評論 日本の経済 財政金融政策

(28.9.24) 最後のサプライズは長期金利の誘導だ!!  日銀のむなしいパフォーマンス

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 黒田日銀
が再びサプライズを狙って編み出した手は長期金利を0%前後に据え置く目標金利の設定だという。
年80兆円に上る資金の供給をしてもダメ、短期金利をマイナスに誘導してもダメ、残るのは長期金利しかないではないか」日銀苦肉の策である。

 黒田日銀としたら13年4月以降の金融緩和策によっても消費者物価を約束の2%に引き上げることはできず、さらに今年2月の短期金利のマイナス誘導も不発に終わってしまったため、最後の切り札として長期金利を0%前後に固定する政策を採用するという。
キャッチフレーズは「量的緩和に金利政策を加味する」というのだが、市場からは笑われている。
黒田さん、何も誘導などしなくても長期金利は0%前後に張り付いてますよ!!!」

 黒田日銀としては消費者物価が上昇するのではなく低下するのを見て「何か行わないと日銀の権威がすたる」との危機感でアナウンスメントしたのだが、もはや日銀ができる量的緩和も金利政策もほとんど賞味期限切れになってしまった

 毎年80兆円規模の資金を投入しても物価は上昇せずGDPもほぼ横ばいで企業は設備投資意欲を完全に失っている。
黒田さん、資金を緩和してくれるのはありがたいのですがこの資金で生産を増やしても売るべき場所がないのです・・・・・・

 日本は完全に少子高齢化でさらに劇的な人口減に見舞われているので、国内需要はじり貧だ。
子供はいないし、いるのは爺さんばあさんばかりで消費意欲などはどこかに吹っ飛んでいる。
今まではそれでも輸出という手もあったが、ここにきて世界経済が急ストップしてしまい、貿易などは月を追って低下している。
金があっても、また金利がいくら低くてもこれではどうしようもありませんな」企業家マインドが完全に冷え切った。

 資金は必然的に不動産や株式といったそれ自体は価値がないが不労所得が当てにできる世界に流れていき、東京などは意外にも地価の上昇が発生している。
これは世界共通で隣の中国などは緩和した資金がすべて不動産投資に向かっているため大都市の住宅価格が再び上昇し始めた。
日本人は不動産バブルを知っているからそれでもおっかなびっくりだが、中国人はその恐ろしさを知らないから舞い上がっている。
政府が金を出してくれるのだから不動産を購入しなきゃそん、そん!!!」

 だが世界全体をみると2008年のリーマンショックにこりているため不動産投資も株式投資も資源投資も頭を押さえられている。
世界経済が低下傾向を示しており、中でも中国経済が崩壊しつつあるときにのんびりと不動産や資源に投資している余裕など本当はないからだ。
こうした投機資産は購入したら売らなければ全くの価値はないが、売る相手などいない。

注)中国の不動産投資は中国人だけが行っており海外の投資家は手を引いている。

 前から何度も言っているが経済も人間の身長と同じで、青年期には当然身長も伸びるが二十歳を過ぎたら伸びも止まるように経済も成長期が過ぎれば止まる。
20過ぎの青年に無理やり食事をさせるとただひたすら肥満になるが経済も同様に肥満になる。
アメリカや日本の金融緩和策とはただひたすら肥満児を作っては体重が増えたGDPが増加した)と喜んでいるに過ぎない。

 だがその肥満にも限界があり小錦以上に太ることは不可能だ。日本経済は成長点を過ぎたのだからGDPを増やすことなど考えるのが間違っている。
なぜ今以上の生活をしなければならないか考えてみてほしい。「足りるを知る」のは個人の知恵だけでなく国家経済の知恵でもある。
日銀がサプライズを繰り返す時代はすでに終わったのだ。



 

 

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(28.6.6) 消費税増税はありえない選択。 安倍首相の適切な判断

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 安倍首相が消費税の8%から10%への増税をさらに2年半延期することを決めた。26年11月に一度目の延期を決めてから二度めの延期だ。
世界経済は想像を超えるスピードで変化し、不透明感を増している」のがその理由とされているが、簡単に言えば中国経済が崩壊し、アメリカ経済もシェール革命の終焉で高成長は終焉してしまったからだ。

 どこをみても成長の要因はなく、先進国は1%程度の成長が可能かどうかの超低空飛行だし、中国経済は統計数字だけでだまかしてきたが、世界各国の対中国貿易が激減しておりいくら統計数字をごまかしても中国経済が崩壊していることは明白になっている。
だからこのような時に増税をすればかろうじて1%程度の成長をしているのにマイナス成長に陥り、法人税も所得税も減少するので消費税増税は実質的に財政の赤字幅を増大してしまう。
何のことはない増税が実質減収になってしまうのだからしない方がましだという判断になるのは当然だ。

 財政当局の意図とは別に増税すると税収が減ることは橋本内閣時代の消費税増税で経験済みでもはや増税をするのは低成長下の先進国経済ではありえない選択だ。
消費税導入の延期を見てアメリカの格付会社はさっそく日本国債の格下げを検討し始めたが、実際は格付会社の評価は何の意味もない。
日本国債の90%以上は国内で消化されており、実際に保有するのは日本の金融機関や保険会社であって、日銀の意のままに動く日本グループのメンバーだ。

