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(23.4.22) 世界の為替相場  弱い者競争の行方

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 このところの外国為替の動きを見るとほとんど笑ってしまいたくなる。
世界の経済の中で誰が一番弱いのかのコンテストをしているようなものだからだ。

 現在の外国為替のメインプレーヤーはドルユーロで、これ以外の通貨はほとんどが中国のがそうであるようにドルにペッグしているのでドルとなんら変わらない。
リーマン・ショック前まではポンドもメインプレーヤーだったが、今では落ちぶれてしまった。

 このドルとユーロと円の競争は「どれが強いか」ではなく、「どれが弱いか」の競争だ。
どの通貨当局も目一杯資金の垂れ流しをしており、市場はその推移を見ながら外国為替の売り買いをしている。

 愉快だったのは日本の大震災直後に円が大幅に値上がりして76円台になったことだ。
このときほど金融が実体経済と遊離し、金融の論理だけで動いていることを示す事例はなかった。
大変だ。円資金が引き上げられてしまう」日本経済の崩壊ではなく円資金の引き上げを恐れたのだ。

 その後は日本経済が大震災で甚大な影響が出ることが分かり、特に輸出に急ブレーキがかかることが明白になって、じりじりと円安に振れ86円近くになった。
やはり為替相場は実体経済を反映するのか」と思っていたらまた雲行きが変わった。

 EUのポルトガル支援で、EUの一員のフィンランドがNOという可能性が出てきたからだ。
最近行われた選挙で国内重視派(反ユーロ派)の政党が大躍進した。
ポルトガル支援なんてトンでもない。自己努力をせよ」フィンランド政府がもしそう言えばポルトガルの金融支援は覚束なくなる。

 元々ヨーロッパの経済はひどい軋みが発生しており、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインとリーマン・ショック以前のバブルを清算できない。そこにリビア問題がのしかかって青息吐息だ。
やはり、ヨーロッパのほうが原発の日本より経済は悪いのではないか・・・、なんとなく・・・・・123円まで上昇したユーロが119円台とユーロ安に向かい始めた。

 一方このところ経済が順調だと見られていたのはアメリカで、失業率も低下し住宅着工件数も上向きになっていた。しかしここは共和党とオバマ政権の財政赤字削減策ですったもんだのドタバタ劇が始まっている。

 ひどいにらみ合いの結果、連邦政府職員の給与も支払われなくなりそうになってようやく妥協が成立したが、格付会社S&Pは「アメリカ国債の格付を将来引き下げる可能性があるネガテュブ」と発表したので市場は大騒ぎになってしまった。
やはりドルは売りだ、円を買え、ユーロも買だ」となってふたたび82円台になってきた。

 ひどい為替相場の推移だ。どこかの通貨に悪材料が出るとすぐ売られるが、本質的には通貨の信頼が地に落ちているからだ。おかげで最後の通貨と呼ばれている金相場だけが傾向的に上昇している。

 ニクソンがドルと金の交換を停止したのが1971年で、それ以降は管理通貨制度と呼ばれ、FRBがドルを適正に監理する制度といわれていた。
しかしFRBが最低限の節度を持ってドルを管理していたのはリーマン・ショックまででそれ以降は糸の切れたタコになってしまった。
こうなりゃ、矢でも鉄砲でももってこい。ドルなどいくらでも印刷してやる

 とうとう管理通貨制度も40年で実質的に崩壊し通貨への信任がなくなってしまった。人々は右往左往して最後の価値あるものを求めている。
「ドルもユーロも円もだめ、後は金だけよ
資金は金に集中し人々は金塊を溜め込んでいる。こんな世界に誰がしたといいたくなるような惨状だ。

 

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