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(23.4.21) 東日本大震災 生活保護世帯の増加と生活保護制度のきしみ

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 東日本大震災の余波は従来何とか維持されてきた生活保護制度の見直しにまで波及しつつある。

 厚生労働省の下部組織である社会保障審議会生活保護基準部会が5年に1回の生活保護水準の見直しに着手したからだ。
生活保護世帯は年々増加し、92年の約59万世帯から09年には127万世帯倍増している。

 このため生活保護費は毎年増加の一途をたどり11年度には3.4兆円の規模にまで拡大した。
そして今一番問題になっているのは東日本大震災の被災者で、家や職場を失った人達が大挙して申請を行うことが予測され、生活保護制度がそれに耐えられるかということだ。

 政府の財政は火の車で地方財政も同様だ。生活保護費の4分の3は国家財政から、残り4分の1を地方財政から支出するのだが、生活保護費の多い大阪市では一般会計の17%が生活保護費に当てられている。

 生活保護を受けるための条件は自治体によって対応が異なっているものの、通常は家や自動車などの資産をもっていないことと、病気や障害で働くことができないことを証明する必要が有る。

 以前私のような貧しい人間は生活保護の対象になるかと思って、民生委員のKさんに聞いたことがある。
山崎さんはだめね。第一家があるじゃない。生活保護を受ける前にまず家を売却して資金を生活費に当てることが先よ。それに年金生活者は対象じゃないの

 生活保護制度の問題点はいろいろあるのだが、基本的問題は他の制度との関係で生活保護制度が優遇されすぎているのではないかということだ。
生活保護の扶助は8種類あり、そのうちの生活扶助と住宅扶助を受けた場合は約7万円になり、最低賃金制度6万から8万円)による労賃を上回る場合が出てきている。

 これは働くよりも生活保護を受けているほうが得ということで、働く意欲をなくす制度になっている。

 さらに問題はあらゆる扶助を受けた場合は、月額で約30万円を越す場合があり、これなら私の厚生年金より多いのだから、私でも生活保護を受けたくなる(この記事の最終欄参照)。

 また扶助の中心は生活扶助と住宅扶助だと私は思っていたが、実際は生活保護総額の約半分が医療扶助になっていた。
大阪市内の病院ではこの生活保護者を主たる対象にした病院が多数あり、こうした関係も有って大阪市の生活保護費の割合は高い。

注)生活保護を受け続けるためには病人であることの証明が必要で、ここに医院と生活保護者がこの制度に寄生する温床がある。
「先生病人のままにしておいてよ」「あいよ、この薬を持ってきな」なんて関係だ。


 もちろん生活保護を必要としている世帯は当然あるのだが、一方で上述したようなこの制度に寄生している個人や医院の問題もある。
ところが今回の東日本大震災で家を失ったり職場を失う人が大量に発生し、本当に生活保護が必要な人が大量に発生してしまった。

 従来問題点があっても何とか維持してきた生活保護制度だが、これも国や地方にそれだけの資金的余裕があることを前提にしている。
今でさえ青息吐息のこの制度が大震災に伴う受給者の急増に耐えられるかどうかはかなり微妙な状況になった。
特に今回被災を受けた市町村に生活保護費の4分の1を負担する能力はない。

 戦後60年余り、日本のあらゆる制度がこの大震災を契機に見直しを迫られている。日本政治のやさしさの象徴の一つだった生活保護制度も今根底からそのあり方を問われ始めた。

 
注)下の例では各種加算が行われて、生活保護費は月額344,990円になる。

4人世帯 41歳(障害者1級、障害年金無)、38歳、12歳、8歳、妊娠中(7ヶ月)

  • 第1類 38,180円(41歳)、40,270円(20-40歳)、42,080円(12-19歳)、34,070円(6-11歳)
  • 第2類 55,160円(4人世帯)
  • 各種加算
    • 妊婦 13,810円(妊娠6ヶ月以上)
    • 障害者 26,850円(障1・2級/国1級)
    • 特別介護料 12,090円(世帯員)
    • 児童養育加算 5,000円(第1・2子)
  • 住宅扶助 (最大)69,800円
  • 教育扶助 2,150円(小学校)、4,180円(中学校) 学級費等(最大)610円(小学校)、740円(中学校)

合計 344,990円(月額) ※小中学校の教材費、給食費、交通費等は実費支給

 

 

 

 

 

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コメント

日本国が破綻しますね、、、
ギリギリでやっている普通の人々が寄生の方が楽と考えるかもしれない、、
先にもらわなくては後ではどうせもらえなくなる、、と、、考えるのではないだろうか?
行政つまり、、公務員に「線引きする能力とそれを実行するやる気」がはたしてあるのだろうか?
暗澹たる気持ちになります。

投稿: 定額所得者デス | 2011年6月14日 (火) 13時01分

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