(2.3.29)  人類衰亡史序説 フィリピン その1 麻薬撲滅には成功したけれど

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 フィリピンのドゥテルテ大統領を見ているとちょうど西部劇に出てくる保安官のような感じがする。西部劇では保安官がその街を実質的に牛耳っており、外から荒くれものが入ってくると有無を言わせず追い出すか、抵抗する場合は撃ち殺し「俺が法律だ」とうそぶくあの保安官である。
ドゥテルテ氏はフィリッピンの大統領になる前にダバオの市長をしていたが、ダバオをアジアではまれな平和な市にしてしまった。
それまで麻薬密売人の天下だったのを、自ら乗り出して密売人を射殺し、警察官には密売人を含む犯罪者をその場で撃ち殺す権限を与え、数万名のやくざを撲滅してしまった。

 この実績を引っ提げてドゥテルテ氏は2016年、フィリッピンの大統領に当選したのだが、大統領になってからのやり口も全くダバオ市長時代と同じだった。警察官と民間の射殺部隊を組織し、密売人と思われた人々を次々に射殺したがその数は6000名にものぼるといわれている。
また射殺部隊には主婦のような女性もいて一人殺すごとに2万ペソ約5万円)の報奨金を出していた。
この強引な方法は国際刑事裁判所で違法とみなされたためこの組織から脱退し、また国連の人権員会でも取り上げられたため一時は国連を脱退する構えを見せていた。

 ドゥテルテ氏から言わせれば「こうでもしないとフィリピンから麻薬組織やそれに類する犯罪が撲滅できなく、市民生活が守られない」ということで、実際フィリピン人の約80%がこうした乱暴極まるやり方を支持し「われらの保安官」とたたえている。
こうしてドゥテルテ氏の剛腕によってフィリピンに平和が訪れたのだが、時のアメリカ大統領オバマ氏はこのような人権無視の荒くれものをひどく嫌い是正を求めたため、ドゥテルテ氏は「あの売春婦の息子が偉そうなことを言うな」と口汚くののしりアメリカとの関係が疎遠になった。

 この間隙を突いたのが中国で多額の投資を約束しドゥテルテ大統領に接近した。中国は人道問題など絶対に持ち出さないからすっかり意気投合し、それまでフィリピンが南シナ海での島しょの領有権をめぐって中国と反目しあっていたことをすっかり忘れてしまった。ハーグ国際裁判所でフィリピン領有が認められたのにもかかわらず領有権は棚に上げ、海底油田やガス田の共同開発(実際は中国の開発で分け前だけもらう)をすることにした。
ドゥテルテ氏はオバマ大統領とは全く反りが合わなかったが、一方トランプ大統領が就任するとトランプ大統領とはすっかり意見が一致したと見えて中国一辺倒の外交からアメリカとのバランス外交に鍵を切った。

 ドゥテルテ氏はフィリピンの人気者で、コロナウイルス対策においても首都マニラを封鎖しても国民から強い反対は出ない。正確に言えば反対すると秘密警察がやってきて射殺されかねないので実におとなしく指示に従っている。
しかし今回のコロナウイルスの蔓延で世界中の国境が閉ざされてしまい、国民の1割が外国でのメイドや看護師のやガードマンの仕事で生活しているフィリピンにとって経済的な痛手は非常に大きい。

 一人当たりのGDPは約5000ドルであり、東南アジアの国としては中程度の豊かさだが多くは国外からの送金で得ているため、本年度のGDPの伸び率は相当厳しくなると想定されている。ここ数年、年6%程度の成長をしていたがコロナの蔓延状況によってはゼロ%の成長になるかもしれない。
人口増加率は年1.5%程度で成長がなければ貧しくなるだけだから、この突然のコロナ騒ぎはドゥテルテ大統領にとっては正念場といえそうで、麻薬撲滅より厳しい戦いになるかもしれない。


 

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(2.3.28) 人類衰亡史序説 韓国 その8  なぜ韓国の世論調査は信頼がないか

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 韓国経済は崩壊の前夜だし、ウイルス対策は中国に気兼ねばかりした結果日本を大きく上回る感染者数と死亡者数になっているが、一方で韓国の世論調査によると文大統領の支持率は最新時点で50%を超え、不支持を上回っているという
やることなすこと大失敗で、最低賃金を日本並みにしようと上げたのはいいが、中小企業が賃金を払えなくなりバタバタと倒産したり営業中止に追い込まれている。

