発露して福島県の児童を受け入れる態度を示すことを期待することはできない。
一般的に子供は本能のままに振る舞い放射能が怖い」と言って逃げ出すほうが普通だ。

 こうしたときには親が自分の子供達に「理性的に振る舞い、日本人同士で助け合う必要がある」ことをじゅんじゅんと諭すのが一番だ。
だが親とても理性的に振舞うには非常に強い精神力が必要で、ややもすると「やはり福島の子とは遊ばないほうがいいわよ」と言ってしまいそうだ。

 何度も言うが人間には本能に基づく恐怖心があり、これを克服するのは並大抵のことではない。
教育委員会の通達一つで収まるようなものでないことは確かだが、放っておくと日本に新たな言われない差別が発生してしまう。

 はたして日本人は「」に基づく恐怖心を克服して、「」に基づく福島原発難民への偏見の克服ができるだろうか。
そうあってほしいが、この問題は福島第一原発の事故処理と同じ程度に重大問題で、「新たな偏見」を生まないために日本人全体にかせられた精神的試練といえる。

 

 

 

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(23.4.14) 千葉明徳学園の努力 がんばれ明徳

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 私の住んでいるおゆみ野の街の、京成学園前駅の線路を挟んだ向う側に千葉明徳学園がある。短大・高校・中学・幼稚園を併設しておりおゆみ野から蘇我方面に延びている4斜線の大通りから良くこの学校のグランドが見える。

 私はここ千葉県の高校の事情についてはほとんど知らない。私自身は東京の出身で千葉とは無縁だし、勤めてからは全国を歩き回りほぼ20年前にこの千葉のおゆみ野に越してきたのだが、そのときは学校とは一切無縁な立場になっていた。

 だからこの京成電鉄を挟んだ向こう側の高台に明徳学園があることは知っていたが、そこにどうやらスポーツが盛んな高校があるらしいと言うくらいの感度だった。

 この明徳学園と最近急に親密になってきたのは、おゆみ野の森の活動に明徳短大の生徒が参加してくれたり、四季の道駅伝のサポート要員として明徳高校野球部員が参加してくれる様になってきたからである。

 明徳短大は幼稚園の先生を養成している短大で、おゆみ野の森に参加してくれた短大生はとても明るい子供好きの学生だった。
また明徳高校の野球部員はスポーツ部員特有の礼儀正しい学生でありとても好感が持てた。

 さらに私は明徳学園の事務長たぶん)のMさんとヒョンなことから親しくなった。Mさんは通勤に四季の道を通って学園に通っているのだが、春の道公園のベンチで必ずタバコを一服してから学園に向かう癖がある。
実は私もこの場所で小太郎姉さんの愛犬、小太郎に餌をやる習慣があるのでほぼ毎日のように顔をあわせることになった。

山崎さん、学園のサクラも綺麗ですから見に来ませんかMさんに誘われた。
先日(12日)喜んでこの明徳学園を訪問してみた。Mさんが学園を案内してくれたのだが、意外なことに表敬で挨拶をした理事長の福中さんとは四季の道でときどき顔をあわせる知り合いだった。
私は四季の道ではだれかれとなく気安く挨拶しているので顔見知りが多い。

 福中さんも途中から私を案内してくださったのだが、福中さんは学園の土手の笹を自ら刈りとっており、太陽光線をいっぱいに浴びて金ラン銀ランが春先に出てくるのをことの他喜ばれていた。
草刈機で駆ると先がとがって幼稚園生がいて危ないので、私が刈りバサミで切っているのですよ。今年は40株程度金ランや銀ランがでそうです

 学園のサクラやケヤキも良く手入れがされており、Mさんによると理事長の福中さんから「枝の剪定一つ一つ注意深い指示がある」のだという。
特に樹木については、気にしてそれを保護しようと言う人がいないとたちまちのうちに荒れてしまうから、この学園の植栽の美しさは理事長の努力の賜物と言うことになる。

 私もおゆみ野の森で草刈をしたり、四季の道ケヤキの剪定で自称樹木医をしているから、福中さんと私は同好の士だ。

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 帰りがけにMさんから学園の高等学校中学校のパンフレットをいただいたので読んでみたが、私の今までの印象とまったく異なっているのには驚いた。
私は明徳高校はスポーツ中心の勉強についてはあまり考慮をしない学校だと思っていた。
しかしそれはまったくの誤解なのだ。

 高等学校は4つのクラス分けになっており、特別進学コースと言うクラスでは徹底的な補修授業が行われ、国内の有名大学への進学が着々と成果を挙げていた。
Mさんによると「ここ数年若い指導意欲の有る先生を集めて大学進学の実績を上げているのです」と言うことのようだった。

 またスポーツ科学コースでは野球、サッカー、チアリーディングの活躍が目立っており、野球は甲子園を狙える所まで行っており、またチアリーディングの世界では高校でも屈指の位置に有ると言う。
勉強もスポーツもか、いやー、なかなかやるじゃないか」感心した。

 このことを清掃仲間の小太郎姉さんに話したら「今は少子化が進んで、単に県立高校を落ちた生徒を集めるような消極的な経営では経営が成り立たないの。
積極的に優秀な生徒を集めて大学受験で好成績を残したり、スポーツで全国レベルにならないと難しいの。先生も成績が悪いと首を切られるし、明徳高校も一生懸命なのよ
」と教えてくれた。

 こうした私立の生き残りをかけた懸命な努力がなされている様を始めて知った。
そうか、私立高校はこうして懸命に努力しているんだ

 明徳高校は今は進学校とは言いがたいが、努力の成果は着実に出ており近い将来にかなりな地位を占めることができそうな予感がする。
株で言えば成長株だ。
理事長さんとも事務長さんとも友達だし、おゆみ野の住民としておおいに明徳高校を応援して行く気持ちになってしまった。

 

 

 

 

 

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(23.4.13) 萩往還250kmは開催される

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 この東日本大震災が起こってから後のマラソン大会はことごとく中止になっていた。毎年参加している佐倉マラソン霞ヶ浦マラソンも中止になり、また千葉県一周房総マラソンも中止になり、「こりゃ、萩往還も中止かな」と思っていたところに参加案内が届いた。
いやー、萩往還は競技を実施するんだ」少し意外な気がした。

 しかし考えてみれば萩往還は山口県での開催だから、東日本大震災も福島原発事故も無関係だし、日本中が謹慎していては東北のお酒を飲む人がいなくなってさらに東北の経済が疲弊してしまう。

 だから開催そのものはとてもうれしかったが、問題はこの競技に備えての練習を十分にすることができなかったことに有る。
3月11日以来、すっかり地震と津波と原発事故と母親の看病に身も心もとらわれてしまい、練習どころではなくなっていた。

 萩往還3連覇のスポーツドクター小野木先生によると、「3月中に500km程度の走り込みが必要だ」と言う。ところがこの間私は200km程度しか走っていない。
まずかったな、萩往還も中止になると思ってすっかりだれてしまった」後悔したが後の祭りだ。

 この競技は山口県の山口市をスタートしてほぼ時計回りに日本海まででて、最後に萩と山口を結ぶ古道「萩往還道」を通ってふたたび山口市に戻る競技である。
競技は連休中に開催され、距離は250km、制限時間はちょうど2日間である