注)かつて橋本内閣が消費税をアップした時は、景気が低迷し確かに消費税は増えるのだが法人税と所得税が減って結果的に国庫全体の収入が減少してしまった。

 だから格付が何であろうと日本国債は順調に消化され全く問題がない。これはギリシャといった貧乏国との最大の違いで、日本は世界最大の債権国で日本以上の金持ちはなく、かつ毎年経常収支は10兆円規模で積みあがっている。
黙っていても日本国債は消化され、返済資金は借り替えで十分対応できる。
ブタクサのような役に立たない格付会社が何を言ってもわが国の国債は安泰だ!!」
金融担当者の本音だ。

 アメリカの格付会社が格付を行うのはアメリカ市場で債券や株式を発行したり、外貨調達をするときの基準とするからだが、そもそも日本企業は日本市場で十分すぎるほどの資金手当てができるし、今日本はマイナス金利なのだからこれ以上の市場はない。
外貨調達でも日本の外貨準備は中国と一二を争っており、いざといえば日銀がアメリカ国債(外貨準備でアメリカ国債を購入している)を売却して手当てすればいい。

 中国も外貨準備は潤沢だが、実際は石油や鉄鉱石の鉱山開発に湯水のように使用して焦げ付いており、流動性のある外貨準備は日本の方が上で、世界最大の外貨準備国は日本といえる。
だからS&Pやムーディーズが何を言おうとも日本国は財政再建などする必要性がないのだ。
必要があれば国債を発行する。それで何が問題なのだ!!」

 財務当局は国債は返済しなければならないというが、実際は国債が返済されることはない。借り換えが未来永劫に繰り返されて実際は税金と何ら変わらないのだ。利息の支払いはあるが今はマイナス金利だからかえって利息をもらっているのが実態だ。
どうか日本政府さん、国債を発行してください。私どもがいくらでも購入します!!プレミアムをつけます!!」市場がそう要求している。
日本国債ほど安全確実な資産運用はない。原油や鉄鉱石や不動産が総崩れの時にこれに勝る資産保有などない。

 繰り返すが日本は世界最大の債権国で金持ちで、しかも毎年のように資産が積みあがっている。だから外国から資金調達する必要性は全くなく、日本国債はいくらでも売れる。
財政再建をするのは貧乏国で借金をしないと生きていけない国で日本はその対極にある国だ。
ブタクサのような格付会社が何といおうとも、また財政当局がヒステリーになろうとも、消費税増税は日本という金持ち国家にとっては何のメリットもなく害悪だけが残る。
もはや増税などありえない選択だと断言しておこう。

 

 

 

 

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(28.2.4) 黒田バズーカが不発に終わり資源国経済が崩壊に向かっている!!

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 「これはまずい!」という状況になってきた。世界経済の動向である。1月29日に黒田日銀のマイナス金利のバズーカが炸裂し、2日間にわたって日経平均は約800円程度上昇したのだが、3日目に約600円程度急落してまた元の水準に近づいた。
バズーカの効果がたった二日間で終わろうとしている

 黒田日銀マイナス金利を世界が好感したもののそれだけでは十分でなかったようだ。
先月末あたりから原油価格が1バーレル33ドル程度に上昇していたが、これはロシアとオペックが協調減産する話し合いに入ったというニュースを市場が好感していたからだ。
黒田バズーカと原油の協調減産で、世界の株式市場は「ようやく底入れになった」という安堵感がただよっていたが、協調減産の話し合いは決裂になったらしいという報道を受けて再び株式市場は値下がりに転じた。

 今問題なのはこの先原油価格がどこまで値下がりするかだが、協調減産がなければ20ドルを目指すのは確実だ。
この水準で生産を行ってもなお黒字なのは中東の石油国ぐらいで、シェールオイル海底油田などはとてもコストを賄えない。
ロシア、カザフスタン、ベネズエラ、ブラジルといった資源産出国の収入が激減しており、いつまで持つかといった状況になっている。

注)ロシア経済の現況についての詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44368795/index.html

 ロシアあたりはそれでも原油価格が高かった時に基金を設置して貯蓄がそれなりにあるが、ベネズエラやブラジルといったポピュリスト政権はあった金をほとんどばらまいてしまったのでここに来て国家財政が破たんの危機に陥っている。
そのため投資ファンドはこうした国から資金を引き上げているのでブラジルのペテロブラスなどはいつ倒産してもおかしくないような状況になっている。

 また日本でも資源開発を熱心に行ってきた商社が16年3月期の決算見込みを下方修正しているし、資源関連企業も減収減益になりそうだ。
もっとも日本全体では原油をはじめとする資源価格の低下は福音で、特に電力業界などは泣いて喜んでいる。

 消費国にとっては原油価格の低下はプラスだが、資源国は国の存立問題に発展しており、また資源国に対する輸出や投資で潤っていた中国や韓国といった国の経済もがたがたになっている。
今回の資源国ショックは前のリーマンショックに匹敵するかそれ以上の影響を世界経済に与えそうだ。

 ただリーマンショックと異なるのはじわじわと資源国とそこに依存してきた経済を痛めつけることで、長期にわたって景気の後退局面が現れそうだ。
リーマンショックが世界の経済の中心であるアメリカとサブプライムローンを買いまくっていた欧州経済に襲い掛かったのに対し、今回の資源国ショックはロシアやサウジアラビヤやブラジルといった資源国の経済とそれに深く相互依存していた中国や韓国の経済を襲っているところが違う。
新興国の中国と資源国への輸出で持っていた韓国は昨年から日本が経験した停滞の20年に突入したので、20年程度は世界経済の病人なるだろう。