失業率は上昇しているがそれをごまかすために暇な老人を一日1時間程度の閑業につかせ「見てみろ、失業率は劇的に下がった」などと失業統計をねつ造したりして、何も評価することができないのにこの世論調査の結果はどのように考えたらいいのだろうか。


 韓国の主要な世論調査会社は3つあって、韓国ギャラップ、リアルメーター、韓国リサーチだが、いずれの結果も文大統領の支持率が高い結果になっている。
韓国の世論調査は日本のNHKの調査と比較すると回答率で大きな相違がある。NHKの世論調査は毎月実施されており、2000名あまり電話をかけその回答率は大体55%程度になっている。
一方韓国の回答率はNHKと同様な電話での聞き取りを実施している韓国ギャラップが約20%、一方で機械で音声応答を使用しての調査を行っているリアル・メーターでは約5%になっている。韓国人は基本的に世論調査に協力しない。

 したがって世論調査を基に選挙結果を占うと大きな間違いをしてしまい、パク・クネ大統領の時代の国会議員選挙で事前の世論調査ではパク・クネを支持する与党が圧倒的に勝利するはずだったが、選挙結果は野党に軍配が上がった。

簡単に言えば世論調査は常に与党が有利に出るように回答がなされているのだが、なぜそうなるかというと回答者は自身の政治信条を明らかにすると不利になると考えているからだと思う。

 たとえば与党を支持するのであれば現政権から何らかの不利益を被ることはないが、反対に野党を支持しているのがわかると大学の裏口入学や就職斡旋や、その他政治家や役人をわいろで取り込もうとするとき、政治信条が異なることがばれてしまうと非常に不利になる。

韓国は人と人との結びつきを重視し、家族主義を拡大化したような社会を形成しているため同じ集団に属すると思われれば家族主義の恩恵を得られるがその反対だと徹底的に社会から排除されてしまう。

 一番いい例が、大統領は職務を解かれると同時に犯罪者になり、その一族郎党が検察によって投獄させられるが、それは政治的立場が明確なため、権力を失ったとたんかたき討ちをとられるからだ。

だから韓国社会を生き抜く処世術はできるだけ政治的立場を明確にしないことで、特に現政権に反対者は間違っても世論調査に協力などしてはならないことになる。

 かくして大統領と政権与党は世論調査では圧倒的な支持を得ていてもそれが投票結果に結びつくことはほとんどない。韓国では4月15日に総選挙が行われるが、世論調査では与党が圧倒的に有利になっている。しかし結果を開けてみて野党が勝利することが起こっても私は全く驚かない

 

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(2.3.27)  人類衰亡史序説 エチオピア その1 中国とともに沈む国

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 エチオピアといえば私の世代だとマラソンのオリンピックチャンピオン、アベベ・ビキラをすぐ思い出すが、昨今はWHOのテドロス事務局長が世界に知られた有名人になっている。
テドロス氏は中国の後押しで事務局長になり、またエチオピアへの海外投資は中国がほぼ全額を占めているため、エチオピアはアフリカの中国といわれるぐらい結びつきが深い。

 中国にとりエチオピアは一帯一路のモデル国で、ここを起点にアフリカ全土を中国の影響下に置こうと莫大な投資を行ってきた。
エチオピアの首都のアディスアベバとジプチ間の高速鉄道を開通させ、国際空港を整備し、国内の主要道路の7割を高速道路に衣替えした。それまでエチオピアには放置された鉄道や、ローカルな飛行場や穴ぼこだらけの道路はあったが、中国資本によりインフラが一新されている。
投資額は2兆円規模だがほとんどを中国輸出入銀行の融資で賄っている。

 エチオピアにとって中国こそが希望の星であり、中国資本により一人当たりGDPが1000ドル程度で世界の最貧国だったエチオピアが一躍近代的なインフラを整備したアフリカの先進国家になってしまった。
中国にとっても中国モデルのショーウィンドウだったが、ここにきてすべての歯車が逆回転し始めている。

