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(23.4.3) 東日本大震災 原発の事故処理はどの程度の年月がかかるのか?

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 現在2号機3号機の炉心の溶融がどのような状況になっているか不明だが、専門家の間では次のステップである廃炉処理がどの位の期間がかかるかが議論されている。

 もともと原子炉の廃炉処理には途方もない時間がかかり、たとえば1998年に運転を休止し、正常に廃炉処理をしている東海発電所の場合は20年の歳月を要する計画になっている。
停止してから炉を冷やし燃料棒を取り出すのに3年、原子炉内の放射能レベルが10分の1まで低下するのが12年、そして解体工事に5年の月日がかかるという。

 原子炉解体のポイントは、① 炉を冷却すること、② 燃料棒を取り出すこと、③ 炉内の放射能がなくなること ④ 原子炉を解体すること、の4つの手順があり特にポイントは燃料棒の取出しができるか否かにかかっている。

 スリーマイル原発事故では取出し用のクレーンは無傷だったため、95%相当の燃料棒の取り出しに成功した(残りは溶融して炉内に残った)。
一方チェルノブイリ原発事故ではこのクレーンが水蒸気爆発で吹っ飛んでしまったために取り出すことができず、ほとんどの燃料棒が残されたままになっている(約200tの燃料棒が残されている)。

 もし燃料棒が取り出されれば、後は原子炉内の放射能レベルの低下を待って解体できるが、一方残っているといつまでも放射能レベルが高いままで手がつけられない。解体ができないのだ

 福島第一原発の場合は水素爆発をした1,3,4号機についてクレーンが折れ曲がって倒れているのが確認されており、このクレーンを再構築しない限り燃料棒を取り出せない(または他の何らかの取り出し方法を検討しなければならない)。
しかしこのような建設作業は放射能レベルの高い場所で行うことができず、一方で燃料棒がある限り放射能レベルは下がらない。
ひどいジレンマだ。

 チェルノブイリの場合は結局燃料棒を取り出すことができず、石棺というコンクリートの覆いで、放射線が外に漏れるのを防いだ。
この石棺は当初30年程度は持つと見られていたが、実際は10年程度で劣化がはじまり、現在は放射能がもれ続けているため、さらにこの石棺鋼鉄製のサイロで覆う計画が立てられている。

 福島原発の事故がもしチェルノブイリのように燃料棒の取り出しに失敗すれば、完全に冷却させたとしてもこの放射能もれを防ぐ措置をしなければならず、途方もない歳月がかかりそうだ。

注)チェルノブイリは問題を完全に押さえ込むまで78年の歳月がかかると計算されている

 福島原発事故の場合、現在漏れ出した放射性物質はアメリカの民間機関の試算でチェルノブイリの10分の1程度と見積もられており、チェルノブイリほどの被害はないと推定されている。
それでも今回の災害のレベルはスリーマイル(レベル5)より上、チェルノブイリ(レベル7)より下のレベル6IAEA等は想定しており、日本政府発表のレベル5という説明は世界的には認知されていない。

注)レベルとは国際原子力事象評価尺度によるレベル

 はたしてこの福島第一原発の事故処理はどの程度の年月がかかるのだろうか。通常でも原子炉を解体するまで20年かかるのに、それに事故処理を加えると最低でも30年、費用は1兆円規模になると専門家は見ている。

注)事故処理は放射能が漏れ出している部分を塞ぐ作業と、周辺に撒き散らされた放射能物質を除去する作業と、核燃料棒取り出し用のクレーンを設置する作業等がある

 安全が確認できるまでは福島原発30km圏内の住民は戻れない。
スリーマイルでは住民は幸いに元の場所で生活を再開できてたが、一方チェルノブイリでは半径30km以内は今も立ち入り禁止で、1986年の事故以来約25年の歳月が経っている。

 今のところ福島原発周辺の住民がいつもとの場所に戻れるか予想することは難しいが、チェルノブイリ型とみなされており最低でも数年、場合によったら10年単位の歳月はかかりそうだ。

 

 

 

 

 

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