 この種の競技に参加したことのない人はまったく競技のイメージがわかないと思うが、走る速度は決して早くない。平均時速5.2kmで走れば48時間で到着する。5.2kmなんて歩く早さより少し早い程度だ。

 しかし問題は2日間、休むことなく走るか歩くかしていないとゴールに到着できないことで、これがかなり難しい。途中の170km程度の場所に宗頭文化センターと言う所があり、ここで仮眠が取れるようになっている。
完走できる人とそうでない人との差はここでつき、完走者は1時間から2時間程度の休息で再び走り出す。
一方リタイアする人はここで4~5時間程度の休息を取っているうちにすっかり気力がなえてしまう。
もう、こんな馬鹿げたことをするのは止めよう。第一身体を痛めて走ることに何の意味があるのだろうか」やめる理由はたちどころに浮かぶ。

 実は私は過去3回もこの萩往還250kmに挑戦し、この宗頭で寝込んでリタイアしている。
完走するには寝ることなくただひたすら身体を動かし続けることが必要だ。
今度こそは、絶対に絶対に何があっても2日間寝ないぞ!!!」心に言い聞かせている。

 先日長距離走を私が好んで走ることについて、おゆみ野の森の仲間のジュンジュン姉さんが「何でそんな無理な(馬鹿げた)ことをするのですか」と聞いてきた。
そのときは笑って答えなかったが、「たぶん男を上げるため」だと思う。

 65歳にもなる人間が「男を上げるために走る」なんて滑稽だが、それ以外の理由が見つからない。
山崎さんはいつまでたっても男ですね。男の中の男だ」そういわれるのがなんとも嬉しい。

 三浦雄一郎氏間寛平氏高倉健氏の気持ちと同じで、「俺はまだ男だ」と思えるときが生きている証なのだ。

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(23.4.12) 東日本大震災 浦安市長と県選挙管理委員会の泥仕合

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 統一地方選の前半、とうとう千葉県浦安市では定員2名の県議会議員選挙が実施できず、前代未聞の事態になってしまった。

 ことの起こりは松崎浦安市長4月10日の投開票日の県議選にさいし、「市内の上下水道が破壊され断水が続いており」また「液状化被害が投票所である体育館に及んで有権者の安全が確保できない」との理由で、県議選の延長を申し出たのに対し、県選挙管理委員会がそれを認めなかったことに始まる。

 この措置に対し市の復旧対策で目一杯の対応を強いられていた松崎市長が切れてしまった。
くそ、この緊急時に選挙なんてやってられるか。宮城でも岩手でも福島でも選挙が延期になったのに、浦安だって同じじゃないか。
なら市が県選管のためにやってやっているポスター掲示板の設置も、入場整理券の発送もしてやらん


 これには県選管がびっくりして、片山総務相に泣きついた。
大臣、何とかしてください。浦安市長が切れております
片山総務相から市長に「地方自治法に基づき適正に投開票事務を執行するよう」勧告が行われたが、切れた松崎市長は聞く耳を持たない。

うるせい、こうなったら矢でも鉄砲でももってこい。選挙事務に市職員は一兵たりともおくらん。文句があったら地方自治法違反で訴えたらいい。こっちだって覚悟がある
てんやわんやの大騒ぎになってしまった。

 考えてみれば浦安市のことを考慮して県選管も浦安選挙区の選挙の延長を認めておけばこうまでもめることはなかった。
実際にこの選挙区は5月に再選挙をすることになりそうだから、実質的に延長したも同然だ。

 県選管が松崎市長の要請を受け入れなかったのは、一部だけ選挙を延長するような前例がなかったからだが、結果的に前例ができてしまった。
松崎市長の完勝である

 しかし松崎市長も大人気ない対応だといえる。
この県議選の2週間後市議選が行われるのだが、こちらはポスター掲示板の設置も入場整理券の発送できるという。
また液状化被害で有権者の安全が確保できなかった体育館はすっかり安全が確保でき、忙しくてとても選挙事務などできなかった市職員も急に事務ができるほど暇になるのだそうだ。

 これには県選管が切れて「たった2週間の違いで、こんなに劇的に復旧が進み、市職員が暇になるとは信じられない」と皮肉ったがそういいたくなるだろう。

 この松崎市長と県選管の争いはどっちもどっちだ。
当初県選管が松崎市長の要請を特別な措置として認めておけばこうまでもめることはなかったし、一方で松崎市長がその後に取った対応は子供じみていて嘲笑ものだ。

 東日本大震災はここ浦安市で世紀のお笑い番組を提供してしまった。

 

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(23.4.11) 東日本大震災 避難生活はどうなるのだろうか? 福島原発難民

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 避難所で暮らしている被災者の数が徐々に減少している。4月9日現在で約15万人になっており、一頃は30万人程度いたのだから大幅な減少だ。
現在は被害の大きかった宮城に約6万人、岩手に約5万人、福島に約3万人で、この3県以外で最も多くの被災者を受け入れているのは新潟県で約1万人である。

 避難所で暮らしている被災者の数が毎日減少しているのは仮設住宅の建設が進んだり、公営住宅への入居が進んでいたり、親類縁者を頼って故郷を離れたり、かろうじて残った住居に戻ったりしているからだろう。
やはり体育館や公民館で集団でいつまでも暮らすのには限界がある。

 映像で見ていても分かるが間仕切りがないとプライバシーなどはまったく守ることができない。男性の場合は裸になってもそれほど問題がないが、女性が満座の中で裸になることなどはできない。

 また夜になると特に年よりはいびきがうるさい。これはいたし方がない生理現象だが神経質な人にとってはたまらない苦痛だろう。
それに年よりはおならを良くするのだが、こうした場所では近所迷惑もはなはだしい。

 また幼児の夜泣きは家族でさえ苦痛なのだから、そばで寝ている人から「うるさい、外で泣け」など言われたら、母親は夜も眠ることができない。
それでも健康な人は耐えられるが病弱な人はこうした場所で生き続けるのは難しい。
あれやこれやで体育館等での避難生活には限界がある。

 一方で政府も県も懸命に仮設住宅の建設を進めているが、仮設住宅を建設する場所は高台にある学校の校庭等場所が限られる。特に岩手から宮城に渡る三陸海岸は元々平坦地が少なく、平坦な場所は津波の被害で瓦礫の山となっており仮設住宅など建設できない。

 国や県は致し方なく他県に集団で移り住むことを提案しても、ほとんどの住民は故郷を離れたがらない。とくに老人はコミュニティーが壊れると生存そのものが脅かされるので、他県など真っ平だと思っている。

 そうした中で福島原発の30km圏内の避難者だけは特別な動きをしている。他の津波や地震の被害についてはすでに確定しているのに対し、福島第一原発については今後どのように推移するか分からないからだ。

 近くの市町村に避難しいても、「放射能レベルが上がったので、さらに遠くに避難しろ」なんていわれかねないから、最初から福島圏内を避けて新潟県に避難している人が多い。
隣の宮城や茨城は同じように震災被害にあってとても福島県の原発避難者の面倒は見切れないので、そうした被害がない新潟に避難先が集中した。