 一番の原因は中国経済の急停車であり一帯一路に回す資金が枯渇し始めた。中国輸出入銀行は急にケチになり追加投資に対し消極的になり、信じられないことにアディスアベバとジプチ間の高速鉄道は採算に乗らず融資金の回収がままならなくなるといいだした。
もともと採算無視の高速鉄道で、いわばアフリカモデルのショーウィンドウなのに、採算をどうこう言われてはエチオピア政府としては立つ瀬がない。
中国さん、あんたウイン・ウインで実施するプロジェクトだといっていたではないか。線路は引かれたが駅舎の建設はまだ十分に進んでいない。この鉄道をアフリカのモデルにしたいなら、追加融資に応じてくれなければ困る
しかし、エチオピアさん、今まで融資した資金の回収もままならず、利息を棚上げしさらに融資金の減額まで求められてこれ以上の融資は無理というものです

 低開発国への輸出入銀行を通じた融資金は受け取る側からすると贈与という認識で最初から返済する意思はない。融資国は仕方なく利息は減免し、償還金はそれに見合う額を融資することによって表面的には正常な融資が継続している形をとるが、実質的に踏み倒されている。
中国はアフリカに14兆円規模の融資を行いうち2兆円がエチオピアに対するものだ。
問題はエチオピアには中国がほしがる原油も鉱物資源もなく担保とするものがない。仕方なく鉄道の営業権を6年間は中国が握ることによって融資金の回収に充てようとしたが、もともと無理矢理高速鉄道を建設したのだから、返済金などあろうはずもなくただ赤字を垂れ流している。

 中国が破竹の勢いで経済成長をしていた18年までならば、「まあ一帯一路のモデルケースとして勉強代だ」と鷹揚に構えられたが、19年以降経済は失速し資金繰りが急速に閉まってきており返済金がなくなれば中国自体の資金繰りがもたない。
しかもさらに間の悪いことに中国発の武漢ウイルスによって中国経済も世界経済も急ストップしてしまい一帯一路どころではなくなっている。
自国が倒産するかもしれないのにアフリカのことなど知らん!!」と手のひらを返したような対応になっている。

 中国とエチオピアは一帯一路モデルケースとして世界中に喧伝されていたが、ここにきて中国資本は撤退をはじめ、戦争イメージでいえば日本のガダルカナル、ヒットラー・ドイツのスターリングラードの様相を呈してきた。中国の拡大の時代が終わったのである。

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(2.3.26) 人類衰亡史序説 日本 その   東京オーバーシュート前夜

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 とうとう東京がコロナウイルス感染のオーバーシュート前夜になってきた。感染者数は23日16人、24日17人、そして25日が41人になった。感染者数増加を受けて専門家は「明らかに異なるフェーズに入った」との認識を示し、小池都知事は緊急の記者会見で「今の状況は感染爆発の重大局面で、不要不急の外出を控え、特に週末は家で過ごすように」との外出自粛の要請を行った。

 世界では多くの都市がオーバーシュート状態で、ニューヨーク、ローマ、パリ、マドリード、ロンドン等はすでに外出禁止令が出され、街角から人影が消えている。
コロナウイルスに対してはワクチンも治療法も確立されていないため、今できる最も効果的な感染防止策は人が会わないことだ。感染は飛沫感染で拡大するので、マスクを着用し、さらに1m以上離れて会話をし、できれば家に閉じこもって家族とも会話をしないのが最善の予防策になっている。

 しかしこの状態が長時間続くと人間はストレスで精神的におかしくなってしまう。親子が会話をかわせないなどということは子供にとっては信じられないような疎外感を持つはずだし、若者は家の中に閉じ込められればまさに囚人と同じだから思わず叫び声を上げて外に飛びだしていきそうだ。ニューヨークでは外出禁止令を無視してジョギングをしていた若者が警察官から注意を受けていた。

 問題はこの外出禁止令が東京でも出されそうなことで、現在の感染者数が100人単位になって来れば必ず禁止令が出されるだろう。サラリーマンは自宅待機かテレワークとなり、学生はインターネットでの授業を余儀なくされるだろう。店は食料品店と薬局しか空いておらず、交通網も縮小されて病院通いも難渋しそうだ。