  中国は国有会社の過剰な生産設備の淘汰と不動産バブルの清算と地方財政の立て直しが必要だし、韓国は異様には膨れ上がった民間借り入れの整理と不動産市場のバブルの整理が終わらない限り復活はあり得ない。またパク・クネ政権が懸命に支えてきたゾンビ企業の整理も待ったなしだ。

 日本がなぜ20年も苦しんだかといえば、無価値な不動産在庫の整理ができるまで何をしても景気が回復しなかったからだが、それと同じ事が中国と韓国経済に襲い掛かっている。
資源国は中国だのみだったが、中国が停滞の20年に突入してしまったので資源価格も新たなプレーヤーが現れるまで は停滞のままだ。
消費国にとってはまずまずの状況だが世界経済全体としては停滞局面に入ってきた。

 

 

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(28.1.31) 日銀黒田バズーカの炸裂 「驚いたか、今度はマイナス金利だぞ!!」

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 「なるほどね、しかし驚きだ」山崎経済研究所の山崎所長が驚いていた。日銀の黒田総裁が発表した「マイナス金利の導入」のことである。
年初来世界的な株安と円高基調が続いていたので日銀が何か手を打つことは予想されていたが、大方の予想は量的緩和の拡大で現行の年間80兆円規模を120兆円あたりまで拡大するのだろうと予想していた。

 ただこの量的緩和策の拡大に は問題があって、市中から国債を購入して資金を供給するのだが日銀の購入額はすでに発行済み国債の3割を越えており、このままいくと国債の日銀引き受けと何ら変わらない状態になる可能性があった。
それなら日銀は国債を直接に引き受けろ」との政界からの大合唱になることを日銀は恐れたのだ。

注)日銀は第二次世界大戦中に戦時国債を直接引き受けた経緯があり、戦後すべての国債が無価値になった。これをうけ日銀は国債の日銀引き受けは絶対に行わないとの立場を堅持している。

 さらに現状でもせっかく市中にばらまいた資金が貸出先がない等の理由で日銀に逆流しておりその金額は約250兆円になっている。これは市中金融機関の資産の約2割相当になる。
いくら市中に金をばらまいても結果として日銀の当座預金になるのでは何にもならない。
もはや量的緩和策だけでは無理か・・・・・・・・・・・

 そこで考え出されたのが欧州中央銀行スイスが採用しているマイナス金利の導入で、預金にペナルティーを課す方式である。
日銀に預けた当座預金がマイナスになるくらいなら金融機関が貸し出しに奔走するという読みだが、実際はおいそれと優良な貸出物件があるわけでないので必ずしも貸し出しが伸びるとは言えない。
先進国経済は完全にピークアウトしており、これ以上の投資は過剰投資になる可能性が高いからだ。
したがってこの資金は国内ではもっぱら株式と不動産投資に向かい、黒田日銀のバズーカが炸裂するたびに株式と不動産が値上がりしていた。

 簡単に言えば日銀の量的緩和とは資金を株式と不動産市場に流して一種の花見酒の経済を演出し、市場で大金を手にした人たちが浮かれて大盤振る舞いをすることを狙ったものだ。
株高、不動産高、資源高で一種のユーホリアの状態になり、二件目の住宅を購入したり、高級乗用車を乗り回したり、100万円以上するワインを飲んだりする人が増えるので景気が一気に回復する。
ただしこうしたあぶく銭による需要は必需品とは言えず、はっきり言えばなくても全く困らないものだ。

 何度も言ってきたが経済も人間の肉体的成長と同じでどこかでストップする。先進国における金融緩和とは、すでに成長限界に達している経済をそれ以上の虚飾の生活をさせるために金融を緩和しているのであり、中年になって酒やたばこを吸って中年太りになっているのと同じだといえる。

 今回の黒田日銀のサプライズによって世界の株価は一斉に上昇したし、円は円安に振れ黒田日銀が意図した通りの結果になっている。
誰かがこの株安と円高の流れを止めなければならなかったのでそれを日銀黒田が引き受けたということだ。
確かに中国をはじめとする新興国経済と資源国経済は悪化の一途をたどっているが、アメリカと日本の経済はまだ健全だ。
日銀はマイナス金利で、FRBは金利引き上げを中止することで、この2国が虚飾の経済によって世界を引っ張っていく構図が見えてきた。

 



 


 

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(27.4.28) 国債の市場消化と日銀引き受けは何が違うのか 「質問に対する回答」

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 ブログの読者のhiromiyaさんから、昨日記載した「再びバーゼル委員会が動きだした。「日本の金融機関の活動を制限しろ!!」に関して、以下の質問を寄せられた。実はこの疑問は誰もが抱く疑問なので回答をしておきたいと思う。

昨日のブログの内容は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-e0e3.html


質問

現行の日銀の民間銀行からの国債買い上げと、山崎所長が危惧されている日銀の直接引き受けでは、民間銀行が間に入るだけの違いであり、市中に円が増加するのはどちらも実質は同じで、結果はどちらも円の価値を薄めることになります。
したがって、直接引き受けの方がインフレ大であるとは言えないと思いますがいかがでしょうか。
浅学の私の理解では、民間銀行を介する現行方法は、直接引き受け時の、日銀、政府の拙速判断、あるいは癒着を防ぐ程度の機能であって、その実質的な差はない思うのですが