 幸いに新潟県は過去に何回も大規模な地震災害に見舞われ、県や市町村レベルでの地震災害対策が最も進んでいる県だ。
非常用物資の手当ても十分だし、災害が発生した場合のマニュアルも良く整備されており実地訓練も十分になされている。
日本の中でも最も地震対策が進んでいる県の一つで、福島県からの原発難民も実に手際よく受け入れていた。

 福島県の人にとって隣県にこうした地震対策が非常に上手な新潟県があったことは不幸中の幸いだったといえる。
もし新潟県がこうした災害対策が不十分な県だったら、さらに遠くの府県にちりじりに再避難をせざる得なかったはずだ。

 大災害が発生すると普段の心がけの違いが如実に出てしまう。福島原発30km圏内の住民にとって、この場所に住むことができなくなることは想定外だったが、新潟県にとっては大地震の後の避難民対策は想定内だったことになる。

 しかし福島原発周辺の避難者にとっては、これからが本番になるところがつらい。新潟の避難所はいづれでなくてはならない。一方福島第一原発の事故処理はまったく展望が見えておらず、いつになったら解決するのか誰にも分からない。

 また原発からの放射能漏れが完全に防げる体制ができたとしても、今まで地表に降り注いだ放射性セシウムの除去作業と言う厄介な問題が残っている。
スリーマイルの例では原発の安全性が完全に保障されるまで10年の歳月を要している。
またチェルノブイリでは25年経った今でも30km圏は立ち入り禁止だ。

 今後ともこの福島原発被災者にとってはつらい流浪の旅が残ってしまった。

 

 

 

 

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(23.4.10) 東日本大震災 茨城空港の苦悩 飛行機が飛ばない

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 世の中の皮肉の中で、この茨城空港を襲った大震災ほどひどい皮肉はない。
東日本大震災が発生した3月11日はくしくも茨城空港の開港一周年の記念日だった。
会場の茨城空港は当時セレモニーのために華やかな雰囲気だったが、実際に起こったことは大地震で天井と照明が崩れ落ち大騒ぎになったことだった。その模様が、当日のNHKのテレビで映し出されて私も見ている。

 その後は宮城、岩手、福島を襲った大津波や、福島第一原発事故のニュースが日本だけでなく世界を駆け巡っていたため、この茨城空港のことはすっかり忘れていた。
しかし最近になって茨城空港が東電と同様に存続そのものが危ぶまれるほどの危機に陥っていることを、「独居Q翁つぶやき」と言うQ翁さんのブログを見て知った。

 もともと茨城空港はどこの航空会社からも相手にされず、知事が韓国のアシアナ航空に泣きをいれてやっとのことで一日1便を確保して開港した経緯がある。
その後はスカイマークが新千歳、中部、神戸に毎日1便運行し、中国の格安航空会社春秋航空が週2便の運行をしていた。

どうだ、飛行機がまったく飛ばない飛行場などと揶揄するやつがいたが、毎日飛行機が飛んでるじゃないか」茨城県知事は得意満面だったが、この東日本大震災で本当に飛行機が飛ばなくなってしまった。

 頼みのアシアナ航空は福島原発の放射能被害を恐れて6月末まで運休を決めており、その後の運行は福島原発の収束の経緯いかんにかかっている。
スカイマークは震災後も運行していたが、3月30日から4月3日まですべての飛行機の運航を取りやめて、機体の放射能の被曝調査をしている。
なにしろ、被曝していないことを証明しないとお客さんが乗ってくれないのです」と言うことらしい。

 中国の春秋航空は震災後運航を取りやめていたが、この4月1日から週2便の運行を再開した。
このため茨城空港は被災後の3月12日、13日と3月30日はこの飛行場を使用する飛行機が一機もなくなっていた。

 茨城空港は県がターミナルビルやエプロン等を運営をしているが、今後この茨城空港の運営費が県財政に重くのしかかることは間違いない。

注)茨城空港建設の総事業費は540億円で、本体の費用が250億円。他の空港建設に比較して相対的に安く済んだのは、元々ここが自衛隊の百里基地だったからである。
ここに滑走路を1本増設し、さらにターミナル等を建設して官民両用空港として開設した。

 当初は81万人の利用客予想で収支をはじいたがあまりの過大計画に県知事も恥ずかしくなって、開港当初は20万人に引き下げ赤字覚悟の出発になった。しかしこの20万人も確保が難しい状況になっている。

 韓国からの観光客は放射能被害を恐れて激減し、とくに福島原発に近い茨城空港は最も危険な航空と思われている。
スカイマークは就航したものの札幌便だけが黒字で名古屋便と神戸便は大赤字なものだから、これを機会に名古屋便をやめてしまった(その代わり札幌便を1便増やした)。

 春秋航空は4月1日から運行を再開したものの、どの程度の利用率になるかは予測不可能になっている。なにしろ空の玄関の成田空港でさえ外国人旅行客の数は震災前の半分から3分の1に激減しているのだから、福島原発に近い茨城空港の実情は推して知るべしだ。

 元々地方自治体が管理運営する地方空港は地方の見栄だけで作っている。ありもしない搭乗率予想をでっち上げ、実際に利用者がいない場合は航空会社に対する搭乗率保障空港使用料の引下げ等で何とか飛行機を飛んでもらっているのが実情だ。
お願いです。飛行機が飛ばないと誰も飛行場と思ってくれません。県の費用で保障しますから飛ぶ姿だけは見せてください

 しかし茨城空港はそれもはかない夢に終わりそうだ。福島第一原発の事故は想定外だが、もともと無理と無駄な飛行場を建設したのだからこの大震災で実情があらわになっただけだ。

 1990年ごろまでは日本は世界一の金持ち国だったが、その後の20年間の無駄な公共投資で疲弊してしまい、今東日本大震災で完膚なきまでに叩きのめされてしまった。
もう無駄な浪費はやめて、つつましく生きよう。見栄と繁栄の時代は終わった」そうした意識の変革が今の日本人に必要だと私は思っているが、なおGDP神話にとらわれている人も多い。

 なお、地方空港についての問題点を分析した記事は以下の通り。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat39217886/index.html

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(23.4.9) 東日本大震災 悪魔の循環に陥った東京電力 高濃度汚染水問題

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 東京電力の福島第一原発の事故処理を見ていると、東電は悪魔の循環に陥っているのではないかと思ってしまう。
目先の大問題を解決しようとあせればあせるほど、次の大問題が発生していつまでたっても悪循環から抜けられない。

 当初は建屋の水素爆発と2号機の格納容器の破損問題で、続いて3号機のプルトニウム燃料の冷却問題だと思っていたら、今度は2号機からもれる高濃度汚染水の保管問題になっている。

 その間東電の経営は日増しに厳しくなり、政府からは国家管理にして発電部門送電部門を分離して再建するという案が出ている。
この案のポイントは福島第一原発のような不良資産を切り離し、残った健全な部門だけで経営再建を果たそうというもので、その場合でも厳しい発電部門と問題のない送電部門を切り離す必要があるというものだ。

