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(23.4.10) 東日本大震災 茨城空港の苦悩 飛行機が飛ばない

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 世の中の皮肉の中で、この茨城空港を襲った大震災ほどひどい皮肉はない。
東日本大震災が発生した3月11日はくしくも茨城空港の開港一周年の記念日だった。
会場の茨城空港は当時セレモニーのために華やかな雰囲気だったが、実際に起こったことは大地震で天井と照明が崩れ落ち大騒ぎになったことだった。その模様が、当日のNHKのテレビで映し出されて私も見ている。

 その後は宮城、岩手、福島を襲った大津波や、福島第一原発事故のニュースが日本だけでなく世界を駆け巡っていたため、この茨城空港のことはすっかり忘れていた。
しかし最近になって茨城空港が東電と同様に存続そのものが危ぶまれるほどの危機に陥っていることを、「独居Q翁つぶやき」と言うQ翁さんのブログを見て知った。

 もともと茨城空港はどこの航空会社からも相手にされず、知事が韓国のアシアナ航空に泣きをいれてやっとのことで一日1便を確保して開港した経緯がある。
その後はスカイマークが新千歳、中部、神戸に毎日1便運行し、中国の格安航空会社春秋航空が週2便の運行をしていた。

どうだ、飛行機がまったく飛ばない飛行場などと揶揄するやつがいたが、毎日飛行機が飛んでるじゃないか」茨城県知事は得意満面だったが、この東日本大震災で本当に飛行機が飛ばなくなってしまった。

 頼みのアシアナ航空は福島原発の放射能被害を恐れて6月末まで運休を決めており、その後の運行は福島原発の収束の経緯いかんにかかっている。
スカイマークは震災後も運行していたが、3月30日から4月3日まですべての飛行機の運航を取りやめて、機体の放射能の被曝調査をしている。
なにしろ、被曝していないことを証明しないとお客さんが乗ってくれないのです」と言うことらしい。

 中国の春秋航空は震災後運航を取りやめていたが、この4月1日から週2便の運行を再開した。
このため茨城空港は被災後の3月12日、13日と3月30日はこの飛行場を使用する飛行機が一機もなくなっていた。

 茨城空港は県がターミナルビルやエプロン等を運営をしているが、今後この茨城空港の運営費が県財政に重くのしかかることは間違いない。

注)茨城空港建設の総事業費は540億円で、本体の費用が250億円。他の空港建設に比較して相対的に安く済んだのは、元々ここが自衛隊の百里基地だったからである。
ここに滑走路を1本増設し、さらにターミナル等を建設して官民両用空港として開設した。

 当初は81万人の利用客予想で収支をはじいたがあまりの過大計画に県知事も恥ずかしくなって、開港当初は20万人に引き下げ赤字覚悟の出発になった。しかしこの20万人も確保が難しい状況になっている。

 韓国からの観光客は放射能被害を恐れて激減し、とくに福島原発に近い茨城空港は最も危険な航空と思われている。
スカイマークは就航したものの札幌便だけが黒字で名古屋便と神戸便は大赤字なものだから、これを機会に名古屋便をやめてしまった(その代わり札幌便を1便増やした)。

 春秋航空は4月1日から運行を再開したものの、どの程度の利用率になるかは予測不可能になっている。なにしろ空の玄関の成田空港でさえ外国人旅行客の数は震災前の半分から3分の1に激減しているのだから、福島原発に近い茨城空港の実情は推して知るべしだ。

 元々地方自治体が管理運営する地方空港は地方の見栄だけで作っている。ありもしない搭乗率予想をでっち上げ、実際に利用者がいない場合は航空会社に対する搭乗率保障空港使用料の引下げ等で何とか飛行機を飛んでもらっているのが実情だ。
お願いです。飛行機が飛ばないと誰も飛行場と思ってくれません。県の費用で保障しますから飛ぶ姿だけは見せてください

 しかし茨城空港はそれもはかない夢に終わりそうだ。福島第一原発の事故は想定外だが、もともと無理と無駄な飛行場を建設したのだからこの大震災で実情があらわになっただけだ。

 1990年ごろまでは日本は世界一の金持ち国だったが、その後の20年間の無駄な公共投資で疲弊してしまい、今東日本大震災で完膚なきまでに叩きのめされてしまった。
もう無駄な浪費はやめて、つつましく生きよう。見栄と繁栄の時代は終わった」そうした意識の変革が今の日本人に必要だと私は思っているが、なおGDP神話にとらわれている人も多い。

 なお、地方空港についての問題点を分析した記事は以下の通り。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat39217886/index.html

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コメント

「茨城空港は県が運営をしているが…飛行場を経営するには飛行場そのものの維持・管理費や、航空管制官や税関職員の人経費、その他航空ビルの管理費やらで莫大な費用がかかる」

いくつかご認識に誤りが…
百里飛行場は国が管理する自衛隊との共用飛行場。県の空港ではない。茨城空港は単なる愛称。
飛行場そのものの維持・管理費=国
航空管制官や税関職員=国家公務員=国

(山崎)ここが官民両用空港だったのを忘れていました。記事を修正いたしました。
県が負担したのはターミナルビルやエプロン等のみで、他の県管理の地方空港より随分安くできている。(周辺道路の整備費用等の方が高いくらい)

投稿: A | 2011年4月20日 (水) 01時01分

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