解答

 この問題の根は深く、政治家と伝統的日銀マンが鋭く対立してきた争点になっている。
2010年に鳩山内閣の金融担当相大臣だった亀井静香氏は盛んに「中長期的財源確保のための国債を日銀に引き受けさせろ」と吠えていたがこれが政治家の一般的な態度であり、一方時の日銀総裁だった白川氏はこれに激しく抵抗した。

 亀井氏の主張の趣旨は「国債の民間への売却も日銀引き受けも同じなのだから、面倒なことを止めて直接日銀が国債を買い取れ」ということでこれはhiromiyaさんが思っていることと同一である。
これに対し当時の白川総裁は「日銀が市中から購入する国債には限度を設けており、それ以上の購入はしないことにしている。それは日銀の独立性の問題であり日銀が国家の財布でないことの証だ」と反論した。
これは日銀の自主規制と言われ、「国債は通貨発行額の範囲に抑える」というものだった。

 hiromiyaさんの質問の「間に金融機関を入れているだけではないか」との質問の回答としては市場にある国債のすべてを日銀が購入すれば市場消化と日銀引き受けは同じだという回答になる。
実際は広義の国債残高1000兆円のうち現在日銀が金融機関等から購入した残高は約250兆円であり、残りの750兆円は市中で消化されている。
だから現状では市場消化と日銀引き受けは全く同じとは言えない。

 問題の本質はそこにあって政治家は全額国債を日銀に引き受けさせようとしているのに対し、当時の日銀は部分的にしか引き受けないと反論していたのだ。
もし全額日銀が引き受ければそれは通貨の印刷とおなじで単なる造幣局になってしまう。
日銀の独立性とは日銀は通貨の番人で「物価を常に安定するように通貨を供給する使命がある」というのが当時の日銀のスタンスだった。

 だが現在の黒田日銀総裁はそうした立場をとらない。日銀は通貨の番人ではなく、それどころかインフレを誘発して景気を上向かせる使命をもった政府の一機関だという認識だ。
黒田氏ははっきりとは言わないが実際は「日銀は政府の犬」だといっているのだ。
そして無制限に国債を購入すると公言しているため、現在の25%の比率が加速度的に上がっていく可能性が高い。
50%を越えるころから「中消化も日銀引き受けも実質同じじゃないか」という議論がかまびすしくなりそうだ。本質的に市中消化と日銀引き受けは程度の差だからだ。

 日銀が従来「通貨発行額の範囲内という自主規制」を設けて激しく抵抗してきたのは、少しでも油断すると日銀が政府の便利な財布になるのが確実だからだ。
もし今でもこの白川日銀の自主規制を守っていれば通貨発行額は約100兆円だから、とても250兆円の国債購入はできなかったことになる。だからすでに黒田日銀は150兆円相当政府の財布の役割をはたしたことになる。

 日本において日銀の独立性をやかましく言ってきたのは、戦前は戦争遂行のための戦時国債のほとんどを日銀が引き受け、その結果敗戦後のハーパーインフレ(計算方法にもよるが約500倍)をもたらしたとの深い反省によるからだ。
民間が購入する場合は金融機関等が保有する預金の範囲内になるが、日銀の場合は自分が通貨の発行権限を持っているので無制限に可能になる。いわば縛りがなく糸の切れた凧と同じだ。

 これは本当にそのたとえ通りで市中消化は糸で引っ張っている凧、日銀引き受けは糸の切れた凧と全く同じだと思っていい。
中国やロシアは中央銀行と政府が癒着しているから、無制限に国債や通貨を発行したりできる。実際エリツィンが国内視察に回るときは印刷したルーブルを飛行機に積んで現地でばらまいていた。

 さてこれでhiromiyaさんへの回答になっただろうか。現状は日銀の国債保有割合が25%だから市中消化と同じではないが、黒田日銀総裁の政策を進めていくと日銀引き受けに急速に近づいていくというのが実際のところだろう。

注)山崎経済研究所を立ち上げ自分がその所長になったというのは冗談なのだが、所長などと言われるとすっかりその気になってしまう。いや恐ろしいものだ。
 


 

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(24.12.25) NHKの日本国債への警告 「安倍さん、本当に国債増発ばかりでいいの?」

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  NHKが「日本国債」と言う番組で安倍総裁に警告を発した。「本当にそれでいいのですか?」と問うている。

 すでに日本は世界最悪の1000兆円規模になっている公的債務があり、そのうち700兆円日本国債になっている。
安倍総裁は今回の衆議院選挙の期間中「日銀を政府に隷属させて建設国債を日銀に引き受けさせる」と公言していた。
言うことを聞かせるように日銀法を改正する」とも言っている。
白川日銀総裁はほとんど壁際に追い詰められ、政府との物価上昇率2%の確約を迫られつつある。
何でもいいから日銀券を刷ればデフレから脱却しインフレになる。だからドンドン印刷してばらまけ」安倍総裁の経済政策だ。

注)安倍総裁の金融政策については以下の記事で批判をしておいた。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-23a0.html