 市場の見方はさらに厳しく、株価上場以来の最安値を記録し、社債約2割程度も値を下げてしまった。新規に社債を発行しようとすればかつては国債並のレートが今では国債より2%以上うわずみしなければ販売ができない。

 そして福島第一原発の高レベル放射性汚染水の問題は一体いつになったら解決するのか目処もたたない。
2号機建屋内部にたまっている高濃度汚染水を建屋の外の集中環境施設に移そうとしているが、そのために行った集中環境施設にたまっていた低濃度汚染水の海へ流失が、こんどは国際問題になってしまった。

「世界の海を汚すな」と厳重抗議してきたのは韓国だが、ここ三陸沖が韓国漁船の漁場であり、公海は世界の共通資源だからだ。
今後汚染水がさらに広がれば韓国だけでなくロシア、中国、台湾、アメリカ等からも厳重抗議や賠償問題が発生する可能性が高い。

内憂外患とはこのことをいうのだろう。
どうすりゃいいんだ。何を最初に片付ければいいんだ」あまりに課題が多すぎて社長ならずとも病気になってしまいそうだ。

 汚染水問題では茨城県沖のコウナゴから放射性物質が基準値を上回って検出されて茨城県の漁協は大騒ぎだ。
今は茨城県沖だけだが、次々と福島県・岩手県・千葉県の漁場が風評被害で操業できなくなることは目に見えている。

 しかし東電はそれどころではなく、現在有る高濃度汚染水を集中環境施設に閉じ込め、次に2号機からもれ続けている高濃度汚染水の処理を考えなくてはいけない。
本来ならばもれている場所を塞ぐ処理をしたいのだが、放射線の値が高すぎてとてもそのような措置は取れない

 仕方なく永続的に水を注入し、それが高濃度汚染水としてふたたび流失し、その汚染水を次々にタンクを建設して溜め込まなくてはならない。
福島第一原発はなにか石油コンビナートのタンク群みたいになってきた。

 そしてこれをいつまで続けるかというと燃料棒が冷却して安定するまでで、スリーマイルの事故の事例では約10年に及ぶ。
10年間、流出する汚染水をためるタンクを建設し続けるのかい」気の遠くなるような話だ。

 一度悪魔の循環に入り込むと、二度とそこから這い上がることは難しい。
日本の超優良企業だった東電が原発事故でのた打ちまわり回復できない現状は、日本の失われた20年とまったく同じ悪魔の循環に陥った姿といえる

 

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(23.4.8) 東日本大震災 復興財源はいかに調達するか それをやっちゃおしめいよ 国債の日銀引き受け

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 東日本大震災の復興のための第一次補正予算案の検討が政府部内でされている。
今回の被災はあまりに大きくその復興費用もどの程度になるか暗中模索だが、今回は当座のがれき撤去仮設住宅建設、その他緊急性の高いインフラ整備のための予算措置として約3兆円を越える規模になるという。

 しかしこの財源措置は並大抵のことではない。
日本の財政はすでにかなり前から世界最悪といわれており、実際に一般会計予算の半分は赤字国債による調達になっている。
政府は第一次補正予算については、財政のこれ以上の悪化を避けるため、もっぱら埋蔵金の捻出ばら撒き予算の組み換えで対応しようとしている。

 増税は緊急的対応としては時間がかかってできないし、赤字国債の発行は野党が反対する。
仕方がないからすぐに利用できる資金を利用すると判断したのだろう。

 だから当面はようやく見つけた埋蔵金(鉄道建設・運輸施設整備支援機構の埋蔵金2.5兆円)を当てることができても、全体で10兆円は越えると見られる更なる支出には増税か赤字国債の発行、あるいは両者の組み合わせしか対応策はない。
民主党の特別立法チーム復旧復興対策基本法案をまとめて発表したが、その骨子は復興税と震災国債の発行だった。

 財政規律と言う面からは復興税(消費税)による国民の協力を得るのが一番だが、一方で増税は日本経済を収縮させ法人税所得税を減少させる。
かつて橋本内閣が消費税をアップした時は、景気が低迷し確かに消費税は増えるのだが法人税と所得税が減って結果的に国庫全体の収入が減少してしまった。

 現状の経済状況の悪化をさらに悪化させられないと判断すれば、仕方なく赤字国債の発行を今回も行うことになる。
しかしその方法として赤字国債の日銀引き受けが取りざたされているが、これは日本経済が脳死する道につながる。

 確かに国債消化には市中金融機関に購入してもらう方法と、日銀に購入してもらう方法がある。
一見どちらでも同じように見えるが、実際はまったく違う。

 前者は国内に有る国民の預金で国債を購入するもので、国債の直接的な購入者は金融機関だが実質的には国民が購入したことと変わりが無い。
一方後者の日銀引き受けは日銀が国債を担保に政府の当座預金に金を振り込むので、これは実質的には日銀券の増刷と同じになる。

 特別立法チームは「緊急時だから日銀引き受けをしろ」と言っているがこれは「ただ札を刷れ」と言っているのだ。
これがどのような結果をもたらすかは世界にいくらでも事例がある。

 最近の事例ではエリツィン時代のロシアと同じで、エリツィンの地方への遊説は実際は印刷した紙幣を飛行機いっぱいに詰め込んでの地方公務員への紙幣のバラまきだった。
紙幣はいくらでも印刷できるぞ。みんな喜べ。ヒツジのごとく紙を食え
エリツィンは得意満面だったがロシア国民はルーブル紙幣を即座にドルにかえてドル紙幣を保有していた。
そうしないと翌日にはルーブル紙幣の価値はほぼ半減していたからである。

 日本においての事例は戦後のハイパーインフレで、これは主として戦時中の赤字国債日銀が引き受けたことに原因がある。
戦争中は国家統制で物価を抑え(したがって価格は安定したが物は闇市場に流れた)ていたが、戦後そのタガが外れると約100~200倍のハイパーインフレーションが発生した。

 戦前の資産家や特に国債を保有していた人々はすぐさま困窮化し、闇市でヤクザまがいの商売をしている人とドルに資産を移し変えることができた人だけがこのインフレの猛威を避けることができた。

 特別立法チームの赤字国債の日銀引き受け案はさすがに財政金融の主管部署である野田財務相、与謝野経済財政担当相、日銀が大反対している。
しかし問題は菅総理が典型的な経済音痴で、さらにイラ菅と揶揄されるほどヒステリー体質を持っていることだ。
バカヤロー、原発被害が補償されなくていいのか、何でもいいから金を配れ!!!」

 今回の震災関連の赤字国債でもし日銀引き受けが実行されるようなことがあれば、早晩日本はハイパーインフレーションに襲われる。
そして円で預金をもっていた人や、年金生活者は塗炭の苦しみに遭遇し、日本国債を保有している金融機関は次々に倒産すると予測しておくのが良い。

 国民は自己防衛に走らざる得ず、エリツィン時代のロシア人の様に円をすぐさまドルに換えようとするが、ぐずぐずしていると外為市場の閉鎖や、預金口座の閉鎖を矢継ぎ早に政府が行いそうだ。
そうなる前に資産を海外に移転できるかどうかが、日本国民が生き残れるかどうかのサバイバル競争になるのだから日本と言う国家が消えたのも同然だ。