特に重度の既往症を持った老人や、介護老人はセ-フティーネットが十分機能しなくなるから、命の危険すら覚悟しなければならない。


 私も老人だからわかるのだが、老人になると健康であるといったことがほとんどない。毎日どこかかしこが痛み時にあまりの痛さに耐えかねて「死んだ方がましだ」と思うことがある。かろうじて一日一日を生きながらえているというのが実態なのに、外出禁止令で多くのヘルスワーカー等が業務できなくなれば、本当に死んでしまっても不思議でない。

 今回のコロナウイルスの死傷者を見ていると、死亡するのは老人と相場が決まっており、世界最大の死者を出しているイタリアでは死亡者の87%が70歳以上の老人になっている。イタリアは世界第二位の老人大国で65歳以上の老人比率は23%だ。もちろん世界最大の老人大国は日本で65歳以上の老人比率は28%だから、日本でオーバーシュートが起これば老人がバタバタと死に絶えるのは目に見えている。
世界第3位の死亡者数のスペインでは死亡者が多すぎて葬儀もできない状況で、これが東京で起これば同じく葬儀場が満杯になりお墓にも入れない状態になりそうだ。

 東京に外出禁止令が出されるのも時間の問題となってきた。経済活動がストップし街から人影がなくなるのは世界共通の現象になっている。
そしてコロナウイルスは特に老人の生命をむしばむから、世界中の老人がいなくなってしまいそうだ。

 


 

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(2.3.25)  人類衰亡史序説 アメリカ その5  ニューヨークのパラダイムシフト

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 コロナウイルスの感染拡大はヨーロッパからアメリカに移ってきた。毎日1万人規模で患者数が増大し、現在感染者数は中国、イタリアに次ぎ世界第三位となりこのままいくとイタリアも中国も抜いて世界最大の感染国になるところまで来た。
全米14州で外出禁止令が出されているが、特に感染者数が多いのがニューヨーク州で全米の感染者数の約半分を占めている。ニューヨーク州のクオモ知事は悲壮な顔つきで、外出禁止令を発表し、在宅勤務以外は認めない措置をとった。

 ニューヨークは人通りが消え、食料品と医薬品以外の買い物は禁止され、レストランもミュージカル劇場も閉鎖され、人々は互いに1m以上の距離を置き握手もハグもせず互いに「あんたコロナ感染者じゃないの」と疑いの目で見ている。
公共交通もほとんどストップし、街が死に絶えたような静けさだ。

 在宅勤務については長い間その普及が叫ばれていたが、従業員同士が顔を合わせたフエィスTOフエィスの付き合いが好まれたため掛け声倒れだった。ところがここにきて一斉に普及し始めたのはそれ以外の仕事の仕方ができないからだ。しかもニューヨークは世界で最も在宅勤務が最適な職場が多く、金融保険ビジネスやIT産業に従事するビジネスマンは自宅にネット環境がそろっていれば職場に出向く必要がないことをしみじみと実感している。
これからは家で仕事する方がうるさい上司の顔を見ないで済むだけ気が楽だし、混雑した地下鉄に乗らなくても済む・・・・・・」多くの人が在宅勤務の楽しさを知り始めた。

 しばらく前までは満員電車や地下鉄に乗ってわざわざマンハッタンのオフィスまで出向いていた人々が、自宅にこもるようになると、そもそも馬鹿高いオフィスなど必要もなくなるし、交通機関はガラガラにすくようになるし、排気ガスを振りまくタクシーも走らなくなる。空は青空が戻り騒音も消えるから何とものんびりした環境が復活する。

 実はこれはニューヨークだけでなく感染者が拡大したあらゆる大都市で起こっており、日本においても私は昨日用があって新宿に行って驚いた。東京にはまだ外出禁止令は出されていないが、人通りが約半分になっていてさらに外国人がほとんどいなかった。3か月前に新宿に行ったときは外国人であふれかえり「ここは日本かしら」と思えるような状況だったのに、今は日本人しかいない。

ヨーロッパの街も同じで、パリもロンドンもマドリードもローマも人影がきえてしまった。

サラリーマンは在宅勤務を余儀なくされ、歓楽街は消え失せ、旅行者が突然消えてしまったためホテルもがら空きだ。

 とても異様な風景だが、一方でこうした都市に人が集まるのは将来非常に少なくなるのではないかと私にはおもわれる。職場が自宅になり情報は会って交換するのではなくネットワークにより伝達され、人々は握手もハグすることなく必要な食料はアマゾンが配送してくれ、子供もネットでの授業が普通になる。

