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(23.4.8) 東日本大震災 復興財源はいかに調達するか それをやっちゃおしめいよ 国債の日銀引き受け

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 東日本大震災の復興のための第一次補正予算案の検討が政府部内でされている。
今回の被災はあまりに大きくその復興費用もどの程度になるか暗中模索だが、今回は当座のがれき撤去仮設住宅建設、その他緊急性の高いインフラ整備のための予算措置として約3兆円を越える規模になるという。

 しかしこの財源措置は並大抵のことではない。
日本の財政はすでにかなり前から世界最悪といわれており、実際に一般会計予算の半分は赤字国債による調達になっている。
政府は第一次補正予算については、財政のこれ以上の悪化を避けるため、もっぱら埋蔵金の捻出ばら撒き予算の組み換えで対応しようとしている。

 増税は緊急的対応としては時間がかかってできないし、赤字国債の発行は野党が反対する。
仕方がないからすぐに利用できる資金を利用すると判断したのだろう。

 だから当面はようやく見つけた埋蔵金(鉄道建設・運輸施設整備支援機構の埋蔵金2.5兆円)を当てることができても、全体で10兆円は越えると見られる更なる支出には増税か赤字国債の発行、あるいは両者の組み合わせしか対応策はない。
民主党の特別立法チーム復旧復興対策基本法案をまとめて発表したが、その骨子は復興税と震災国債の発行だった。

 財政規律と言う面からは復興税(消費税)による国民の協力を得るのが一番だが、一方で増税は日本経済を収縮させ法人税所得税を減少させる。
かつて橋本内閣が消費税をアップした時は、景気が低迷し確かに消費税は増えるのだが法人税と所得税が減って結果的に国庫全体の収入が減少してしまった。

 現状の経済状況の悪化をさらに悪化させられないと判断すれば、仕方なく赤字国債の発行を今回も行うことになる。
しかしその方法として赤字国債の日銀引き受けが取りざたされているが、これは日本経済が脳死する道につながる。

 確かに国債消化には市中金融機関に購入してもらう方法と、日銀に購入してもらう方法がある。
一見どちらでも同じように見えるが、実際はまったく違う。

 前者は国内に有る国民の預金で国債を購入するもので、国債の直接的な購入者は金融機関だが実質的には国民が購入したことと変わりが無い。
一方後者の日銀引き受けは日銀が国債を担保に政府の当座預金に金を振り込むので、これは実質的には日銀券の増刷と同じになる。

 特別立法チームは「緊急時だから日銀引き受けをしろ」と言っているがこれは「ただ札を刷れ」と言っているのだ。
これがどのような結果をもたらすかは世界にいくらでも事例がある。

 最近の事例ではエリツィン時代のロシアと同じで、エリツィンの地方への遊説は実際は印刷した紙幣を飛行機いっぱいに詰め込んでの地方公務員への紙幣のバラまきだった。
紙幣はいくらでも印刷できるぞ。みんな喜べ。ヒツジのごとく紙を食え
エリツィンは得意満面だったがロシア国民はルーブル紙幣を即座にドルにかえてドル紙幣を保有していた。
そうしないと翌日にはルーブル紙幣の価値はほぼ半減していたからである。

 日本においての事例は戦後のハイパーインフレで、これは主として戦時中の赤字国債日銀が引き受けたことに原因がある。
戦争中は国家統制で物価を抑え(したがって価格は安定したが物は闇市場に流れた)ていたが、戦後そのタガが外れると約100~200倍のハイパーインフレーションが発生した。

 戦前の資産家や特に国債を保有していた人々はすぐさま困窮化し、闇市でヤクザまがいの商売をしている人とドルに資産を移し変えることができた人だけがこのインフレの猛威を避けることができた。

 特別立法チームの赤字国債の日銀引き受け案はさすがに財政金融の主管部署である野田財務相、与謝野経済財政担当相、日銀が大反対している。
しかし問題は菅総理が典型的な経済音痴で、さらにイラ菅と揶揄されるほどヒステリー体質を持っていることだ。
バカヤロー、原発被害が補償されなくていいのか、何でもいいから金を配れ!!!」

 今回の震災関連の赤字国債でもし日銀引き受けが実行されるようなことがあれば、早晩日本はハイパーインフレーションに襲われる。
そして円で預金をもっていた人や、年金生活者は塗炭の苦しみに遭遇し、日本国債を保有している金融機関は次々に倒産すると予測しておくのが良い。

 国民は自己防衛に走らざる得ず、エリツィン時代のロシア人の様に円をすぐさまドルに換えようとするが、ぐずぐずしていると外為市場の閉鎖や、預金口座の閉鎖を矢継ぎ早に政府が行いそうだ。
そうなる前に資産を海外に移転できるかどうかが、日本国民が生き残れるかどうかのサバイバル競争になるのだから日本と言う国家が消えたのも同然だ。

 こうして国債の日銀引き受けが行われれば日本経済は脳死する。
「それをやっちゃおしめいよ 国債の日銀引き受け」なのだ



 

 

 

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災害 東日本大震災 経済」カテゴリの記事

コメント

http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~s0630079/takahashi.html
には、高橋是清がハイパーインフレを生じさせずに、国債引き受けでデフレ解消した、と記載されているのですが、これは誤りなのでしょうか?

(山崎)昭和初期の成長期の経済と現在の老衰期の経済の差です。
たとえば若者に学問をさせるために親が借金してでも大学にいかすのは効果があります。一方私のような老人に奨学金を出して大学で学ばせても無駄です。
日本はすでに有効な投資機会を失っていて、赤字国債は単に借金がたまるだけに過ぎません。

投稿: 福田 | 2011年5月 4日 (水) 00時14分

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