 こうして国債の日銀引き受けが行われれば日本経済は脳死する。
「それをやっちゃおしめいよ 国債の日銀引き受け」なのだ



 

 

 

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(23.4.7) 東日本大震災 裸足の僧侶の心深き読経

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 思わず涙が出て目頭を押さえてしまった。いつものように朝、NHKの東日本震災と福島原発事故のニュースを見ていたときに、信じられないような感動的映像が目に入ったからだ。

 岩手県山田町の津波の洗われた被災現場を、一人の若い僧侶が素足に布製のわらじだけで被災地を回り読経をしながら死者を弔っているのだ。
粉雪が舞い、おそらくは氷点下に近いこの地で、薄い僧装束と素足同然の姿で死者を弔うその姿には、仏教がもっていた本来の仏の教えと言うものの真実の姿を見た思いがした。

 紐が足に食い込み血が流れていたが「被災者のことを思えばこの程度のことは・・・」と小原氏(正確な名前は分からなかった)と称するその僧侶は述べていた。
瓦礫の前で僧侶の読経にあわせ手を合わせていた婦人が、「誰もお経を唱えてもらえないまま死んだ人がいるので、本当にありがたいことだ」と言っていたが私も素直にそう思う。

 瓦礫に向かい、海に向かいただひたすら読経をし、自ら眠るところはテントに泊まっていたが、本人の寺も崩壊したか流されたかしていたらしい。
しかし寺がなくても信仰はその人本人に宿ることをこの僧侶は教えてくれる。

 私のように普段は信仰心がまったくない人間でも、この僧侶が示している高い精神性は理解できる。
思わず姿勢をただし、私はこの僧侶の映像に向かい手を合わせた。

 普段多くの日本人は宗教に無関心で、特に仏教は「葬式仏教」と言われるぐらい揶揄され、葬儀に支払うお布施と墓の手当てだけが重要問題になっている。
しかしこの地で仏の祈りをしているこの若い僧侶はそうした打算とはまったく無関係な世界で、ひたすら死者の魂を弔ってくれているのだ。

 この姿は遠い昔、鴨長明方丈記で記載した飢饉のあとの仁和寺の僧侶隆暁の行為を思わせる。
Wikipediaのよると 隆暁の行為は以下のようだった。

養和の飢饉  平安末期]

養和年間(1181-1182)2年間にわたって飢饉があり、多くの死者が出た。旱魃、大風、洪水が続いて作物が実らず、朝廷は様々な加持祈祷を試みたが甲斐なく、諸物価は高騰し、さらに翌年には疫病が人々を襲った。

仁和寺の隆暁法印が無数の餓死者が出たことを悲しみ、行き交うごとに死者の額に「阿」の字を書いて結縁し、その数を数えたところ、養和二年四月・五月の左京だけで、四万二千三百余に達したという。


 この飢饉の後さらに1185年には大地震が発生していて、今回の東日本大震災と同様な複合的な被害が京都周辺に発生していたことがわかる。
死者の数やそのすさまじさは東日本大震災に匹敵し、僧隆暁の悲しみは岩手県山田町で死者を弔っているこの若い僧侶と同じだ。

 自衛隊や消防庁や警視庁、それにアメリカ軍を始めとする各国の救助隊に私は心から感謝しているが、その中で最も感動したのはこの若い僧侶の粉雪舞い散る中での素足の読経だ。

 人は食べ物や衣類や住居がなくては生きていけないが、それとともに高い精神性がなければ生きることも死ぬこともできないことを、この僧侶は教えてくれている。
心が救われたと思うのはこのような人に遭遇したときだと、私は素直に思った。

この僧侶の映像は以下のURLをクリックしてください。
http://www.47news.jp/photo/images/TR2011040400056.jpg

 

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(23.4.6) 東日本大震災 世界経済のターニングポイント 円安の進行

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 大震災直後、円が76円に急騰した時は世界があっけに取られたが、ここに来て急激な円安が進み、現在(5日)ドルは84円台になっている。さらにユーロは119円とこちらも大幅な円安で、完全に潮目が変わってきた。

 日本が統計が整備された明治以降最大の大震災に見舞われ、東日本が壊滅的な被害にあい、さらに福島原発事故の収拾に東電がのた打ち回っている現状から、常識的には円売りドル買いユーロ買い)になるのが当然だが、実際はそれほど単純な動きをしない。

 日本の実体経済は悪化の一途をたどっており、特に震災地域の部品工場が壊滅的被害を受けたため自動車産業は操業を一部停止せざるえなくなった。
さらに東京電力の計画停電により生産計画に支障をきたす半導体関連のメーカーもあり、一方で交通網は間引き運転をしており観光地も閑古鳥が鳴いている。

 プロ野球もJリーグも開催を遅らせたり、ナイターを中止することにしており、各地のマラソンレースも軒並み取り止めだ。お花見も自粛でこれでは日本経済が低迷するのは当然といえる。

 だから円安になるかというとそれほど単純ではない。
実体経済が悪いという意味では西欧も日本とどっこいどっこいであり、ポルトガルギリシャの国債格付が軒並み引き下げられており、この2国はECBヨーロッパ中央銀行)やEUの支援なしにはもはや資金調達が不可能な状態になっている。

 さらにヨーロッパにとって最大の課題はリビア問題で、元々リビアの石油産業はイタリア、フランス、オーストリア、スペイン等の外国資本で成り立っており、輸出先ももっぱらヨーロッパだ。
特に最大手の石油会社はイタリアエニだが、このまま戦闘が継続すれば石油関連施設に甚大な被害が発生し、ちょうど日本の福島原発問題と同じようなエネルギー供給問題が発生する。

 今回のリビア問題でなぜ西欧がこれほど空爆等に熱心で、一方アメリカが乗り気でないかの理由は、ここはヨーロッパのシマでアメリカ資本はほとんど投下されていないからだ。

注)アメリカはリビア問題より日本の福島原発の放射能漏れ対策や津波被害の救援に熱心だが、日本経済が崩壊するほうがリビア問題よりアメリカにとって痛手が大きい(日本政府が思い余って米国債を売却し始めたら大変だ)。

 日本と西欧を比較して問題の大きさはどっこいどっこいなのに、なぜユーロ高が進むかといえば、ECBがこの7日の理事会でインフレ抑制のために指標金利を引き上げ金融引締めに転ずる可能性が高いからだ。

 現在世界中にアメリカ、日本、西欧がばら撒いた資金が徘徊しているものの、この資金を運用しているヘッジファンドにとっての最も有効な戦略は、最も安く潤沢にある資金を利用することにある。

 日銀は東日本大震災の復興支援として、3月末で113兆円の資金を市中に供給したが、これは前年同月比対比17%増だ。
震災地にある東日本の金融機関は短期金融市場で資金調達が難しいため、日銀がアンカーとして資金供給を行っており、万が一にも金融機関が倒産しないように支えている。

 しかし実際は震災関連の資金需要はほとんどなく、こうした資金は世界のマーケットに低金利で消えていく
日本はいつまでも低金利でジャブジャブの資金をだす。ユーロやドルは引締めで金利が高くなり資金も細るから日本円を運用するのが一番だ