 確かに紙幣をばら撒けばインフレになることは確かで、これはロシアのエリツィンが最も得意とした政策だった。
エリツィンは遊説をするときは飛行機いっぱいに印刷したばかりの紙幣を積んで、遊説先でばら撒いた。
もらった市民はすぐさま闇でルーブルドルに代えて保管したがそうしないとたちまちのうちにルーブルが紙くずになってしまうからだ。

 当たり前のことだが経済規模が拡大しない限り紙幣の増刷はインフレだけをもたらし、給与生活者と年金生活者に塗炭の苦しみを残す
安倍総裁は円の増刷で公共工事を拡大すると言っているが、不要な拡大工事は今度はその後のメンテナンスに莫大な費用が必要になる。
首都高が開業から50年たちボロボロになっており、最近では中央高速笹子トンネルで天井壁の落下が発生したばかりだ。
現実は新規公共工事をするよう余裕などなく、メンテナンスで手一杯と言うのが実態なのに、また無駄な箱物だらけにするつもりだ。

 そうした状況を見て日本国債を喜んで購入していた金融機関が、現在国債の発行現場では消極的になり始めている。
みずほFGでは総資産165兆円のうち5分の1約33兆円が国債の購入に当てられている。
なぜ今まで金融機関が国債の購入に応じたかというと、国内には他に有力な貸出先はなく、一方で日銀がただ同然の資金供給をしてくれるので利回りが1%程度でも鞘が抜けるからだ。
昨年1年間で収益が1500億円になりました」と言っていた。

注)現在金融機関にとって最も安全で確実に収益を挙げる方法が日銀からただの資金を借りて日本国債を購入する方法で郵貯や簡保はこれ以外の運用をしらない。

 しかし日本国債にもリスクがあり、現在1%程度の利回りが上昇すると持っている国債の価格は減価するのでたちまちのうちに金融機関は含み損を抱え倒産の危機に陥る。
ギリシャ並みの40%、ポルトガル並みの23%、アイルランド並みの19%になったらどうしようかと言う問題だ。

 だがなぜか日本国債の利回りは1%程度に張り付いたままだ。最大の理由は日銀が市場で国債を買い支えているからで、日銀の保有する国債は80兆円規模にふくらみ、特に今年だけで40兆円国債購入を実施した。
大丈夫だ、もし国債の価格が下落しそうになれば日銀が購入してくれる。ラストリゾートは日銀だ!!!」

 日本の一般会計予算は約90兆円で内半分の45兆円は国債発行でまかなわれている。それに相当する金額を日銀が市場から買い上げているのだから、実際は国債の日銀引受となんら変わりがない。

 この状況を見て海外のヘッジファンドが日本国債の空売りを仕掛けてきている。利回りが1.5%になれば収支がトントンで3%になれば莫大な利益が出る相場にかけている。
世界的な投資家ジム・ロジャースがシンガポールで講演を行った。
日本は少子高齢化で人口が減少し、移民の受け入れには消極的だ。社会保障費は毎年1兆円規模で増大しているが、生活水準の引下げには応じようとしない。
仕方なく国債発行で帳尻を合わせているが限界が近づいた。今日本国債の値下がりにかければ莫大な収益が上げられるだろう

 日本の財務省は日本国内だけの国債消化が行き詰ると見て海外投資家に日本国債の購入を呼びかけている(今ジリジリと海外投資家の保有が増大している。従来は国内で95%の消化を行っていたが最近は90%程度に落ちてきた)。

 NHKの警告はこうだ。
確かに今までは国内の金融機関が国債購入に応じてくれた。また国債価格の低下を防ぐために日銀が市場で国債を購入している。
しかし国債の発行額は毎年のように増大し、金融機関の購入限度を越えつつある。限度を越えれば国債は紙くずになる。そのときは必ず来るがそれは何時か


なお、日本の財政・金融政策については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/1/index.html

 

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(24.12.4) 余計な公共投資の時代は終った。 これからは維持・補修の時代だ。 笹子トンネルの天井板落下事故

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  とうとう恐れていた事態が始まった。古いトンネルや橋梁や高速道路やダムや壁面の崩壊現象のことである。
12月2日に発生した笹子トンネルの事故では、重さ1トンの天井板200枚が110mにわたってトンネル内に落下し、走っていた車3台が巻き込まれ死者は9名になった。

 笹子トンネルは今から約35年前の高度成長真っ只中の1977年に完成されたトンネルで、全長約5km、上下道別で、横流換気方式という換気方式を採用していた(天井に排気ガスを通す通路と新鮮な空気を送気する通路がある)。

注)現在はこの横流換気方式は一世代前の方式になり、今では縦流換気方式と言って一方のトンネルの端からファンで空気を送り込んで排気と新鮮な空気の送気を同時に行っている。

 この天井板は上のコンクリートに固定されたボルトによって吊り下げられているが、このボルトが経年劣化によって抜け落ちたのが今回の事故ではなかろうかと専門家が推測していた。
この吊天井方式全国で49箇所あり、国土交通省はすぐに同方式を採用しているトンネルの再点検を命じている。

 しかし私が一番問題だと思っているのは、トンネルであれ橋であれ高速道路であれ、作るときは「公共投資だからどんどん作れ」と不要な公共施設まで作るのだが、その後の維持・補修についてはまったく考えていないことだ。
最近になってようやく老朽化対策の専門家会議が発足したが、信じられないような後手の対応だ。