確かにこうした状況はコロナウイルスが蔓延しているため致し方なくとっている措置だが、これが数年続けば在宅勤務の利便性にサラリーマンが目覚めてしまい、そうなる可能性がある。これは、働き方のパラダイムシフトだが、ニューヨークをはじめ先進地域の大都市ではそうなる可能性が高い。

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(2.3.24) 人類衰亡史序説 東京オリンピック その2 7月開催不能

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 東京オリンピックが延期されることになったようだ。IOCのバッハ会長は延期も中止も一切言及してこなかったが、世界陸連や世界水連、アメリカやオーストラリアはカナダやブラジルから延期論が彷彿と沸き上がり、これ以上言葉を濁すことができなくなってきた。
バッハ会長は4週間のうちに結論を出すということで延期の時期の検討に入ったが、4週間という期限はコロナウイルスの収束状況を見たいということだろう。4週間以内に収束のめどが立てば延期は本年度中のどこかで実施できるし、反対に感染が拡大すれば1年の延期は仕方がないとの判断になるだろう。

 一年たてば、ワクチンや治療法が確立され、コロナウイルスはインフルエンザ並みの対応が可能になると期待しているが、インフルエンザは現在アメリカでは2600万人の感染者と1万4千人の死者がいるとCDCが発表していた。それでもインフルエンザを理由にスポーツイベントが中止にならないのは治療法とワクチンがあるからで、死亡者は医者にも行けない貧困層か不法入国者で通常のアメリカ人の感度から言えばそうした立場にいることが悪いということになっている。


 ドイツのメルケル首相は「このままいくとドイツ人の6割から7割が感染する」と警告を発していた。現在地球上の人口は77億人だからそれをメルケル流に計算すると、70%の感染者は54億人であり、世界平均の致死率は4%になっているから、死亡者は約2億人という計算になる。

世界最大のパンデミックだったスペイン風邪の死亡者数は5千万人から1億人と推定されており、当時の世界人口が約30億人だったことから、比率でいえば今回のコロナウイルスの惨禍はほぼスペイン風邪並みの猛威を振るう可能性がある。

 実際毎日の世界の感染者数と死亡者数は加速度的に増えており、特にヨーロッパとアメリカでの感染拡大がすさまじい。イタリアはほとんど中国並みになっているしアメリカやスペインも中国並みになるのは時間の問題だ。

さらに問題はコロナの感染が世界全体に伝搬していることで、次はアフリカと南アメリカで猛威を振るうだろう。

WHOが最も警戒しているのは医療制度が全くないアフリカでの感染拡大で、アフリカでパンデミックが発生すれば拡大を阻止する手段は全くない。

 こうした状況下で東京オリンピックを開催することは全く不可能で、ワクチンと治療法の確立がなされない限りオリンピックどころではない。日本のシンクタンクはオリンピックが延長されることでの経済損失は約2兆円と計算している。だが世界ではヨーロッパやアメリカや中国で外出禁止令がだされ第二次世界大戦後最大の危機を向かえており、世界経済は生死の境にいるのだから機会損失を計算している場合でないというのが実態だ。

どう考えても延期は致し方ないといえそうだ。

 


 

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(2.3.23)  人類衰亡史序説 アメリカ その4   耐久レースの勝者はどこか

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 コロナウイルスの蔓延ですべての経済活動がストップし、各国は耐久レースの様相を呈してきた。アメリカは220兆円の緊急予算を組み、EUも約40兆円、日本も30兆円余りのコロナ対策予算を組むという。
リーマンショックのあと中国が4兆元(約60兆円)の財政出動をしたが、その時以来の緊急出動だ。

 問題はアメリカにしろ、EUにしろ、日本にしろこうした予算を税金で賄うことができず、ほぼ全額赤字国債を発行して賄うことだが、通常の経済学の教科書では赤字国債は将来の子孫に借金を肩代わりさせることだから、特別の理由がない限りしてはならないことになっている。
一方MMT現代貨幣理論)理論では国家はある一定条件下では自由に赤字国債を発行してもかまわないという
ある一定条件とは基軸通貨国経常収支が黒字の国国債利回りが低位安定している間は、その利回りが上昇しない限り自由に赤字国債の発行が可能だという。

