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(23.3.22) 日本発リーマン・ショックは回避されたのか?

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 世の中にこれほどの皮肉はない。日本が東北地方を中心に観測史上最大の大地震に襲われ、福島第一原発では放射能漏れで大騒ぎをしていた17日円が急騰して76円台になった。

 急落ではなく急騰したのである。「東日本がつぶれるかもしれない」と菅総理が悲鳴をあげていたそのときに市場では円買いが進むというパラドックスこそ、現在の世界経済が抱えているいびつさを象徴するものはない。

 円売りではなくなぜ円買いになるかとの技術的説明は「大手保険会社が震災に伴う保険金支払いのため、海外に保有していた資産を処分するので円高になり、それを当て込んでヘッジファンドが円高をしかけた」と言うものである。

 これは確かに技術的説明にはなっているが本質的説明になっていない。
本質的には「なぜ保険会社はかくも多くの資産を海外に持っているか?」と言うことだ。

 このことは何度も記載したのでこのブログの読者は承知していると思うが、日銀の行った金融緩和策の資金は国内に留まらず、ほとんどが新興国の株式や海外の原油や鉄鉱石や食料に投資されている。
日本国内にはまったくといっていいほど投資機会がないのだから、保険会社としては収益を上げるための苦肉の策だ。
稼ぐためには致し方ない。ただの資金を日銀が提供してくれているのだから大いに稼ごう

注)この投資は保険会社だけでなく、国内の金融機関、大企業、そしてヘッジファンド、個人の投資家が行っている。

 ところが最近この新興国を牽引とする世界経済の拡大はピークを打ったのではないかと懸念される予兆が随所に出始めた。一番大きな理由はインフレで、特に食料品価格と鉄鉱石等の原材料価格がリーマンショック前と同様に急騰し始めたからだ。

 おかげで新興国はインフレを抑えるために指標金利を上げたり、準備率を上げてインフレ退治に躍起となり、「8%の成長率がないと国内で不満が爆発する」といっていた中国でさえ、今後5年間の経済成長目標は7%だという。
それで国内は安定するのかい・・・」皮肉を言いたくなるがインフレには勝てない。

 中東各国ではエジプトチュニジア、そしてカダフィ大佐のリビアが食料価格高騰に伴うデモを端緒に次々に崩壊し始めた。
そして欧州中央銀行もこの4月からインフレ退治のため指標金利の引き上げを行う予定だ。

どうやら世界経済はこの辺がピークで、鉱物資源や食料の投機も手仕舞いの時期ではなかろうか・・・・・」市場がそう思っていたときに日本の東半分が崩壊するかも知れないということになり、パニックになった。

 こうなれば誰でも投機資金を回収したくなるのは当たり前だ。「今のうちなら利益が出るが遅れれば遅れるほどリーマン・ショックの二の舞になる」
怒涛のような資金回帰が進んでたちまちのうちに円高になってしまった。

注)食料品や鉄鉱石や原油に投資していた資金を回収して現金(ドル)でもっておく選択もあるが、日本の金融機関から資金を調達しているヘッジファンドは利息がかさむためあわてて返済に走る(返済は円)。
このときドルを売って円を購入するため円高になる。

 財務省はあわててG7の各国に泣きついて協調介入を依頼した。世界も日本発リーマンショックが発生したら大変だからこの協調介入に賛同する。
大震災で傷ついた友人の日本を助けよう」と大義名分は十分立つ。
おかげで円は82円台まで円安が進み、その後は80円台で推移している。

 さて今後の円の動向はどうなるだろうか。私の予想は世界経済が停滞局面に入れば投機資金が日本に回帰してくるので、円高傾向は収まらないと思っている。
当然日銀は懸命に円売りドル買いをするだろうが怒涛のような資金の返済を押し留めるほどの力は日銀にはないだろう。
どこかで協調介入の体制が崩れて、ジリジリと円高は進むのではなかろうか。


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