 考えても見てほしい。今回のトンネルのように35年間も経過すれば経年劣化で災害が起こるのは当然だ。
ところが安倍総裁の言葉を聞いても「全国で公共投資をおこなえば景気が回復する。そのための建設国債はすべて日銀に引受させる(日銀券を印刷させる)」と言って新規の建設をじゃんじゃん推し進めようとしている。
しかし作った公共施設は必ず劣化し、その後の維持補修に莫大な費用がかかることになるがそのことはまったく考慮されていない。

注)安倍総裁の政策についてについて、特に新規の公共工事がまったく無駄に終ることを以下の記事で述べておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3a83.html

 私は土木関連の知識はないが、システム開発でも同じ問題が常に存在し、新しいシステムを作っても古いシステムをそのまま残して両方の面倒を見なければならない状況に良く追い込まれた。
システムが2倍になりその維持費用も2倍で、それを運用する要員も2倍、ディスクやテープや夜間作業も2倍になった。
システムは金食い虫と言われたが、本当は不要なシステムを次々に作った結果である。

注)古いシステムにも利用者がいて「このシステムがなくなると仕事ができなくなる」と抵抗された。

 ちょうど新幹線を作っても従来線を残せと言われたり、新しい飛行場を作って古い飛行場を閉鎖しようとしたら住民運動が起こって閉鎖できなかったり、漁港はすべての漁村に作れと言われたりしたのと同じだ。
公共施設は作れば作るほど後の維持・補修対応が大変なのだから、不要な公共投資は絶対にしてはいけない

 今30年以上経ったトンネルは359箇所あるが、それをすべて補修するにはどれだけ費用がかかるか分からない。
金も時間もない場合は中央道や東名や名神と言った幹線道路を中心にすべきなのだが実際はそうはならない。
劣化はどのトンネルにも起こるから、補修要員はすべてのトンネルをチェックせざる得ず、問題があれば交通量の多寡に関係なく補修しなければならない(僻地のトンネルでも中央道でも経年劣化すれば補修は必要になる)。

 このため少ない補修費用をすべてのトンネルに振り分けないとならなくなり、実際は有用か無用か関係なく少しずつ補修が行われる。
北海道の熊とキツネが遊ぶ道路の補修も中央道の補修も同じレベルなのだから、特に交通量の多い道路に問題が発生する。

 日本は人口がますます少なくなり僻地からは人が消えている。
それなのに補修をしなければならない道路やトンネルや飛行場や港湾はわんさかとあって、しかも補修費は新規投資に比べると圧倒的に少ない
日本ではこれ以上の道路もダムも飛行場も港湾も必要なく、どうすればそれを撤去できるかを考える時代に入っている。

 公共投資の時代はすでに終っている。
これからはすべて維持・補修に回すべきで道路やトンネルは作る余裕などなく、道路も飛行場も不必要なものは閉鎖すべきなのだ。
そうした時代が来たことを笹子トンネルの事故が教えてくれたが、政治家は分かってくれるだろうか。

 

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(24.11.28) 為替相場は金融政策で決まる  なぜユーロ高か?  安倍総裁の金融緩和発言で市場は大騒ぎ

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 為替相場は経済実態を反映するか?
もし反映すると答えたらそれは20世紀の経済学的センスで、反映しないと答えたら21世紀の経済学的センスである。

 21世紀に入りリーマンショック前まで日銀が行った超緩和策によって為替相場は経済実態と切り離され始め、リーマンショック後アメリカ、EU、日本の更なる超緩和策で為替相場は経済実態とまったく無関係になってしまった。
今の円、ドル、ユーロ相場はその中央銀行が行う金融政策、はっきり言えば金融緩和の程度に反映して動いている。

注)金融緩和の総額は大雑把に言ってアメリカ:EU:日本は3:2:1の割合。
ただし経済規模はアメリカ:EU:日本は3:3:1だからGDP対比にすると日本とアメリカは同規模、EUは金融緩和の程度が低い

 そのことを再確認させたのが安倍総裁の発言に伴う昨今の円安、ユーロ高、ドル高である。
現在ドルは82円程度、ユーロは106円程度で推移しており、これは今年4月以来のドル高、ユーロ高水準だ。
なぜこのような状況になったかというと自民党安倍総裁が「この衆議院選挙で勝利したら無制限に円を刷りまくり、日銀を政府のイエスマンにする」と言ったからだ。

 「円は確実に下がる、今のうち円を売ってしまえ」金融機関やヘッジファンド、そして円をたっぷり持っている資産家が色めきたった。
さらに手持ちをしている円を売るだけでなく、円を借りてドルやユーロと交換しておけば確実に儲かるし、オーストラリアドルのように金利の高い通貨であれば鞘も稼げる。
これを円キャリー取引と言うが各国のヘッジファンドが色めきたっている。
ほれ、又日本がもうけさせてくれるぞ、円を借りて利ざやでぼろもうけだ!!」

 
 最も円を売った資金は他の通貨や物に換えなければならない。
現在の動きは信じられないことに主にユーロに向かっている。
常識的には今まで世界中から無視されてきたユーロが復活したのだから不思議だ。
ギリシャ支援は相変わらずおたおたしているし、スペインカタリューニャ地方の選挙ではスペイン独立派が勝利して気勢を上げている。
何一つ評価する内容がないのにユーロ高なのは、円は低下するしドルはまだ危ないと判断したからだ。

