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(23.4.20) 東日本大震災 東電の収束工定表は大本営発表

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 4月17日東電が発表した福島第一発電所事故処理収束工程表はひどい大本営発表だとしみじみ思ってしまった。

大本営発表 4月17日東電は福島原発事故処理について、今後3ヶ月から9ヶ月の範囲で収束を図れる見通しがたった。これにより半径30km範囲の一部住民の帰宅が可能になる」本当だろうか???

 実は今回の東電の発表は政府が東電の尻をたたいて無理やり出させた希望的収束工程表に過ぎない。
東電としたら目先の汚染水問題で頭が真っ白で今後数ヶ月間に及ぶ工程などまったく予定すら立たない。
なにしろ想定外のことが次々に発生して、対処療法だけで手一杯だ」と言うのが実情だ。

 しかし政府の立場としては30km圏内の住民に対して将来どうなるかの説明責任がある。また実際問題としても福島原発難民対策をどのように進めるかについてもスケジュールが明確にならなければ計画の立てようがない。
東電が最大限の努力をした場合の、もっとも最短の事故処理収拾計画を出せ」政府が東電に迫った。

 東電としたら重要な前提条件の下に収束表を作成したのだが、クリアーするのが不可能と思われるような前提条件だ。

① 放射線量が劇的に下がり作業員の被曝の心配がなくなれば、原子炉の1・3号機は燃料上部まで水で満たし(水棺方式)、2号機は格納容器の損傷部分の補修ができ、また熱交換器の設置ができて安定的な冷却ができる。

② 放射線量が劇的に下がり作業員の被曝の心配がなくなれば、汚染水の放射能レベルを下げる水処理施設を設置して水の浄化を図ることができる。

③ 放射線量が劇的に下がり作業員の被曝の心配がなくなれば、放射線物質の飛散を防ぐ飛散防止剤の散布を行い、がれきの撤去ができる。


真意  放射線量が高ければこうした作業が3ヶ月~9ヶ月で終わることはない。そもそもこんな危険な場所での作業を最短で行おうとすれば作業員が被曝してしまって、作業できる作業員がいなくなってしまう

 ロシアのチェルノブイリの収束外部へ放射性物質が漏れなくなった時期約10日で終わったが、これは延40万人に及ぶ軍隊・消防士・警察官等を動員して放射線被曝を無視して閉じ込めた結果で、当初は軍隊や消防士に被曝の危険性を一切伝えていなかった。
この結果多くの被曝者が死亡したと推定されているが、当時のソビエト政府の秘密主義によって詳細は明らかになっていない。

 今回の工程表は政府の指示で無理やり出されたもので、政府にとって必要であっても東電にとっては単なる絵に描いた餅に過ぎない。
汚染水の処理さえまったく目処が立たないのに、後何をしろと言うんだ」悲鳴をあげたくなるだろう。

 日本はソビエトロシアとは異なり、作業員の人命を犠牲にしてまで事故の収束を図れる国でない。作業員の最大被曝量を250ミリシーベルトとした以上、これを守って作業をおこなうことになる。

 このため放射線量が高いあいだは作業が行えず、一方放射線量を下げる作業が行えなければ放射線量はいつまでたっても高いままだ
この矛盾を抱えたままの作業が3から9ヶ月で収束するはずがない。

 さらに原子炉内の温度が100度C以下の冷温停止の状態になったとしても、その後核燃料棒の取り出し処理が待っている。
ここでも取出用のクレーンは水素爆発で倒壊しているから、新たに建設しなければならないが、放射線量が高ければ作業はできない。

 また30km以内の住民が自宅に戻るためにはまき散らかされた放射性セシウムの除去がどうしても必要になる。
この作業もどの程度かかるか分からない。

 菅総理が「20年から30年は福島原発の被災者が元の場所に戻ることはできないだろう」と言ったとオフレコ発言がもれてきたが、この数字はチェルノブイリの半径30km以内の実態(25年間立ち入り禁止が続いている)と一致する。

 この3から9ヶ月と、20年から30年の間の乖離はあまりに大きい。
だから今回の東電の発表は大本営発表なのだ。

 

 

 

 

 

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