 現在国債利回り(10年物)はドイツ、オランダ、スイスがマイナス金利で日本がほぼ0%、ヨーロッパの主要国や台湾は1%前後で推移しており、アメリカが0.804%となっている。一方10%以上の国はアフリカ各国やトルコであり、5%以上10%以下の国はアジア諸国、南アメリカ諸国であり、こうした金利水準から見てEUや日本が赤字国債を発行しても当面問題がないことがわかる。
国債利回りの低い国はほとんどが経常収支が黒字国であり、典型的な黒字国はドイツ、日本、オランダ、韓国、台湾等でこうした国の国債発行余力は大きい。
またアメリカは世界全体のGDPの約25%のウェイトだが、基軸通貨国の特権でアメリカが必要とする通貨量の約4倍(25%でなく100%)まで通貨の発行をしてもインフレは起こらない。実際アメリカは経常収支は毎年膨大な赤字でも平気で国債が発行できるのはこの特権による。

 今回のコロナウイルス対応に各国とも膨大な予算措置を講じるが、アメリカ、日本、EUはいくら発行しても国債利回りは上昇しないだろう。台湾もこの範囲に入るが、一方中国の国債利回りは2.70%で韓国は1.71%だから市場は中国に対しては懐疑的だし、韓国も必ずしも全面的な信頼を得ているとは言えなそうだ
はっきり言えることはこの赤字国債発行余力のある国だけが、コロナの惨禍を食い止めることが可能で、アフリカ諸国はまずパンデミックを止める資金も余力もなく大惨事に陥り、南アメリカやアジア諸国(日本、台湾、シンガポール、ベトナムを除く)は相当の被害が発生すると予想しなければならないだろう。

 コロナウイルスが収まるのは治療法やワクチンが開発された後だから最低でも1年はかかるが、そのあとの世界は惨禍を免れたアメリカ、EU,日本、台湾等と、もはや立ち上がれないほど疲弊したアフリカ諸国と、発展の夢にあこがれたが挫折を余儀なくされた中国やその他アジアの国に分かれてしまうだろう。
2020年は世界史の分岐点で、世界が発展から停滞に移ったターニングポイントだったことを歴史家は記載するはずで、山崎次郎氏の予測が当たった年になりそうだ。

 

 

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(2.3.22) 人類衰亡史序説 ベトナム その1 独立自尊がコロナを撃退する

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 私がいつもベトナムという国を思うとき「なぜこの国はこれほど防衛戦争に強いのか」と不思議な気がする。古くは蒙古の襲来をしりぞけ、第二次世界大戦後はフランスを追い出し、その後フランスの後を継承してベトナムに乗り出してきたアメリカと約10年のベトナム戦争をして勝利した。そればかりではなく中国がポルポトを支援して始めた懲罰戦争を、反対に中国へ懲罰を与えて中国軍を追い返した。ベトナム戦争を戦い抜いたベトナム軍に、朝鮮戦争以来戦争をしていない軟弱な中国軍は全く歯が立たなかったからだ。

私のベトナム観は「ベトナムは防衛戦争に強し」である。

 そのベトナムが中国が始めたコロナ戦争に対して再び強靭な防衛力を発揮している。世界中がパニックになっているといってもいい昨今だが、ベトナムのコロナ感染者数は60名程度で、日本の1000名や韓国の9000名、中国の8万名に比較して患者がいないに等しい数だし、死亡者も1名にとどまっている。
なぜこれほど感染者数が少ないかというと中国との国境を1月末にはすぐに閉めてコロナ感染者の入国を防いだのが大きい。韓国や日本がもたもたと個人旅行の中国人の入国を認めていたのと対応が全く異なる。

 ベトナムは中国の顔色を窺ってもたもたする韓国と好対照で、戦争でも中国を打ち破った自信でみなぎっており、中国を宗主国として奴隷根性丸出しの韓国とは月とスッポンだ。
しかも最近までの経済成長率はここ10年を見ると6から7%の高成長だし、また人口も毎年1%づつ増加しており、非常に若々しい国だ。
一人当たりのGDPは7500ドル程度で約1万ドルの中国にはまだ及ばないが、一方で人件費は中国よりはるかに安く勤勉な国民性のため、日本をはじめ韓国や中国からの海外投資が殺到している。

