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(23.3.8) 日本政治衰亡史 前原誠司外相の辞任

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 小泉長期政権が終わった後は、日本の政治は完全に衰亡期に入った。
安倍、福田、麻生と3代続いた自民党政権がそれぞれ1年あまりで崩壊し、国民はあきれて民主党政権を誕生させたが、こんどは鳩山政権は1年も持たず、菅政権も風前の灯だ。

 菅首相はそれでもやる気満々だがまったく展望が持てない。
予算関連法案はほとんど国会を通過できそうもないのだから、いくら予算案を通過させても絵に描いた餅だ。
そしてさらに菅政権を追い詰めたのが前原外相の政治資金規正法違反に伴う辞任である。

 これは自民党が前原外相の足をすくうために仕掛けた政治的スキャンダルであり、政治資金規正法違反の金額は25万円である。
この25万円は韓国籍の小さな焼き鳥屋の72歳の女性が「誠司ちゃんのことは昔から良く知ってたので、毎年5万円の政治献金をして応援してあげよう」と献金したものだった。

 これが外国人からの政治献金を禁止した政治資金規正法に違反したのだが、元々の規正法の趣旨は、アメリカ政府からの自民党に対する資金提供、かつてのソビエトロシアによる社会党に対する資金提供、それと同じく社民党に対する北朝鮮からの資金提供を念頭において制定されたものだった。

 日本の政治が外国の意志で押し曲げられないようにする趣旨は正しいが、今回の焼肉屋のおばちゃんの25万円の政治献金を念頭に置いたものでない。
だから規正法の本来の趣旨からすれば「事務的なミス」という前原外相の弁明は聞き届けてやるべきだった。

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 しかし自民党と民主党の足の引っ張り合いはほとんど国益を無視するほどになっており収拾がつかない。
外相を約半年程度で変えてしまっては、外国の外相との会談さえままならず、実際3月に行われる主要8カ国外相会議や4月の日米外相・防衛担当者会議、中国の楊外相との会談も中止か新米の外相が担当せざる得なくなる。

 これがどんなに国益に反するかはオバマ政権のクリントン国務長官の活躍や、ロシアのプーチン首相の活躍を見れば分かるだろう。
政治家は経験を積んで始めて政治家になれるのだから、これでは日本の政治家はいつまでたっても高校の生徒会のレベルを脱却できない。

注)クリントン氏は中国企業をダミーにして中国政府から闇献金を受けているし、プーチン氏は政敵をでっち上げ容疑で獄につないで石油利権を取り上げた。前原氏の交渉相手とはそういう人たちなのだ。

 私はこのブログでしばしば記載しているが「政治と金」は国際政治においては第一級の関心事ではない
たとえばアラブの強権国家の元首は数兆円規模の資産をネコババして海外の銀行に隠している。
25万円でなく数兆円規模だ。

 日本の近隣諸国は中国や北朝鮮のように国家の財産と個人の財産が不可分な状態が普通で、そうした国家と日本は渡り合っていかなくてはならない。
身奇麗なことは好ましい性格の一つだが、それ以上に国益を代表してタフに交渉できる政治家を日本は必要としている。

 なのに「ようやく外相らしくなった前原氏を辞任させ、25万円のために尖閣列島も北方領土も失なってもいいのか」と叫びたくなるような気持ちだ。

 何度も言うが身奇麗さは政治家の第一級の資質ではない。身奇麗さだけだったら高校の生徒会長のほうがはるかにましだ。
この現実に気がつかなければ日本の政治的衰亡はいつまでも続くだろう。

注)本件と関連するブログは以下の通り
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat41223322/index.html

 

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評論 日本の政治 菅内閣」カテゴリの記事

コメント

大手マスコミの報道に出てこない点もあるので少し。赤字の注釈点は、前原氏も無縁ではないです。
公表されている収支報告書に記載した情報が二重に偽装されていることにも関心が必要です。
http://twitter.com/#!/minorucchu/status/42591511644209152
よその社名を引っ張ってきて社長名も入れ替えていたとされる件については、返金すればいいという問題ではなく、「では、本当はどこの会社なのか?」です。
この会社を、同僚議員に「献金してくれたよ」と紹介していたとされます。

もう1つ、国交相大臣の時にカリフォルニア州知事と面会し、新幹線建設の約束をした際、2兆円ものの国債を購入したら、カリフォルニアは実は財政危機でそれらがそっくり職員の給与に化けてしまった、ということを隠そうとしているのではないか、という指摘もあります。

今回の焼き鳥屋さんからの献金は、当のご本人は個人としての市民税、またお店の市民税を納入し社会的には帰化していると思いこんでいて、今回の件ではびっくりしているのかもしれません。とはいえ、「無知は罪」とも申します。むしろ、ご本人の帰化・納税状況も開示させるべきかどうかは悩ましいもので、それらを利用したスケープゴートの可能性も考えておいたほうが良いでしょう。

河野太郎氏は献金を受ける際、国籍確認をしているそうですが、事務局レベルでこまめにチェックしやすいよう、納税者番号を付記させ、国税庁も照会を随時受け付けるような
仕組みも望まれるでしょう。

投稿: 横田 | 2011年3月 8日 (火) 12時23分

元外交官のブログが書いています。「前原外相がやめたのは5万円の政治献金ではない。その事をきっかけに北朝鮮との過去の係り合いが次々と追求される事をおそれたからだ。対米従属と北朝鮮宥和という外交定見のなさが露呈されると、自らの政治生命が終わる・・」と。芋づる式に明白になってしまうものに蓋をしたかったのです。
しかし、本当に日本の政治はどうなっていくのでしょうか。政治家に任せてはだめだということでしょうね。どうやって日本を守って行けばいいのでしょうか。とまどうばかりです。

投稿: ざりがに | 2011年3月 8日 (火) 18時34分

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