 ドルは「財政の崖」問題が片付いていないから、もし政府と議会の話し合いが決裂すればFRBのバーナンキ議長が再び無制限の金融緩和を行う。
一方日本では自民党が勝利すれば安倍総裁がここも無制限に金融緩和を行う。
今、まだまともなのはメルケル・ドイツ首相ががんばっているユーロだけじゃないか」こうして資金がユーロに集まってきた。

 日本は円安になったので輸出産業が一息つけると判断されて株高になってきた。
日本経済は直近でマイナス成長になり評価できないが、それでも株高なのは単に円安になったことに伴う調整に過ぎない。

 日銀の白川総裁は講演で「政府の為替介入と相まって日銀の金融政策は円高への一定の歯止めとして作用している」と言って、日銀の金融政策の正当性を強調した。
さらに「央銀行に出すお金の量によって為替レートが決まるという議論があるが、そうした関係は確認されていない」とまで言い切った。

 しかしこの白川総裁の後者の言葉は真実でない。
安倍総裁無制限の金融緩和を言ったとたんに資金が日本から逃げ出して円安になったのを見ても分かる。
経済規模が一定の時通貨量の増大は必ずその国の通貨の価値を減価させる。
為替相場は中央銀行の発行するお金の量に連動する。

注)第一次世界大戦後のドイツや、第二次世界大戦後の日本、そして最近のエリツィンのロシアやアルゼンチンで起こった超インフレはその例。

 今まで円高だったのは日銀がアメリカやEUの金融緩和策に比較して抑制的だったからだ(だから前原財務担当相や安倍総裁がいらいらした)。
これは21世紀の最初の10年間に日銀が行った金融緩和がリーマン・ショックを引き起こしたという反省があるからだ。
金融緩和は単にバブルを助長するだけで、必ず大きなクラッシュを引き起こす。経済政策はあくまで財政と規制緩和で行うべきで、金融政策は裏方に過ぎない」という気持ちが日銀にある。

注)リーマン・ショックの原因が日本の超金融緩和にあったと日銀が正式に認めた訳ではないが、通常の金融のセンスを持っていればそう思う。

 安倍総裁が首相になれは円安傾向は続き、円の価値は漸減する。
そうした通貨を持ちたくないのは誰でも同じで、今まで日銀の抑制的な金融政策を評価していた市場は今一斉に円を売っている。
そしてさらに21世紀の最初の10年のように円キャリー取引でヘッジファンドは莫大な富を儲けようとしている。

注)私はこうした世界にバブルをばら撒く政策には反対なのだが、それは以下の記事で述べてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-c7f9.html
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3a83.html

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(24.11.15) 白川日銀総裁が無策の政府に噛み付いた。 金融はしっかりやっている、駄目なのは政治だ!!

Dscf5912

 日銀の白川総裁が12日の衆議院予算委員会で「日銀による外債購入は必要なく、日銀はデフレ脱却に最大限の努力をしており、リーマンショック後に増やした資金供給量はGDP(名目)対比にすればアメリカやEUと遜色ない」と言い放ったのには感心した。

注)日本とアメリカの資金供給量の差はおよそ1対3だが、GDPの差も1対3なので白川総裁の言葉が正しい。

 この証言は前原経済財政担当相が日銀に2回も乗り込んで「デフレ解消のために日銀はさらなる通貨供給を行え」と半ば脅したことに対する日銀の正式回答である。

 日銀が政府の意向を無視するのには二つの理由がある。
一つは10年に施行された改正日銀法日銀の独立性が担保され、日銀は政府の意向とは独立して政策決定ができること、もう一つは通貨供給が日本経済の再生につながらないとの日銀の判断があるからだ。

注)改正日銀法では日銀総裁の解任権は政府になく、日銀は独立して金融政策を決定できる。このため前原氏が日銀に乗り込んで日銀を脅したのは越権行為で、白川総裁はこれに立腹していた。

 前原氏は何しろインフレにすれば景気が回復すると信じているようだが、実際はそうはならない。
これは少し考えてみれば分かる理屈で、経済活動が一定の規模のときに更なる通貨の投入は単にものの値段を一斉に上昇させるだけで、価格表示が変っただけになる

注)最近の事例ではロシアのエリツィン政権がそれで、エリツィンは地方遊説のときに刷ったばかりのルーブル札を飛行機に詰め込んでばら撒いていた。
そのたびにその地方の物価が暴騰した。

 通貨供給に伴い、生産と消費が増加すれば初めて経済が成長しデフレも解消するのだが、日本経済は今生産も消費も縮小している。
最大の原因は人口が減少しその中で老人人口が世界最速のスピード増加しているからだ。
人口減少はそれだけで消費を縮小させるし、老人が増えればさらに輪をかけて消費を縮小させる。

 
 これは私が何度も言っているので耳だこがろうけれど老人になれば食欲は衰えるし、着る衣類には頓着しなくなるし、旅行も体力があればこそで、そして家屋は手当て済んでいるか、あるいは諦めている。
そしていまさら大学に行くことはないから教育費は要らないし、必要な経費は医療費と介護関連以外ほとんど必要としない

 これで日本の消費が上向くと考えていたらお笑いだ。
もちろん生産面を考えてみても老人は年金暮らしで基本的に働かないから老人が増えれば生産活動も停滞する。
これは日本中の過疎の農村や漁村や地方都市を見れば誰にでも分かることだ。