中国のGDP統計はイカさまばかりだから比較するのは難しいが、ベトナムが中国以上の豊かな国になるのはそう遠くない未来だろう。

 私のブログのテーマは人類衰亡史であるが、ことベトナムに関していえば経済も人口も昇り調子で、今のところ衰退の機運はどこにも見られない。最も現在のコロナウイルスによる世界経済の失速がベトナム経済にも影響を及ぼすだろうが、韓国がそうであるような経済崩壊などという兆候はどこにも見られない。中国にただべったり依存しコバンザメで経済発展すると予測してきた韓国と、独立自尊のベトナムでは最初から国家の矜持が違う。ここしばらくベトナムには目が離せなくなった。

 

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(2.3.21) 人類衰亡史序説 イタリア その3 崩壊前夜

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 アジアでは韓国が経済崩壊前夜に陥っているが、ヨーロッパではイタリアが同じく崩壊前夜に陥った。韓国とイタリアはともに中国との結びつきを国家の基本方針としてきたが、中国経済の落ち込みと武漢ウイルスの拡散によってともに国家の基礎が揺るぎ始めた。

イタリアのコロナウイルスの惨禍はほぼ中国並みで、死亡者数に限ると中国をうわまわっている。もっとも中国が発表する感染者数と死亡者数は習近平氏が3月10日に武漢でコロナに対する勝利宣言を行った日以降劇的に減少したのだが、この数字をアメリカのトランプ大統領は皮肉を込めて「真実ならば喜ばしい」とせせら笑った。

 しかしイタリアに関していえば感染者数47000人、死亡者数4032人は中国を除く他の国に比較しとびぬけて数が多く、なぜイタリアにこれほどのパンデミックが発生しているかは検討に値する。
イタリアは日本と同じ人口減少国で65歳以上の老人比率が23%とヨーロッパ随一の老人大国だ。日本の28%には及ばないものの世界有数の老人大国と言っていい。
今回のコロナウイルスは老人で既往症を持ったものを主として襲っており、実際イタリアの死亡者の87%が70歳以上の老人だ。老人は何らかの既往症を持っているのが普通であり、特に肺炎等の呼吸器系の病気を持っていた場合は命取りになる。

 コロナ対策でパニックに陥っているイタリアの病院の医師がインターネットで世界に救援を求めていたが、イタリアでは医者も看護師もベットも人工心肺も何もかも不足しており、医療が崩壊している。

病院には重症患者も軽症患者もまた単なる風邪やインフルエンザの患者も一緒くたに入院しているらしく、「今は患者の分類が必要で、そうしなければ病院が機能しない」と訴えていた。
これは武漢市での実情を北京大学医学部教授が訴えていた内容と酷似している。

 現状コロナウイルスに対する治療法もワクチンも開発されておらず、軽症者が病院に入院しても医者は何の治療も施せない。それならばコロナウイルスだらけの病院にいるより自宅にいて自己の免疫力で回復を図る方が合理的で、若者や児童はたいていの場合1週間程度で症状が回復する。病院は肺炎を併発し危篤状態の重症者に人工心肺等での対処療法を施すことを主体にし、それで重症者の症状が大幅に改善されると日本の医療チームが述べていた。


 イタリアの問題は高齢者が多く、かつ重症者と軽症者の篩分けがなされないまま患者が病院に殺到し、かえって状況を悪化させていることにありそうだ。さらにイタリアでは老人とその子供家族が同居している割合が他の先進諸国より多く、家庭内感染が広まっていることも原因といわれている。

しかし何といっても本質的な原因は、経済の停滞を中国との結びつきによって何とか改善しようとしたイタリア歴代政権の失政が大きい。

 イタリアはEU先進国で唯一中国の一帯一路政策に賛同した国だが、おかげで中国人が大挙して押し寄せ、現在40万人の中国人がイタリアに住んでいる。また中国からの観光客は600万人で今回のコロナウイルスの最初の患者は武漢からの観光客といわれている。
イタリアは中国の強い結びつきで停滞している経済の立て直しを図るつもりだったが、実際はコロナウイルスを輸出され、イタリア経済の根幹だった観光業が崩壊してしまった。