注)相対的に経済が順調なアメリカは、FRBがこの6月にも金融緩和を取りやめる可能性が高い。

 ヘッジファンドを中心に円を調達し、これをドルやユーロに換えて世界市場で運用し始めた。日本円は世界通貨でないのでドルやユーロにかえないと石油も鉄鉱石も買えない
このとき円を売ってドル買いとユーロ買いが行われるので、当然にドル高、ユーロ高になる(通貨の値段は単純に需要と供給で決まる。円の売り手が多ければ円は下がる

 こうして現在は円安、ドル高、ユーロ高になっているのだが、日本と西欧の関係を見ても分かるように実体経済は同じ様に悪くても金融政策が異なるとそれに応じて通貨の価格は変動する。

 日本だけが金融緩和を継続すれば、リーマンショック以前の状況と同じで、円が120円程度まで売られた時の状態に近くなる。
これは輸出産業には追い風だが、輸入産業と消費者には痛手だ。
果たして潮目は完全に変わったのだろうか。断定するのはまだ早いが各国の金融政策に目が離せなくなってきた。



 

 

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(23.4.5) 東日本大震災 おゆみ野ふれあい市からのメッセージ

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 ここおゆみ野では「ふれあい市」と称する主として農産物を販売する自由市場が毎月2回開催されている。第2日曜日がおゆみ野駅前、第3土曜日が鎌取駅前ゆみーるの前の広場だ。

 私はこの「ふれあい市」が開催されているのは前から知っていたが、特に農産物を出荷することもないので今までは顧客としての立場だけで見ていた。

 ところが先日の日曜日(3日)、「ふれあい市」の特別企画として東日本大震災の被災者に募金を送るためのチャリティー市を開くことになり、私が参加している「おゆみ野の森」に子供達のための遊び場を「ふれあい市」に作ってほしいとの依頼が来た。

 農産物だけの販売では子供達が集まらないので、会場の片隅にポックリ竹馬コマ等の遊具を並べて子供たちを遊ばせてほしいとの依頼だ。
こうしたことには特別熱心なジュンジュン姉さんが「おゆみ野の森」のメンバーに参加を要請した。

 森のメンバーはボランティア精神が極度に旺盛な人の集まりだから、「東日本大震災のチャリティーならば参加しないわけには行かない」とばかり遊び場コーナーを開設することにした。

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 ポックリは太い竹を10cm程度に切って紐で結んで歩く遊びで、昔の子供は良くやっていたが最近はほとんど見ることがない。竹の切り出しが大変なことと、竹に穴を開ける道具が必要なためだが、幸いにも「おゆみ野の森」ではそうした材料や道具がそろっている。

 また竹馬も昔は誰でも行っていた遊びだが、最近の子供がこの遊びをしているのを見たことがない。私は昔この竹馬がとても好きで、足の踏み場をどんどん高くして遊んだものだ。
倒れると相当痛いのだが、なぜか当時は軽々と飛び降りていた。

 ジュンジュン姉さん小太郎姉さんはこの日のためにハンドベルの特訓を行って広場で実演していた。昔はメンバーがずいぶんいたのだが、今はこのハンドベルのリーダーのライダーおばさん3人になっていた。
いろいろと理由があって、参加人員が少なくなってきたの・・・
最後のメンバーのジュンジュン姉さん小太郎姉さんが「ラストサムライ」の気持ちでがんばっている。

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 この日は非常に寒く、広場にいるのもつらいほどだったが、それでも多くの顧客が来てくれたので感謝しよう。
この「ふれあい市」の発起人の一人であるFさんが、「被災地に贈ろう 笑顔と桜のメッセージ」と言う企画をしているので、私にもメッセージと写真を送ってくれないかと依頼があった。

 企画の内容は以下の通りで、私にできることは参加しなくてはならないだろう。
今日(4日)、四季の道の花を思いっきり撮影してきたが、満開なのはもくれんで桜はまだ5分咲きだった。
しかし震災地の人はまだ花をめでる余裕はないかも知れないが、せめてもの贈り物として受け取ってほしい。

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(23.4.4) 東日本大震災 薩長連合は結ばれるか 民主党と自民党の大連合

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 この大震災が起こるまでは、谷垣自民党菅総理をもう一歩のところで退陣に追い込めそうだった。
なにしろ予算以外の対決法案は一切国会を通過できないのだから菅政権は脳死状態だったといえる。

 しかしこの東日本大震災で状況が一変した。国家存亡の危機に首相がダッチロールを繰り返していては国家そのものが危うくなる。
さすがに谷垣自民党もこの危機の間は矛先を収めることにし、政治休戦に入った。

 しかし休戦だけではことが進まない。特に復興支援のための補正予算特別立法の対応が急務だが、ここでも自民党の協力がなければ特別立法一つ通すことができない。
菅総理は壁際に追い詰められ3月19日には谷垣総裁に副総理での入閣を要請したが、一蹴されてしまった。

ばら撒きの4kを取り下げない限り、大連合には応じられな」とつれない。
4kとは民主党がマニフェストで約束した ① 子供手当ての増額、② 高速道路無償化、③ 農家の個別所得保障、④ 高校の授業料無償化、である。

 政治休戦とはいえ谷垣自民党菅総理の退陣を加えて5Kの廃止を求めて一歩も引かず睨み合ったままだったが、ここにきて自民党の長老議員から菅内閣との大連合を容認する発言が次々に出ている。
総理の首を取っている場合じゃないし、総選挙をするような時期でもないから、ここは4k問題で民主党が歩み寄れば大連合を組むべきだ

 菅政権は存続しているだけでこのままではこの国難に有効に立ち向かえない。
なにしろ現状では大震災に伴う被災者を救援する法案一つ通過できないのだから、復興など夢のまた夢になっている。
睨み合っている場合じゃないだろう、戦後最大の国難だ
自民党長老議員はさすがに愛国者が多い。

 民主党の岡田幹事長は復興のための閣僚ポストの増設を自民党に提案し、菅総理は4kの見直しに含みを持たせる発言を始めた。
元々4kは民主党が政権を奪取するために小沢氏を中心にまとめたばら撒き政策だが、このばら撒きは財源措置を無視したため赤字国債の増額しか財源がない。

 民主党執行部としたら小沢氏が自己の裁判で身動きができない間に4kを棚上げし、自民党との大連立を組むチャンスと思っている。
少なくとも菅総理岡田幹事長は積極的だ。

 この地方選挙が終わり、民主党も自民党もみんなの党や地域政党に敗北することは確実だから、それを契機に大連立を組むことになるだろう。
このままでは大政党がつぶれる。小異を捨てて大同につこう

 実際問題として民主党と自民党の大連立以外にこの国難を救う道はない。小党は有る特別な権益にだけ熱心で大局を見据える政党ではない。
私は早く民主党と自民党の大連合ができて政治が安定し、この国難に立ち向かってくれることを望んでいる。

 

 

 

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(23.4.3) 被災者の皆様へ ちはら台走友会の寺崎さんが別荘を提供します

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 私の所属しているちはら台走友会の寺崎さんが以下の条件で被災者に別荘を提供したいといわれております。