 白川総裁が言っていることは、「日本は人口減と老人比率の増加で消費も生産も構造的に縮小しているからいくら金融を緩和しても無駄だ」と言うことだ。
実際金融緩和を行っても国内では使用する資金用途はないので、ヘッジファンド等に資金が流れて穀物やその他の希少資源の投機に回るだけに過ぎない。

 現在の日本再生のために金融が果たす役割はほとんどない
日本の人口減少を食い止めるためには海外からの若者を積極的に受け入れることが必要だし、一方で老人福祉から若者福祉に政治の舵を切り替えなければなけなしの財政を無駄に使用し続けることになる。
そして日本の中で唯一需要がある医療と介護の自由化を行って世界最先端の医療・介護立国にし成長産業を生まなければならない。

注)私は何回も日本の成長産業は医療と介護だと言ってきたが、その内容は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48360072/index.html

 しかしこうしたチェンジは日本人が最も苦手とする対応だ。
外国人と暮らせば治安が悪化するのではないか・・・」とか
老人福祉を切るなんて老人は死ねといっているのか・・・・・」とか
TPPに参加したら日本の皆保険制度が崩れるので反対だ」とか百家争鳴の状態になっている。

 日本が低迷している原因は日銀の金融政策がまずいのではなく、政治が機能せず単に過去を踏襲しているから幕末の江戸幕府となんら変りがない。
大御所様の祖法を変えるなどあってはならぬことだ!!」

 さすがに橋下氏が坂本竜馬にならって「船中八策」を掲げたり、石原氏が老骨を鞭打って「太陽の党」を立ち上げているが、やはり政治が動かなければ経済成長もデフレ脱却も夢の又夢なのだ。

なお、経済成長に関する記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43696146/index.html

別件)「おゆみ野四季の道」のカウンター10000を「おゆみ野四季の道 新」に加えました。

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(24.10.4) 政治家はなぜ円安がいいと思うのだろうか  前原経財相の発言とすでに金融立国になっている日本の実態

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 どうしてこんな発想しかしないのか残念でならない。
前原経財相の「日銀に外債を購入させる」との発言のことである。
日銀が外債(特にドル債)を購入すれば外為相場は円安に動くから日本輸出産業の輸出環境が好転すると言う。
現在為替介入は財務省の先決権限で外為特別会計を通じて外債の購入を行ってきたが、それに日銀を参加させようとの案だ。

 日銀はすでに80兆円資金枠を設けて国債の購入等をしてきたが、「日本国債だけでは駄目で、ドル債も購入しろ」というのが前原経財相の発想で、FRBやECBと競争して金融緩和を行い、それには何でもありだということのようだ。

 しかしこうした金融緩和策とその結果の円安誘導は日本の経済になんらメリットも及ぼさず、かえって日本経済に害をもたらす。
日本経済は昨年から貿易立国でなくなり投資立国に変わっているからだ。

注)日銀の金融政策については以下の記事を参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-4da3.html

 数字を見れば明らかだが、日本は昨年の東日本大震災以降年ベース半期ベースで見ると貿易収支は大幅な赤字が続いている。
赤字の原因は輸出産業が崩壊して輸出が減少していることと、一方で原発の代替燃料としてLNGを中心とする火力発電用燃料を大量に輸入し始めたからだ。

 赤字幅は23年度全体で2.6兆円だったが24年上期はすでに2.9兆円半期で前年の赤字幅を凌駕してしまった。
単純計算で24年度は6兆円規模の貿易赤字が予想される。
日本の経常収支の構造は所得収支の黒字年間14兆円規模)で貿易収支の赤字年間6兆円規模)を埋めると言う典型的な成熟経済そのものに変わってしまった。

 日本はすでに投資立国で貿易立国ではない。
前原氏は円安にしさえすればかつての貿易立国に戻ると考えているようだが、すでに日本の輸出産業は海外に出てしまっており、政府の円安政策をまともに信じたシャープなどは倒産の危機に陥っている。
トヨタも国内300万台死守と言いながら、カローラなどは海外で生産する体制を整えた。

注)製造業が日本を見捨てている実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/23112-99d4.html

 投資立国とは又の名を金融立国といい実際製造業においてすら金融部門の利益が製造部門の利益を凌駕している。
たとえばトヨタは12年3期の収益構造は自動車部門216億円の黒字、金融部門3064億円(自動車ローンや投資)の黒字で、トヨタはすでに自動車製造会社ではなく金融業者だ。

 そしてこの傾向は過去輸出で十分稼いだ企業はすべて同様で、日本は金融機関だけでなくかつての輸出産業も金融業に変わってしまった
それならばものを作って貿易で稼ぐのではなく、お金に稼いでもらったほうがはるかにいいし、そのためにはお金の価値が上がる円高のほうが好ましい。

 円高にさえなれば悩みのLNGの価格上昇にも耐えられるし、穀物価格がいくら上がっても食料品の価格は安定する。
かつてレーガン政権は「強いドルこそがアメリカの経済に資する」と言っていたが、なぜ前原経財相が「強い円こそが日本経済に資する」と言わないか不思議でしょうがない。
政治家とは一世代前の遺物のままなのだろうか・・・・・・

なお、経済成長の考え方については以下の記事に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43696146/index.html

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