現在は全土に外出禁止令が出され、観光地は人っこ一人いなくなっている。医療だけでなく経済までも崩壊している。


 しかし考えてみれば日本にとってイタリアは他山の石だ。日本はイタリアと同じ超高齢者社会であり、最近まで中国からの観光客が日本全土で旅行を楽しんでいた。北海道で感染者が拡大したのは中国の個人観光客の受け入れを継続していたからで、アメリカのように中国人全体の渡航禁止措置をとらなかったからだといわれている。

最も現在の日本の感染者数は1000名程度でヨーロッパ各国や韓国等と比較して際立って少ないが、これは安倍政権の水際対策がそれなりに効果があったと評価してよい。
だが油断は禁物で、少し油断するとイタリアを凌駕する死亡者が出るのは、日本の老人比率から見て確実だと思われる。
安倍政権の懸命なコロナ対策は他国と比較しても立派なものだが、今後とも気を引き締めて実施していく必要がありそうだ。

 

 

 

 

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(2.3.20) 人類衰亡史序説 韓国 その 7  韓国崩壊の足音

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 ついに韓国経済の崩壊の足音が聞こえだした。コロナウイルス対応文大統領は「韓国のコロナ対応は完璧だ」と自慢したとたん大邱で感染者が大量発生し、それをようやく抑えたつもりで、「韓国はコロナに勝った」などといったとたんに今度はソウルで感染者が増大した。

文大統領が勝利宣言をするたびに患者数は増えるので、「あんたもう何も言わず黙っててくれ」というのが韓国民の偽らざる心境だ。
最新時点で韓国の感染者数は8500人余り、死者は91人で、これは日本の感染者数900人余り、死者29人に比較して死者の数で3倍多い。

 ひところ韓国の医療当局は「日本より感染者数は少なく、日本の対応は実に稚拙だ」などと言って悦に入っていたが、感染者数が日本をはるかに凌駕し始めると「日本は感染者数を隠している」などともっぱら言いがかりをつけることに終始し、さらに、日本が韓国と中国からの入国者に14日間の自宅待機を求めると「日本だけは世界で唯一非科学的な対応をとった」と猛烈なクレームをつけてきた。
実際はどこの国も同様な対応をとっており、韓国に対し国境を閉ざす国や地域が後を絶たないが、「うるせい、非科学的なのは日本だけだ」と相変わらず韓国人以外には絶対に通用しない論理を振りかざしており、世界の笑いものになっている。

 だがそうこうしている間に世界経済は激変し、原油価格は20ドル台まで低下し、ニューヨークダウは2万ドルを割り込み、日経平均も16000円を割り込んでリーマンショック前夜という様相を呈してきた。

韓国株式も防衛ラインと韓国金融当局が言っていた2000を大きく割り込み、現在は1500台になっている。韓国ウォンも値下がりして、これも防衛ラインといわれた1ドル1200ウォンから、1300ウォンに近づいている。

コロナウイルスと同様防衛ラインは崩壊した。

 さらに問題は資金が海外に引き上げられていることで、今年に入って1.5兆円流失してしまった。韓国のアキレス腱は短期外貨債務が多いことで、金融機関の短期外貨債務の割合が35%といわれている。

これが一斉に引き上げられると1997年のアジア危機や2008年のリーマンショックのような外貨資金の流失が始まる。2008年の時はアメリカと日本とのスワップ協定でかろうじて国家倒産を免れたが、今現在アメリカとも日本ともスワップ協定の締結はなされていない。中国とはスワップ協定はあるがとっさのドル資金不足に対応するには、中国元をドルに換えるのに時間がかかり、あれよあれよという間に韓国はドル不足で倒産するだろう。今はその前夜と言っていい。


 こうした状況下で韓国経済を守るべき司令塔はなく、経済担当の副首相はマスクの配布に大わらわで、しかも実際に経済の実態を理解している閣僚は皆無だ。これが左翼政権のアキレス腱で、分配以外の経済政策は何をしてよいか検討がつかない。

金融なんて何のことかさっぱりで、文大統領、どうしたらいいでしょうか・・・」と全員さじを投げているが、文大統領は日本バッシング以外の能力はないから「あのね、日本とのスワップってそんなに大事なの!!」なんて今頃官僚に聞いている。


 こうした大統領を選んだのは韓国民だから、今はそのつけを払わされているがもはやどうしようもない。かくして韓国経済の崩壊の足音が聞こえる。

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