連絡先  メール toshiakit@chorus.ocn.ne.jp
      電話 043-266-2602(携帯 080-5031-6225)


このブログのメール送信機能を使って連絡して下さっても、寺崎さんにつなげます。


 
テレビで震災の被害を見るたびに、胸が苦しくなります。精一杯義援金を出しました。現地にボランティアで後片付けや汚泥の除去などの手伝いに行こうかな、とも考えますが、年寄りは足手まといだといわれそうだし、思案中です。長柄の手作り山荘を避難者に提供する旨を知人を通じてしましたが、今のところ誰からも連絡はありません。

 長柄の山荘の情報は以下の通りです。どなたか知り合いがあれば、お伝え下さい。

場所:千葉県長生郡長柄町山之郷233-138

広さ:5m×9mに6畳あまりのロフト付の2×4住宅、手作りです。

 バス(石油)、水洗トイレ(浄化槽)完備、エアコン設置済み、石油ストーブ、蒔ストーブあり、水は井戸水(検査合格済み)、電話は今のところなし、携帯電話は通じます。

 駐車場は、車2台駐車可能

 買い物、病院は車がないと不便(3Kmほど離れている)です。

   50ccのバイクと自転車は自由にお使い下さい。

 避難所での生活が困難な障碍者を抱えたご家族、就学前のお子さんやお年寄りを持つご家族によいのではないかな、と思います。

 基本的に無料、無期限とします。将来的には、石油、電気代は自己負担していただくかもしれません。

 近隣には、3軒の家があり、別荘地に隣接しています。2.5Kmほど離れたところに日本エアロビクスセンターがあります。そこからJR誉田駅まで無料バスが出ています。

 養鶏場が近くにあり、風向きや温度によっては、におったりハエが大量発生することがあります。

以上が概略です。先の大地震にも耐えました。どなたかの役に立てば嬉しいです。

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(23.4.3) 東日本大震災 原発の事故処理はどの程度の年月がかかるのか?

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 現在2号機3号機の炉心の溶融がどのような状況になっているか不明だが、専門家の間では次のステップである廃炉処理がどの位の期間がかかるかが議論されている。

 もともと原子炉の廃炉処理には途方もない時間がかかり、たとえば1998年に運転を休止し、正常に廃炉処理をしている東海発電所の場合は20年の歳月を要する計画になっている。
停止してから炉を冷やし燃料棒を取り出すのに3年、原子炉内の放射能レベルが10分の1まで低下するのが12年、そして解体工事に5年の月日がかかるという。

 原子炉解体のポイントは、① 炉を冷却すること、② 燃料棒を取り出すこと、③ 炉内の放射能がなくなること ④ 原子炉を解体すること、の4つの手順があり特にポイントは燃料棒の取出しができるか否かにかかっている。

 スリーマイル原発事故では取出し用のクレーンは無傷だったため、95%相当の燃料棒の取り出しに成功した(残りは溶融して炉内に残った)。
一方チェルノブイリ原発事故ではこのクレーンが水蒸気爆発で吹っ飛んでしまったために取り出すことができず、ほとんどの燃料棒が残されたままになっている(約200tの燃料棒が残されている)。

 もし燃料棒が取り出されれば、後は原子炉内の放射能レベルの低下を待って解体できるが、一方残っているといつまでも放射能レベルが高いままで手がつけられない。解体ができないのだ

 福島第一原発の場合は水素爆発をした1,3,4号機についてクレーンが折れ曲がって倒れているのが確認されており、このクレーンを再構築しない限り燃料棒を取り出せない(または他の何らかの取り出し方法を検討しなければならない)。
しかしこのような建設作業は放射能レベルの高い場所で行うことができず、一方で燃料棒がある限り放射能レベルは下がらない。
ひどいジレンマだ。

 チェルノブイリの場合は結局燃料棒を取り出すことができず、石棺というコンクリートの覆いで、放射線が外に漏れるのを防いだ。
この石棺は当初30年程度は持つと見られていたが、実際は10年程度で劣化がはじまり、現在は放射能がもれ続けているため、さらにこの石棺鋼鉄製のサイロで覆う計画が立てられている。

 福島原発の事故がもしチェルノブイリのように燃料棒の取り出しに失敗すれば、完全に冷却させたとしてもこの放射能もれを防ぐ措置をしなければならず、途方もない歳月がかかりそうだ。

注)チェルノブイリは問題を完全に押さえ込むまで78年の歳月がかかると計算されている

 福島原発事故の場合、現在漏れ出した放射性物質はアメリカの民間機関の試算でチェルノブイリの10分の1程度と見積もられており、チェルノブイリほどの被害はないと推定されている。
それでも今回の災害のレベルはスリーマイル(レベル5)より上、チェルノブイリ(レベル7)より下のレベル6IAEA等は想定しており、日本政府発表のレベル5という説明は世界的には認知されていない。

注)レベルとは国際原子力事象評価尺度によるレベル

 はたしてこの福島第一原発の事故処理はどの程度の年月がかかるのだろうか。通常でも原子炉を解体するまで20年かかるのに、それに事故処理を加えると最低でも30年、費用は1兆円規模になると専門家は見ている。

注)事故処理は放射能が漏れ出している部分を塞ぐ作業と、周辺に撒き散らされた放射能物質を除去する作業と、核燃料棒取り出し用のクレーンを設置する作業等がある

 安全が確認できるまでは福島原発30km圏内の住民は戻れない。
スリーマイルでは住民は幸いに元の場所で生活を再開できてたが、一方チェルノブイリでは半径30km以内は今も立ち入り禁止で、1986年の事故以来約25年の歳月が経っている。

 今のところ福島原発周辺の住民がいつもとの場所に戻れるか予想することは難しいが、チェルノブイリ型とみなされており最低でも数年、場合によったら10年単位の歳月はかかりそうだ。

 

 

 

 

 

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(23.4.2) 東日本大震災 東電の実質的倒産

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  4月1日、毎日新聞が驚くべきスクープを行った。

東京電力実質的に倒産するという。政府が公的資金の出資を行って政府管理にすると決めたとの報道である。
この報道の事実関係を問われた枝野官房長官は「否定された選択枝の中には入ってない」と事実関係を認めた。
東電の株は売り浴びせられ400円を割り、これは戦後間もない60年前の株価に等しい。

 この福島第一原発の事故が起こる前までは、東電は日本を代表する優良企業だった。
内部留保も厚く、また給与も非常に高かったから日本の優秀な理科系の学生は東電の社員になることにあこがれたものだ。

 しかし今東電は福島第一原発の事故対応でのた打ち回るような苦悩の最中にあり、この苦悩からいつ逃れられるか見通しもつかない。
福島原発から30km範囲の住民は実質的に域外の移動を余儀なくされ、家も家財もそのままに避難生活をさせられている。

 放射性物質はこの30kmを越えて拡散し、福島だけでなく茨城・栃木・群馬の農産物がまったく販売できなくなってしまった。
そればかりではなく海外ではこの地域以外の農産物までがまったく売れない。

 日本を代表する優良企業だった東電は約3兆円の純資産内部留保)があり、かつ金融機関から約2兆円の資金調達をして災害復旧対応に備えている。
しかし問題はその程度で足りるかということだ。

 福島原発周辺30km以内の住民に対する損害賠償や風評被害にあった農家に対する損害賠償、それと海を汚染したことによる漁業補償等が今後どこまで膨らむか分からない。
さらに風評被害は日本全国に広がっており、日本製と言うだけで被曝をしていない証明書の発効を求められている。

 現時点でアメリカのバンクオブアメリカ・メリルリンチが賠償額は2兆円~3兆円になるだろうというレポートを発表したが、本当のところは誰にも分からない。

 実は原発事故においては原子力損害賠償法で「異状に巨大な天災や社会的動乱」が発生した場合は、「電力業者の賠償責任を免責する規定」がある。
客観的に見れば今回の想定外の地震と津波はこの免責条項に当てはまる。
裁判で東電が争えばおそらく東電は免責されるだろう。しかしそれでは国民が納まらないのは政府が一番良く知っている。
大正時代の米騒動のように、東電は怒った民衆の焼き討ちに会うかも知れない。
絶対安全だといっていたではないか・・・・責任を取れ!!!

 政府がこの時期に無理やりにでも出資をして政府管理下に置こうと決心したのは、東電が必ずしも政府の方針を素直にしたがわないからである。

 燃料棒が溶融しそうになって政府は「海水であろうが真水であろうが何でもいいから炉心に水を注入して燃料棒を冷やせ」と命じたが、東電は海水を注入すると内部が腐食し二度と原発の使用ができなくなるためグダグダと理由を言ってすぐに対応をしなかった。

 また菅総理が「すぐに現状報告を上げろ」と命じても実際は東電内部でも大混乱だったためとても報告ができるような状況下になかった。
東電は上記の海水の件も報告遅れも否定しているが菅総理は東電を信用していない。
これで今度東電が免責規定を持ち出してまたグダグダ言い出したら大変だ。そうならないように東電を国家管理にしろ菅総理が命じた。

 なにしろ菅総理は直前にフランスのサルコジ大統領と会談している。フランスは世界第2位の原発大国であるだけでなく、国家資本主義の国で当然原発会社は政府の実質的な管理下に有る。
国家管理をしなければまともな原子力行政はできませんサルコジ大統領からそう示唆されたのだろう。

 東電JALGMと同じように国家管理に置かれるとは思いもしなかったが、今回の事故対応がどこまで拡大するか分からない状況下では、いたし方がない対応だろう。
なにしろ国家存亡の危機で東電だけの危機ではない。

 そして30km圏内の避難者や近隣の農業者にとって最後に頼りになるのは国家で東電ではない。
普段は何気ない存在の国家だが、国家が国家存亡の危機に遭遇した時にアンカーにならなければ他になれるような組織は存在しない。

 

 

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(23.4.1) 東日本大震災 宮崎駿氏の先見性と「風の谷のナウシカ」

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 最近の福島第一原発事故を見てあらためて宮崎駿氏の先見性に驚いた。宮崎駿氏がアニメ「風の谷のナウシカ」を世に問うたのが1984年のことで、今から25年以上も前のことになる。

 私はこのアニメがとても好きで何回も見直しているのでその筋は良く覚えているが、今までは良くできたアニメとばかり思っていた。
しかし今回の福島原発事故を目の当たりにすると、このアニメが本当に伝えたかったメッセージが非常に奥深いものだったことが分かる。

 氏はこのアニメの最初でこの物語のテーマを述べている。

ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明は数百年のうちに全世界に広まり巨大産業社会を形成するに至った。
大地の富をうばいとり大気をけがし、生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明は1000年後に絶頂期に達しやがて急激な衰退をむかえることになった。

『火の7日間』と呼ばれる戦争によって都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ地表のほとんどは不毛の地と化したのである。その後産業文明は再建されることなく永いたそがれの時代を人類は生きることになった


 この物語の世界では「腐界」という瘴気しょうき 有毒ガス)を撒き散らす菌類がはびこる人の住めない世界があり、この腐界がますます拡大し、人類の生存が危ぶまれている世界になっている。
そして舞台になっている「風の谷」は風が常に腐界に向かって吹き、瘴気を寄せ付けないまれな場所だ。
そのため人々の生活は風を読むことでなりたち、主人公のナウシカは風を自由に操る少女である。

 人々の生活は古代の科学文明を一部使用しているが、電気やガスや水道や電話といったインフラはなく、人々の移動は飛行機(なぜかこれだけが残っている)を除けばラバや馬が主体だ。
生活は中世のヨーロッパそのものと言う世界が広がっており、主人公ナウシカが住む村も人口500名程度の小村に過ぎない。

 私が宮崎駿氏のこのアニメを思い出し、その先見性に驚いたのは次の二点が頭をよぎったからだ。

① 福島第一原発周辺の市町村は放射能物質に汚染されて人々の住めない場所になる(腐界とおなじ)。また原発事故が収拾しない限り日本そのものが腐界とみなされる。

② 人々の生活は原子力の利用に対する拒否反応が強まり、便利で快適な生活よりも不便でも安全な生活を求めるようになる。GDPは年々減少し、20世紀的意味では21世紀は貧しい世界になる(
中世化する)。


 大地震、大津波、そして原発事故と言う3重苦に見舞われた後の世界が、それ以前の世界と同じわけがない。
東日本が崩壊する」と菅総理が言った大惨事だ。
人々は文明というものは常に進歩する(これを進歩史観というと思っているが、実は違う。
トインビーが「歴史の研究」で言っていたように、文明は生まれ成長し発展するが、ピークを迎えると徐々に衰退し、最後は死滅する。

 日本と言う20世紀文明に最も良く適合した社会は、1990年頃から停滞局面に入り、GDPは名目でまったく伸びなくなり、時の政府は最大限の財政・金融政策(ケインズ政策)を繰り返した。
これだけ資金をつぎ込んでなぜ成長しない

注)なお実質のGDPはデフレが進んだ分だけ上昇している。

 実際は無駄な道路や橋や飛行場や堤防を作り、無駄に補助金を与え続けただけだから成長などするはずはない。文明はすでに頂点を向かえこれ以上の投資は投資効率ゼロだったからだ。

 そして今回の大震災を契機に衰退し始めたのは止む終えないことだ。財政は逼迫しもはやつぎ込む金も枯渇し、東電の補償もままならないだろう。
これからは宮崎駿氏が描いた「風の谷」のような世界が始まるとおもわれ、それは新たな中世といってよいような世界になるだろう。

注)政府と経済界は夏場の電力需要を25%削減する指針を出した。これは夏場の一時的措置と思われているが、実際は今後長く続く日本の原風景になる。
鉄道も間引き運転になり、デパートやスーパーのエスカレーターもとまり、家庭でも無駄な電力の使用がなくなる。

企業は日本での生産を諦め海外に進出し、若者は職場を求めて海外に出て行く。日本は人口がますます少なくなり、GDPは急速に縮小する。
そうした世界を「新たな中世」と呼ぶ。


(別件) 「おゆみ野四季の道」「おゆみ野四季の道その2」のカウンターの数字の合計が前回加算時より10000増加したため、「おゆみ野四季の道 新」に加算しました。

 

 

 

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